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日米関税交渉、合意に至らず。日本の強気の交渉は延長戦に突入?

文化放送

6月18日(水)の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーター・経済アナリストの森永康平氏と番組パーソナリティの寺島尚正アナウンサーが、昨日カナダで行われた日米関税交渉が合意に至らなかったというニュースについて意見を交わした。

寺島尚正アナ「トランプ関税のトップバッターとしてこれまで交渉に臨んできた日本です。17日、アメリカ・トランプ大統領と日本の石破総理による日米首脳会談が行われました。関税をめぐる話し合いについて石破総理双方の認識が一致していないと話し、首脳同士の交渉は物別れに終わった形となりました。石破総理は『パッケージとしての合意に至らなかった』と説明していますが、どの点が一致できていないかというあたりは言及を避けています。日米首脳による関税交渉合意に至らずということですが、中には延長戦に突入という表現をしているマスコミもありますけれども、森永さん、改めてこのあたりいかがでしょうか?」

森永康平「ここまでは正直想定通りだと思うんですよね。やっぱり関税かけるという相手に対して『撤廃しろ』っていうゼロイチの議論をしてしまってるわけですから、当然『はいそうですか』とアメリカはなるわけもなく。ただやっぱり90日の猶予期間が終わろうとしていますから、まあ破談しないためにも一応念のため次の一手っていうのは打つべきで、今現状を切ったカードとしてはエネルギーとか穀物周りの輸入っていうところを出したんですけれども、これに加えて第2弾としてはアメリカ国内における自動車生産の具体的な台数のコミットメントというようなところを次のカードとして持つべきかなと思いますね」

寺島「日本は現在、アメリカから自動車部品に25%、鉄鋼アルミニウムに50%の追加関税をかけられている状況です。でも森永さん、その前を考えると自動車関税25%、『これ25%にして何やってくれんだよ!』ってのが正直な気持ちですよね?」

森永「日本としてはやっぱりこのトランプ政権は何がしたいのかっていうと、貿易赤字を削減したいということと、あとトランプさんは『トランプ減税』と呼ばれるものをやりたいわけですから、そのための財源というかそれを用意したいっていうところなんでしょうね。いきなりその減税だけをバンとやると国内的には、中には財政が悪化するって騒ぎ出す人たちもいますから、そこに対する回答として『いやだって、これだけ関税で毎月貿易の度に税収入ってくるでしょ、それを原資としてやってるんですよ!』っていうエクスキューズみたいな、言い訳みたいなのを作りたいのかな、と思いますよね」

寺島「4月からアメリカとの交渉を始めた日本ですが、担当閣僚同士の延長戦に入って最も重視する25%の自動車関税など日本企業への負担、これが続くことになります。サミットに合わせた首脳会談での合意は早くから意識はされていました。対米交渉を担う赤沢経済再生担当大臣がその可能性に言及する場面もあったといいます。関税措置の見直しを再三求めてきた日本にとって、自動車を含む分野別の関税でどれだけ情報を引き出せるかが重要なポイントです。関税交渉が合意に至らなかった、これ非常に残念ではありますが、日本側としては自動車関税の撤廃もしくは引き下げを目指してタフな交渉を続けているという指摘もあります。これは森永さん、トランプ大統領自身もですね『日本はタフだ』という風に発言もしていますからね」

森永「そうですね。なのでよくやっているんじゃないかなと。いきなり土下座外交しなかったっていうのはそうあるべきだと思いますし、タフな交渉をやっているんだろうと。ただ一方でやっぱりトランプ政権側もですね、この関税交渉だけじゃなくて幅広い分野であんまり成果を出せてない現状があるわけですよね。ロシア・ウクライナだって早々に停戦させると言ったら未だに泥沼ですし、何ならここに来てイラン・イスラエルの話まで出てきちゃいました。そうなってくると年の後半から中間選挙を見据えて動かなきゃいけないっていう中で、実はすでにかけちゃってる関税の影響っていうのも経済的なデータとして少しずつ国内外で出てきてるんですよね。そういう意味ではトランプさんが切れちゃうギリギリのところまで妥協せずにやってほしいなとは思いますけれども、一方で日本サイドはどうなんだろうって見ると、日本は日本でもう来月参院選があるわけですよね?」

寺島「そうです、もう7月ですからね」

森永「ってことは、ここでなんかちょっと弱気な態度で結構アメリカ優位な結論を先に出してしまうと『何やってんの!』って話になって参院選不利になるんですよ。そう考えるとこれは私の勝手な憶測ですけども、もしかしたら参院選を意識して必要以上に強気な交渉をしちゃっている可能性っていうのもなくはないかな?と思いますね」

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