これでアナタも目利き! 次に来る“ネクスト古着”「目付き青タグ Champion」のタグの見分け方を解説!
古着ブームは留まることを知らず、ヴィンテージは枯渇、値段高騰も甚だしい。そんな世間でスポットライトを浴び始めたのが、これからヴィンテージになりうる1970年代以降の「ネクストヴィンテージ」。ここでは、そんな古着たちを深掘りする。第7回目は「チャンピオン」」でも’80s以降の「目付き青タグ」を掘り下げる。
「目付き青タグ」Championとは?
アスレチックウエアの老舗ブランド「チャンピオン」。「ランナータグ」や「タタキタグ」、「バータグ」に「トリコタグ」、それらに加え[リバースウィーブ]という看板アイテムも含めヴィンテージ市場では旧くから人気と価値が付いている。今回はそんな「チャンピオン」の中でも注目されてこなかった「目付き青タグ」のナイロンジャケットを紐解いていく。
主なバリエーションは3種類
上からスポーツブルゾン、フードジャケット、そしてコーチジャケット。このタグでよく見かけるナイロンジャケットは主に3種類だ。同型でも、学校やチームのロゴ刺繍やプリント、ボディのカラー、ライニングの違いなど、バリエーションが豊富である。
変形モデルも多数存在する。
ナイロンジャケットの黄金期は’80sで間違いない。そのため、様々なスポーツに向けた多種多様なデザインが存在する。
タグの種類
’80s中期には使用され始めていた「目付き青タグ」。他のアイテムでは、このタグの後にタグの地が青と白で上下に分かれる「目付き白青タグ」が使用されるがナイロンジャケットでは見かけない。’80s後期以降になると徐々にナイロンジャケットの製造数が減っていくため、数年の短い期間の同一デザインのタグにおいても小さな変化が伺え、前期と後期の判別が可能である。
ジャケットに付くタグは主に3種類
上の横長のタグはTシャツやスウェットなどの他のアイテムには付かずジャケットのみに使用された。中央は正方形に近いネームで他のアイテムでも使用された。生産国やケア表記がホワイトボックスで入るものも存在する。下は縦長で生産国とケア表記が白文字で数段に分かれる。
同じデザインのタグでもレジスターマークの位置も2種存在する。
タグ中央の「Champion」に付くⓇマークの位置が上のタグは目玉Cの右上に配置されるが、’80s後期頃になると商標登録の関係で®️の位置がロゴ末尾に変更されたと思われる。なので上のタグは’80s中期から後期、下のタグは’80s後期から’90sと推測できる。
製造国によって、色合いや風合いに差が出る。
同じ年代であっても、生産国によって使用されるタグも微妙に差異がある。上はもっとも多いアメリカ製のタグでベースに発色の良いブルーが使われている。中央のタグは韓国生産のアイテムに付くもので左とほぼ色は変わらないが、斜めの畝が強いのが特徴である。下のタイ製はぼんやりとした少し弱いブルーが特徴的。香港製のタグにも同じ雰囲気のものが多い。
ディテールからアイテムを読み解く
同じ年代、ジャンルの古着を並べると、微妙な違いや特徴が浮かび上がってくる。デザインや生地、部品などのディテールには、流行や社会的背景が反映され、ひとつひとつに物語が詰まっているものだ。ディテールを辿ることで、古着がもっと楽しくなるはずだ。
裏地は用途によって変えられる。
一枚地のナイロンジャケットも多いが、着用シーンに応じて裏地が付いているものも存在する。例えば、汗をかくことが多いジョギングやサイクリング用には、ベンチレーション仕様とセットでメッシュライニングが付いていることが多い。キルティングライニングは、防寒性を高めると同時にジャケット自体の強度も増す。ベンチウォーマーのような使い方をするジャケットにはボアライニングが施される。ポリエステルやポリウレタンのネルライニングは、薄く軽量でありながら最低限の防寒性と快適な着心地を提供するため、使用頻度が高い。
メッシュ
ボア
キルティング
ネル
ハトメはブラス仕上げやアルミが使用されているものが多い。
アノラックなどには防寒性を高めるためフード口を絞るドローコードが付属するが、ホール部分にブラスやアルミ製のハトメが使用されるものが多い。「チャンピオン」の看板アイテム[リバースウィーブ]のパーカの特徴でもあるフード口の大きなハトメ使いを考えるとブランドらしい仕様にも思えるのは気のせいだろうか。
用途によるディテールの違いも要注目。
左は胸上と袖部分がイエローになっているため目を引くのに加え、ネイビーとの切り替え部分にリフレクターテープが施される。右は背中にある三角リフレクターに加え、胸上を囲うように三角形状にリフレクターテープが施される。どちらも周囲の光を反射して自分の存在を主張できるので、自転車やジョギング向けだと推測。
ファスナーも年代判別のポイント。
上は「YKK」の大きなアルミジッパーで’80sのライダースジャケットなどにも使用されているものと同じ。下はロケット型の引き手となる「TALON」のファスナーで’70sから’90sに軽めのジャケットに使用された。
プリントや刺繍も確認必須。
アスレチックウエアなので学校やチームで揃えたものが多く、その証がプリントや刺繍などで入る。スウェットやTシャツのプリントで人気のあるカプセル入り3段プリントもナイロンジャケットならお手頃価格。
RNナンバーも要チェック!
タグに表記されているRNナンバーとは、そのアイテムを製造している会社がどこなのかを示す番号だ。今回紹介している「チャンピオン」のタグにも同様にRNナンバーが記載されており、番号は「2609
4」。「RN Database」にて検索して調べると「ヘインズブランズ」登録番号ということがわかる。