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【福島県こども未来局 吉成宣子局長】3人の子育てでの気づき。子どもが誇りを持てる母親に

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子どもの成長を応援する政策に取り組んできた福島県。東日本大震災の影響を受けた子どもに対しては、現在も手厚い支援が行われていると言います。しかし福島県は東日本大震災で原子力災害の甚大な影響を受けました。後ろ向きなイメージを持たれがちな福島県ですが、実際に子育てをする親御さんたちはどう感じているのでしょうか。実際に3人の子育てをしている福島県こども未来局局長の吉成宣子さんにうかがいました。

福島県での子育ては楽しい!

――福島で子育てをしている方たちは、子育て支援をどのように感じているのでしょうか? 子育てがしやすいなどの意見も寄せられますか?吉成宣子 こども未来局長(以下、吉成局長):これまで、子育ての大変さを減らそうという支援をしてきました。それは大切なことですが、子育ては辛くて大変というイメージが強くなってしまっています。だから「このような支援をします」と。 けれど福島県が行った、2024年(令和6年)の「結婚・子育てに対する県民の希望と幸福度調査」では、「子育てに楽しさを感じるときが多いですか」といった質問に対して、8割以上が「楽しいと感じるときが多い」と答えています。つまり世の論調とは少し違って、福島県は子育てを辛いと感じるより、楽しいと感じる人が多いことがわかったんです。

――多くの人のリアルな声は、福島県の政策に生かしていますか?

吉成局長:今は「楽しいと感じるときが多い」ことを次の世代に伝えたいと考えています。そうしないと、次の世代が家庭や子どもを持とうという気持ちになれませんから。こうしたプラスの意見があるからこそ、子どもを産んで育てようという勇気も出てくると思うのです。

「お母さんのようにはなりたくない」。そう言われたことも

――局長も3人のお子さんがいらっしゃいますが、どのような子育てをされてきましたか?

吉成局長:仕事と育児の両立に難しさを感じたことも多くありました。ただ私の仕事について子どもたちにしっかり伝える努力をしてきました。「お母さんはこのようなことを目指していて、今、こんな仕事をしているんだよ」と。でも、あるとき長女に「お母さんのようにはなりたくない」と言われたんです。子どもとの時間があまり取れない時期で、娘も辛かったのだろうと思います。

――小さい子には、お母さんに近くにいてほしいと感じる時期がありますよね。

吉成局長:当時は男女共同参画の仕事をしていて、女性の事業家や男女参画のパイオニアの方たちとお話をさせていただく機会がありました。そこで長女のことを話したら「何を言っているの! 大丈夫だから働きなさい。後になればきっとわかってくれるから」と言われたんです。その言葉通り、後に長女が「お母さんのしていることはいいことだね」と言ってくれたときは、本当にホッとしました。私の子育ては仕事との両立のなかにありましたが、公務員という仕事に誇りを持ちながら向き合った時間でした。

子どもは親の背を見て育つ

――今は共働きの家庭も多く、ママたちのなかには子どもと十分に向き合えていないと感じ、仕事を諦めなくてはいけないのでは? という葛藤を抱えている人も少なくありません。吉成局長:私は「ワーク・ライフ・バランス」のあり方は、個々人の心の持ちようなのではないかと思っています。自分が仕事中心で家庭に対して後ろめたいなと感じたときには早く帰って子どもとの時間をつくればいいですし、この状況では仕事の責任がきちんと果たせないなと感じたら働けばいいと思うのです。そうやって、自分の心の重荷やストレスと上手に付き合いながらバランスをとっていくことこそが「ワーク・ライフ・バランス」なのではないかと考えています。 もちろんそれだけですべてが解決するわけではありませんし、私自身も子どもたちに申し訳ないという気持ちを持ち、一方では仕事の満足感を得ながら働いてきました。でも仕事がうまくいかなくて辛いときに勇気をくれるのは、子どもたちだったりするものです。子どもを抱きしめてパワーチャージすることも多々ありました。子どもの力はすごいですよね。

――わが子は働くママたちにとって最強の癒やしですよね。

吉成局長:そうですね。長男が小学校に入る前は仕事が忙しく、「お母さんの帰りが遅すぎる」と子どもたちによく文句を言われていたんです。そのときも私は「お母さんは、世のなかのために働いているのだから我慢してほしい」と話したんです。その後「違う部署に異動することになった」と話したら、長男が「お母さん、困った人がいなくなるように、あったかい福島県をつくってね」と言ってくれました。それが本当に嬉しくて。子どもたちは親の背を見て育つのだ、だからこそ胸を張って伝えられる仕事をしようと思った出来事でした。

――最後に、仕事や子育てを頑張るママたちへのエールをお願いできますか?吉成局長:いろいろな価値観があると思いますが、私は自身の経験から、ぜひ働きながら子どもを産んで育ててほしいと思います。福島県にはそのための支援がありますし、この先もっと整えていきたいと思っています。

福島県には豊かな自然やおいしい食べ物もたくさんあります。そして郷土愛にあふれた子どもたちもたくさんいます。そんな福島県のよいところをみんなで大切に育てていきたいと思っています。

編集後記 3人のお子さんを育てながら仕事をしてこられた吉成局長。仕事と家庭との両立について、実体験を交えて話してくださいました。働くママにとって、仕事と子育ての両立は悩みも深く、大きいものです。けれど、今の自分は何をすべきか、何をしたいのか、ということにきちんと向き合い、自身の心に正直な選択をすることも大切なのだと教えていただきました。働くママたちにとってあたたかいエールになることでしょう。

※取材は2024年11月に行いました。記事の内容は取材時時点のものです。

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