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【「ギレン・ザビ」って誰!?】『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の視聴に役立つかもしれないガンダム用語| 『ガンダム』シリーズきっての演説の天才。IQ240でも妹の真意までは読めなかった

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

現在放送中の『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(以下、ジークアクス)』。最初のガンダムシリーズである『機動戦士ガンダム(以下、ガンダム)』と密接な関係がある本作ですが、『ガンダム』が放送されたのは1979年……! そして、難しい用語や人物名が多出するため、『ジークアクス』からガンダムシリーズをご覧になる方は「これって何?」と思うかもしれません。

そんなあなたのためにスタートした連載「『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の視聴に役立つかもしれないガンダム用語」。ごくごく簡単に『ジークアクス』や『ガンダム』にまつわる用語を解説していきます。

今回はついに『ジークアクス』にも登場する「ギレン・ザビ」について解説します。

 

 

徹底して相性が最悪だったキシリア・ザビとの関係

ギレン・ザビは、『機動戦士ガンダム』に登場したキャラクター。ジオン公国の公王・デギン・ソド・ザビの長男であり、ジオン公国軍総帥でもあります。

IQ240の天才であり、数で不利なジオンが連邦に対抗できたのは、軍を統括しているギレンの存在があってこそ。

開戦当初は、旧態依然とした地球連邦の弱点をついて電撃戦を仕掛け、コロニー「アイランド・イフィッシュ」を占拠し、コロニーを地球に落下する「ブリティッシュ作戦」によって、連邦に大きな打撃を与え、続くルウム戦役でも連邦軍の大将・レビルを捕虜にして大勝を収め、連邦を降伏する寸前にまで追い詰めることに成功しています。

 

 
ただ、その後は、捕虜にしていたレビルが脱走したことで、ジオンの苦しい内情が明らかになり戦争は継続。連邦に戻ったレビルはジオンに対抗したモビルスーツ開発計画である「V作戦」を開始させ、戦争の流れが一気に代わり始めます。

長期戦になると、国力で大きく勝る連邦が優位になるのは避けようがありません。

さらにガンダムに乗ったアムロがジオンのエースパイロットを次々と撃破していったのも相まって、オデッサ、ソロモンと要所が陥落していき、ジオンは徐々に追い詰められていきます。

ここでギレンの父・デギンはジオンの敗北を悟り、ア・バオア・クーに迫る艦隊を指揮していたレビルに和平交渉を申し入れるのですが、ギレンはコロニーレーザーを改造した巨大なレーザー砲である「ソーラ・レイ」を発射し、デギンもろとも連邦の艦隊の3割を消滅させます。

この攻撃は非常に効果的だった一方で、この「父殺し」が、ギレンにとって文字通りの命取りとなることに。

ア・バオア・クー防衛の指揮を執っていた最中、ギレンと折り合いの悪かった妹のキシリア・ザビに父殺しの罪を糾弾される形で射殺され、あっけない最期を迎えます。

父・デギンだけではなく、弟であるガルマの死も戦意高揚に利用するなど、身内に対しても徹底して冷徹な判断を下していたギレン。しかしキシリアの真意までは読めなかったようで「冗談はよせ」というちょっとずれた発言が最後のセリフになりました。

安彦良和さんがアレンジした漫画『THE ORIGIN』では、最初にギレンの計画が破綻したきっかけとなったレビルの脱走にもキシリアが関与していたことになっていて、とにかく徹底して妹のキシリアとの相性が最悪だったと言えます(キシリアがいなければ、一年戦争の結果は変わっていたかもしれません)。

 

 
なお、直前のソーラ・レイによる被害もあって、それまでア・バオア・クーの戦いはジオンが優勢でしたが、ギレンの死をきっかけにジオンの指揮系統に混乱が生まれて戦局が連邦側に傾きはじめ、ア・バオア・クーの陥落へと繋がっていくことになります。

ギレンは前線に出てくることは基本ないので、物語全体を通して、直接戦闘指示を出しているようなシーンはほぼないのですが、この結果を見る限り、戦闘の指揮能力もかなり高かったと推測できます。

 

過激な選民思想はギレンの本音か、それとも建前か

ギレンといえば『ガンダム』シリーズの中でも屈指の演説の天才でもあり、父であるデギンからは「ヒトラーの尻尾」とまで評されたほど。

とくにガルマが死んだ際の「立てよ国民!」という演説でのフレーズは、『ガンダム』をほとんど見たことがない人でも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

ギレンは演説の中で、ジオン国民が選ばれた優良人種であることを何度も主張しており、最後のア・バオア・クーの戦いでは「人類は、我ら選ばれた優良種たるジオン国国民に管理運営されて、初めて永久に生きのびることができる」とまで断言するほど、過激な選民思想を掲げています。

ただ、ギレン自身が内心で本当に選民思想を持っていたのかは意見が分かれるところで、戦意高揚のために、ジオン・ズム・ダイクンの提唱したニュータイプの概念を都合よく利用しただけ……という見方も強いです。実際、積極的にニュータイプの研究を進めているのはキシリアの方で、ギレン本人はニュータイプに対してさほどの関心を示していません。

一見、戦争を引き起こすいかにもな悪役キャラクター……とも言えるギレンですが、実は彼の本当の目的は、増えすぎた人類の口減らしを行い、自らが地球を管理することで、地球環境の再生を進めることにあったとされています。

つまりは、地球と人類の未来のために、あえて独裁者という汚名を被ろうとしていた……といった見方もあり、後に『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』で、アクシズを地球に落として人類を強制的に宇宙に上げようとしたシャアに近いことをしていたとも解釈できます。

 

 
実はアムロやシャアと同じく、典型的な悪役にも見えるギレンもギレンなりの信念をもって動いているというのが、『ガンダム』という作品のすごいところです。

『THE ORIGIN』ではギレンの描写が追加されており、日本文化に精通していて、趣味の囲碁を楽しんだり、庭園の手入れをしているシーンがあったりと、全体的に人間味が増しています。

少し余談ですが、ゲーム『ギレンの野望』シリーズでは、プレイヤーが連邦かジオンの総司令官となって軍を率いる都合上、ジオン編ではギレンが実質の主人公を務めるのもあって、『ギレンの野望』シリーズをプレイしていたファンは、ギレンに奇妙な親近感ようなものを覚えている方も多いんじゃないでしょうか。

ジオンが勝利した世界の物語である『ジークアクス』では、デギンの謀殺が起きていないのもあって、ギレンはキシリアに殺されることなく生存し、宇宙世紀0085年においてもジオンの総帥の座についています。

ただし、キシリアとの仲の悪さは相変わらずのようで、キシリア派との間で苛烈な派閥争いが繰り広げられていることが再三語られています。

それでも物語上に直接出てくることはなかったのですが、10話の予告ではついにギレンの姿が。

正史ではキシリアに殺されてしまったギレンですが、『ジークアクス』では一体どうなるのか気になるところです。

 

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