ハッカズークが設立7年半で経団連に入会 急成長するアルムナイ市場、年間1兆1500億円に
ハッカズーク(東京都文京区)は1月6日、1月1日付で日本経済団体連合会(経団連)に入会したと発表した。設立から7年半での経団連入会となる。
同社は拡大するアルムナイ市場を背景に急成長。日本を代表する企業で構成される経団連に加入することで、経団連の会員企業との連携を深め、日本社会全体でアルムナイを活用した人的資本・社会関係資本を強化していきたい考えだ。
ハッカズーク、経団連加入企業などにアルムナイ特化のクラウドシステムを提供
経団連は東証1部上場企業を中心に構成される経済団体。2024年4月現在、日本の代表的な企業1542社、製造業やサービス業の主要な業種別全国団体106団体、地方別経済団体47団体などで構成されている。
ハッカズークは2017年7月設立。経団連加盟企業などを含めた多くの企業に、アルムナイに特化したクラウドシステム「Official-Alumni.com」や、コンサルティングや業務代行などのサービスを提供。当メディアでもSOMPOホールディングス(東京都新宿区)の事例などを紹介している。
経団連は2018年11月に、これまで「純資産額10億円以上」としていた入会資格の要件を「純資産額(単体または連結)が1億円以上あること、または当会団体会員の会員企業であること」と緩和し、IT企業やベンチャー企業が入会しやすくなる環境を整えていた。
ただ、入会には審査などのハードルもあり、アルムナイ市場の急拡大を背景にしたハッカズークの急成長が、設立7年半での同社の経団連加入を実現させた形だ。
1兆1500億円市場のアルムナイ、退職先企業とのつながりへの抵抗感は若手世代ほど薄く
人材の流動化が加速する中、優秀な人材の確保はどの企業にとっても喫緊の課題となっており、アルムナイ市場は急拡大を見せている。
パーソル総合研究所(東京都港区)が2020年5月に公表した企業のアルムナイ(離職者との繋がり)に関する調査結果によると、離職者同士の個人取引を含めたアルムナイの市場規模は年間1兆1500億円にのぼり、離職した会社との取引のみでは年間4400億円の市場規模となっている。
また、ハッカズークが2024年11月に公表した「アルムナイと再入社に対する認識調査」では、「企業を退職した人同士でのつながりを持ちたいか」について、42.9%が「非常にそう思う」「そう思う」とポジティブな回答を示した。
特に20歳代から40歳代にかけては、ほぼ半分に近い割合でポジティブな反応が示された。
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さらに、所属していた企業とのつながりを持ちたいかを退職者に確認したところ、全体では39%が「非常にそう思う」、「そう思う」とポジティブな回答を示し、20歳代から30歳代にかけては、ほぼ半分に近い割合がポジティブな反応を示した。
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アルムナイ同士でのつながりに期待する内容については、「ビジネスの情報交換」が最も多く、企業とのつながりに対しては、「求人や業務委託に関する情報発信」が最も多い割合となった。
退職先企業への再入職には抵抗感
退職した企業への再入社については、若い世代ほど退職した企業への再入社のキャリアの選択肢に入れることについての抵抗感は少なくなっている傾向がみられた反面、実際の再入社については、再入社したいと回答した人でも「抵抗感がある」、「とても抵抗感がある」と回答する割合が多かった。
当メディアでも全国の総務担当者を対象にしたアンケート調査を実施し、「3割がアルムナイ採用の実績あり」などの調査結果を公表している。
ハッカズークの経団連加入の発表の詳細は同社の公式プレスリリースで確認できる。