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釜石祈りのパーク 心を込めて清掃 鵜住居地区の住民、中学生ら≪東日本大震災14年≫

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 東日本大震災から14年、より強く大切な人を思う―。祈りが続く3月11日を前に、釜石市民の慰霊追悼施設「釜石祈りのパーク」(釜石市鵜住居町)で7日、清掃作業が行われた。訪れる人たちに落ち着いた気持ちで手を合わせてもらおうと地域住民らが継続する活動に、釜石東中(佃拓生校長、生徒84人)の3年生31人が協力。「地域の一員として受け継いでいく役目がある」と、布を持つ手に力を込めた。

 生徒のほか、地域住民15人ほどが参加。市内全域の震災犠牲者1064人(関連死を含む)のうち1003人の芳名板や防災市民憲章碑などが設置されており、参加者が丁寧に布で拭いた。高圧洗浄機などを使って石畳もしっかりと洗浄し、景観を整えた。

「地域の一員」として清掃活動に取り組む釜石東中3年生


住民と協力して防災市民憲章碑もしっかりと磨く


鵜住居地区防災センター跡地に整備されたことを示す碑もきれいに


 野沢晄真さんは「3.11を特別な思いで迎える人たちが過ごす場所だから」と真剣な表情で取り組んだ。震災当時は幼かったため「覚えていない」という生徒が多く、小笠原早紀さんは「普通の日常が送れることに感謝して過ごしたい」と向き合う。野沢さんは岩手県外へ、小笠原さんは釜石市内の高校へ進学予定。それぞれの道を歩むも、地域に根づく防災を学びながら住まう人たちの思いを感じてきた2人は「いつまでも忘れない。地域の一員として受け継ぐのが役目で、いろんなことをより深く学び、次の世代に伝えられるようにしたい」と、思いは同じだ。

 作業後、生徒たちは施設前に並び、「いつかこの海をこえて」を合唱。被災を経験した同校生の思いを歌にした曲に、「希望ある未来に向かう」との決意を乗せた。

祈りのパーク前で思いを一つに合唱。「希望の道を進もう」


 毎年参加している両川吉男さん(79)は津波で姉2人を亡くした。活動の前に墓参りし、「こっちは元気でいるよ」と伝えてきた。面倒見がよく、「世話されっぱなし」だった。もっと何かやってあげれば、会いにくればよかった…「申し訳ない」。3.11が近づくと、より強く思う。「14年経とうとも気持ちは変わらない」。少し離れた場所から芳名板を見つめつぶやいた。

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