看板メニュー275円増 「さわやか」値上げへ 定休日と営業時間短縮も県民が歓迎するワケ
■10月1日から値上げ げんこつハンバーグは1265円→1540円
静岡県を代表するご当地グルメ、炭焼きレストラン「さわやか」が10月1日から値上げすると発表した。看板メニューの「げんこつハンバーグ」は現在の1265円から1540円(税込み)に変更となる。9月1日からは毎週木曜日を定休日とし、営業時間も前倒しされる。県民にとってはネガティブな要素となりそうだが、理解や歓迎する声が多い。
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袋井市に本社を置く「さわやか」は静岡県内限定で34店舗を展開している。牛肉100%のブロック肉を使ったハンバーグが特徴で、県内外にファンが多い。週末は店舗によって数時間待ちが当たり前の人気となっている。
さわやかは創業以来、「自然の恵みである素材を活かし大切にする、食品の質を追求して磨き上げる、人の心と技術をこめた美味しさに妥協しない」といったこだわりを続けているという。その考え方を貫くため、食肉をはじめとする原材料費や諸経費の高騰を価格に反映することを決めた。
多くの商品の価格を見直し、10月1日から改定する。看板メニューの「げんこつハンバーグ」は現在の1265円から1540円(税込み)、「おにぎりハンバーグ」は1155円から1380円に値上げする。
■9月1日から木曜日は定休日 営業時間も短縮へ
また、9月1日からは営業時間を短縮し、毎週木曜日を定休日とする。開店時間は平日が10時45分、土日祝日は10時半と15分前倒し。閉店時間は午後10時(オーダーストップ午後9時)と1時間早める。木曜日が祝日の場合は営業し、振り替えはしない。
定休日は従業員の働き方改善と新規の人材確保を目的としている。定休日を設けることで、店長を中心に全てのスタッフの負担軽減を図る。家族や友人と団らんの時間を確保し、心身ともにリフレッシュする機会を定期的につくる効果を見込んでいる。
さわやかでは6月から従業員の時給と評価を見直しているという。定休日の設定について、次のように説明している。
「連日県内外から多くのお客さまにご来店いただく中、常に『つくりたての愛情料理』と『お客さまに寄り添った笑顔のサービス』をご提供できる体勢を継続するには、お客さまを安心してお迎えできる『人財の確保と育成』が必要になります。この度の取り組みにつきましては、いずれもさわやかが皆さまにとって『かけがいのない店』として存在し続けるために、いま何が必要であるかを何度も自らに問いただし、決断をいたしました」
値上げや定休日、営業時間の短縮は、さわやかファンにとってネガティブな要素となり得る。しかし、否定的な声は少ない。
県民からは「定休日や営業時間短縮で利用できる機会が減ると、さらに価値が高まりそう」、「味やサービスを維持するには、値上げや定休日は必要。働く人の環境が整っていなければ、お客を満足させるのは難しい」、「物価上昇を価格に反映できていない飲食業は多いと思うので、さわやかのような有名店が値上げすることで消費者の理解を得られる」といった声が上がっている。
(SHIZUOKA Life編集部)