おはなしゆめふうせん 文科大臣表彰を受賞 長年の読み聞かせが評価
城山地区を中心に活動する読み聞かせのボランティア団体・おはなしゆめふうせん(矢部裕子代表)が、令和7年度子供の読書活動優秀実践団体として、文部科学大臣表彰を受賞した。矢部代表は「これまでの頑張りが認められてうれしい」と喜びを語る。
同表彰は子どもが積極的に読書活動を行えるよう、特色ある優れた実践を行っている団体などを表彰するもの。
おはなしゆめふうせんは、城山町民大学の読み聞かせ初級講座の受講生が中心となり2001年4月に設立。読み聞かせを通して「おはなしのたねまきをして、おはなしを聞く楽しさ、本を読む楽しさ」を伝えている。現在は、広田小、広陵小、湘南小や地域の保育園などで読み聞かせを行い、公民館のイベントなどにも参加している。団体としては初の受賞で、矢部代表は「表彰を知った方からたくさん連絡をいただいた。どれだけ多くの人に支えられてきたかを実感している」と感謝の思いを口にする。
信頼関係が大事
現在の会員は14人。読み聞かせ活動のほか、月に1回の定例会では打ち合わせや練習に励んでいる。団体設立のきっかけとなった講座のテキストを今でも使っており、呼吸法やアクセント、発声、早口言葉の練習などは今でも続けている。
読み聞かせの際は、「信頼関係が大事」と矢部代表。「子どもたちから読み聞かせのおばさんが来ると面白いねと言ってもらえたら聞いてもらえるようになる」と話す。そのために大事にしていることが「本選び」と言うのは同会の多胡弘子さん。「学校で読み聞かせをする朝の15分のために、3〜4時間探すこともありますよ」と笑顔を見せる。読む本は季節感、絵のタッチ、教科書との比較など、いろいろな観点で選ぶが「今日は興味を持って聞いてもらえたから、明日もうまくいくとはならないのが難しいところ」と話す。
受賞は激励
5月22日には鈴木英之教育長に受賞報告を行った。鈴木教育長は「24年間の活動が評価され私も光栄に思っている。今の子どもたちは読書の機会が少なくなっている。活動を通して子どもたちに良い影響を与えてくれたら」と期待を寄せた。
矢部代表は「今回の受賞はもっと頑張れという激励の意味もあると捉えている。本との出会いは人との出会いでもある。より子どもたちがつながっていく一助になるよう活動していきたい」と意欲を見せた。