仕事での「疲労・睡眠・不安感」それ、鉄分が足りてません 適切な情報提供でパフォーマンスが改善
太陽化学(三重県四日市市)は3月4日、貧血状態をヘルステック機器とセルフチェックアンケートで可視化し、鉄分の重要性を啓蒙(けいもう)する「疲労改善プログラム」を実施したと公表。
プログラムの結果、参加者の行動変容を促し、「疲労感、睡眠課題、不安感」といった軽度の健康課題が改善し、労働パフォーマンスが向上したことを確認したと発表した。
健康状態を可視化、栄養セミナーと自分でできるマッサージ方法を伝授
疲労回復プログラムは、1月21日と2月18日の2回、男性3人、女性28人の計31人が参加した。会場は、三菱地所(東京都千代田区)が個社では手間暇と維持管理コストがかかる休養サービスを、企業間シェアで提供して運営しているシェア休養室「とまり木」で実施した。
個人だけではなく企業の生産性に大きな影響を与える「疲労感、睡眠課題、不安感」などの軽度の健康課題の原因の一つである鉄分不足に注目し、ヘルステック機器と生活習慣アンケートを活用して参加者自身の健康状態の可視化を行った。
さらに健康課題を解決するための具体的な手段として、2回の栄養セミナー、疲労改善セルフマッサージを提供することで、ビジネスパーソンの軽度の健康課題解決を目指した。
プログラム参加者のヘモグロビン推定値、7割で上昇を確認
1月21日の第1回開催時点では、「鉄分が不足している可能性のある人」が、プログラム参加者の73%を占めていた一方、鉄分を意識的に摂取している人は24%だった。
そこで栄養セミナーを実施し、鉄分の重要性の情報提供を行ったところ、1か月後の2月18日の第2回開催後には、プログラム参加者のうち91%が意識的に鉄分を摂取するようになり、ヘモグロビン推定値の上昇が確認された参加者は74%に上った。
また、「疲労感、睡眠課題、不安感」の軽度不調に対する生活習慣アンケート調査では、プログラム前に「鉄分が不足している可能性のある人」は、プログラム後には「疲労感」「睡眠課題」が有意に改善され、「不安感」についても改善傾向が見られた。
さらに労働パフォーマンスもプログラム参加者の約60%で改善が見られた。同社はこれらの結果から、「鉄分を摂取することで、疲労感が改善され、その結果、労働パフォーマンスが改善する傾向があることが明らかになった」と結論付けている。
プログラム前後で鉄分の摂取方法がどのように変化したかも調査したところ、プログラム前は、サプリメント、肉、海藻が主な鉄の摂取手段だったが、ヘルステック機器でヘモグロビン推定値を把握していた。
栄養セミナーで手軽に取り組める鉄摂取手段について情報提供を行ったところ、プログラム後には、鉄分の主な摂取手段がサプリメント、野菜、鉄入り加工食品に変化した。
順位プログラム前プログラム後1位サプリメントサプリメント2位肉野菜3位海藻鉄入り加工食品
同社は「毎日の食事メニューに加えて、鉄入りの加工食品を有効活用といった情報を提供したことで、参加者はプログラム終了後も生活の中で続けやすい鉄分の摂取方法を取り入れ、無理なく自分の健康にアプローチすることができるようになった」と分析している。
当メディアでもさまざまな疲労回復の取り組みについて紹介している。
太陽化学の発表の詳細は同社のプレスリリースで確認できる。