2025年8月に読まれたインタビューは? まつもとゆきひろが考える「技術力」の定義、映画『8番出口』主演・二宮和也など
うだるような暑さに顔をしかめることも少なくなかった8月。エンジニアtypeでは、多岐にわたるテーマで業界の著名人から話題のゲームを原作とした映画作品の主演俳優まで、さまざまな方のインタビュー記事を読者に届けてきた。
今回は8月に公開したインタビュー記事の中から、読者の間で特に話題を集めた5本をランキング形式で紹介しよう。
目次
【1位】「AIで頭悪くなる人はもともと馬鹿」大塚あみが切り込む“AI万能感”の罠【2位】AI時代に「技術力」は再定義されるのか。まつもとゆきひろが明かす不変の三要素【3位】年30万人が受験するITパスポート試験への誤解とは? IPAが明かす「令和の大改革」全容【4位】国交省がMinecraftで「地下神殿」を再現! リアルすぎるワールドデータの作成舞台裏【5位】「映画『8番出口』主演・二宮和也」途方もない状況で「最悪、終わらなくてもいい」と思える理由
【1位】「AIで頭悪くなる人はもともと馬鹿」大塚あみが切り込む“AI万能感”の罠
「AIで頭悪くなる人はもともと馬鹿」大塚あみが切り込む“AI万能感”の罠type.jp
生成AIの活用が広がるにつれ、「AIに頼ると思考停止するのではないか」という懸念が囁かれている。このテーマに、自らを“生成AIに育てられた第1世代”と称する著者の大塚あみさんに切り込んでもらった記事が、2025年8月のインタビュー記事ランキングで堂々の1位に輝いた。
AIによる思考停止そのものよりも、AIさえ使っていればなんとかなるという「万能感」に酔うことの危うさを指摘する内容が、多くの読者の心を掴んだようだ。
大塚さん:生成AIを使うから考えなくなるんじゃなくて、もともと考えない人が生成AIを使い始めただけじゃないですか?
昔から、ネット検索したものをコピペするみたいなことは普通にありましたよね。AIになっても構造は同じですよ。生成AIの出力がまだ稚拙だから「考えてない人の浅さ」がすぐにバレやすくなったとは思います。
(中略)
もともと思考力がない人が、AIに頼って中途半端な出力で満足しているだけで、思考力の低下をAIのせいにするのは違うと思いますよ。
【2位】AI時代に「技術力」は再定義されるのか。まつもとゆきひろが明かす不変の三要素
AI時代に「技術力」は再定義されるのか。まつもとゆきひろが明かす不変の三要素type.jp
AIがコードを生成し、プログラミングがエンジニアの専売特許ではなくなりつつある時代。エンジニアは何を武器にキャリアを描けばいいのかーー
プログラミング言語Rubyの生みの親であり、長年ソフトウェア開発の最前線に立ち続けてきたまつもとゆきひろさんがこの問いに答えた記事が2位にランクイン。
AI時代でも変わらない「技術力」の本質を、三つの要素に分解して解き明かす。
まつもとさん:「技術力」の本質は、AIの登場以前から何も変わっていないと考えています。
(中略)
特定のスキルは、ツールの進化と共に淘汰される宿命にあります。しかし、「何を解決すべきかを考え抜き、その解決に向けて技術を使いこなす力」は、どれだけ技術が進化しても求められ続けるものだと思います。
【3位】年30万人が受験するITパスポート試験への誤解とは? IPAが明かす「令和の大改革」全容
年30万人が受験するITパスポート試験への誤解とは? IPAが明かす「令和の大改革」全容type.jp
年30万人以上が受験する国家試験「ITパスポート」は、エンジニアにとって役立つのか? そんな議論が各所で巻き起こっている。
3位となった本記事では、試験を運営するIPAの幹部に直接取材。ITパスポートが「エンジニアのため」の試験ではないという事実が明らかにされたと共に、日本のデジタル人材育成を根本から作り直そうという「令和の大改革」の全貌にも迫った。
IPA 執行役員 山北さん:ITパスポート試験は“エンジニアのため”に作られた試験ではなく、“社会人全体のITリテラシーを底上げするため”の国家試験です。
(中略)
ユーザー企業でも業務にITを使うのが当たり前になり、もはや『ベンダーが作り、ユーザーは任せる』という関係では立ち行かなくなっていました。両者がともにITを理解しなければビジネスが回らない時代への転換点だったのです。だからこそ、エンジニアに限らず、一般のビジネスパーソンも対象にした“社会人全体のIT素養を測る試験”が必要だったのです。
【4位】国交省がMinecraftで「地下神殿」を再現! リアルすぎるワールドデータの作成舞台裏
国交省がMinecraftで「地下神殿」を再現! リアルすぎるワールドデータの作成舞台裏type.jp
国土交通省が人気ゲーム『Minecraft』を使って、実在する治水施設や公園をリアルに再現しているという、異色のコラボレーションを紹介した本記事。点群スキャンやPython活用など、最新の土木技術をゲームに落とし込み、防災意識や業界の魅力を伝える取り組みは、読者に大きな驚きを与えたに違いない。
江戸川河川事務所 担当者:川の近くに住んでいる方でも、水害のことを“どこか他人事”に感じがちな人は、結構いるんじゃないかなと感じています。
ただ、こうしてゲームの中で体感することで、“自分の暮らしとつながっている”と気付いてくれるはず。
近年は異常気象が危険視されていますし、防災意識を高くもって欲しいという思いを、このプロジェクトに込めています。
【5位】「映画『8番出口』主演・二宮和也」途方もない状況で「最悪、終わらなくてもいい」と思える理由
【二宮和也】途方もない状況で「最悪、終わらなくてもいい」と思える理由/映画『8番出口』type.jp
全世界で累計190万本超の大ヒットを記録したゲーム『8番出口』の実写映画化。その主演を務める二宮和也さんの特別インタビュー記事が5位となった。
根っからのゲーマーとして知られる二宮さんが、ゲームが自身の仕事人生に与えた影響や、終わりが見えない途方もない状況に立ち向かう姿勢について語った言葉は、私たちに勇気を与えてくれる。
二宮さん:これまでの人生を振り返っても、僕はずっとゲームをし続けてきたタイプの人間なので、すでに生活の一部になっています。
昔は呼吸するように自然とゲームをしていた感覚で、言うなれば息抜きに近かった。でも、最近はゲームとの付き合い方も変わってきているかもしれません。
今はもっと、人生と連動している気がする。例えば、冒険してフィールドを広げていったり、仲間を増やしていったり……そういうゲームをやりたくなるときって、私生活でも同じ願望があるときなんですよね。