古民家で味わうちょっと贅沢イタリアン 山口市「イタリアン食堂ベケ!?」
今回の訪れたのは、イタリアの家庭料理を、ちょっと贅沢にしたランチが楽しめるお店です。
県内産の食材にもこだわりながら、丁寧に作られたそのひと品はまさに絶品。
家族との記念日や自分へのご褒美など特別な日に訪れたい、とっておきのお店をご紹介します。
和風古民家で提供されるイタリア家庭料理
山口市の八坂神社のほど近くにある「イタリアン食堂ベケ!?」(山口県山口市野田2)。イタリア出身の芸術家ロベルト・ピビリさんと、料理研究家の粉川妙さんのご夫婦が2019年にオープンさせたお店で、隠れ家のような趣です。
「イタリア食堂」と言いつつもお店は純和風の古民家。そんな空間にテーブル席、そしてロベルトさんの絵画作品が飾られていて、和洋折衷な雰囲気です。
地元愛とイタリアの心が織りなす料理
パスタやピザのソースなど、イタリア料理には欠かせないトマトは山口県産のものを使用。
食材はできるだけ県内産のものを使い、オリーブオイルや塩はイタリア産。山口とイタリアが融合したのが「ベケ!?」の料理の特徴です。
地元の食材をたっぷり使ってランチタイムに提供されるコースは、前菜、自家製パスタ、そしてデザートという構成。
プランツォ・バルカッチャ(内容は月替わり) 2,420円
彩り豊かな前菜の盛り合わせは、主にロベルトさんが担当しています。
ニンジンと赤キャベツのラぺ、インゲンの手作りトマトソースがけ、温野菜の手作りバジルマヨネーズがけ、イタリア風オムレツが並んでいます。芸術家の旦那さんが手掛けるだけあって、その色合いと盛り付けは「儚い作品」と奥様がおっしゃるように、食べるのがもったいなくなるほどの美しさ。
しかし、一口いただくと、それぞれの素材の旨味が生かされた味わいに魅了されます。和食などにも使われるインゲンも、トマトソースやガーリックと合わせられると一気にイタリアンな感じになります。
続くメインは、自家製パスタです。
この日提供されたのは、「手作りベーコンと秋穂トマト 山菜の手打ちパスタ」です。
味付けはシンプルですが、トマトの甘みと酸味、ベーコンの旨味が凝縮されたソースがしっかりと絡み、思わず笑みがこぼれるほどの美味しさです。
五感を満たす、手作りドルチェ
ランチの締めくくりは、手作りの「ドルチェ」です。アーモンドクッキーや手作りのチョコレートなど、5種類のデザートが盛り付けられています。
デザートにも、イタリアらしさを大切にしたいという思いが込められています。
山口県産のニンジンを使ったケーキは、シナモン、ナツメグ、クローブといったスパイスが絶妙に効いていて、大人の味わい。甘みもありつつスパイシーさも楽しむことができます。
パンナコッタの上にかけられたのは、きれいなレモンのシロップ。一口いただくと、しっかりとした弾力のあるパンナコッタと、レモンの爽やかな酸味が絶妙にマッチ。口の中をさっぱりとさせてくれます。
山口とイタリアを結ぶ、素敵なご夫婦
兵庫県出身の粉川さんと、イタリア出身のロベルトさん。お二人の出会いは、奥様がイタリアで料理修業をしていた時だったそう。
アトリエで絵を描くロベルトさんに一目惚れし、声をかけたのがきっかけだったとか。
イタリアで運命的な出会いを果たし、結婚されたお二人。なぜ、山口でお店を開いたのでしょうか?
「ロベルトが日本に移住したいと言い出して、兵庫県よりも地方都市がいいだろうと。そんな時に地域おこし協力隊に興味を持ち、総務省のホームページで山口市が『大殿でアート』の募集をしていて、それで応募したのがきっかけ」と奥様。
ロベルトさんも「山口をとても気に入っていて、もう馴染んでます。日本語は全く喋れないけど、県内のいいところをたくさん発見することができました」と、イタリア語で山口への愛を語ってくれました。
山口の豊かな食材と、イタリアの家庭料理の温かさ、そしてお二人のセンスが融合した「イタリア食堂べケ!?」。古民家の落ち着いた空間でいただく、こだわりのランチは、まさに「ちょっと贅沢」な時間を与えてくれます。
記念日や特別な日のランチにはもちろん、自分へのご褒美にもぴったりな「イタリア食堂べケ!?」。ぜひ一度、足を運んでみてください。きっと、素敵なご夫婦と美味しい料理に出会えるはずです。
★今回の内容は、2025年4月15日放送、yab山口朝日放送『You!どきっ』のコーナーを記事化したものです。