浮世絵の中のネコが大集合!「Ukiyo-e猫百科 ごろごろまるまるネコづくし」が7月19日~9月2日、横浜『そごう美術館』で開催
大の猫好きとされる浮世絵師・歌川国芳をはじめ、浮世絵版画をとおして猫の生き方や歴史、人との関わりを紹介する「Ukiyo-e猫百科 ごろごろまるまるネコづくし」が2025年7月19日(土)~9月2日(火)、神奈川県横浜市の『そごう美術館』で開催される。 TOP画像=高橋弘明《[白猫]》個人蔵
妖怪から町人まで、変幻自在な猫たちの魅力が炸裂
美術や文学において、さまざまな形で表現されてきた猫たち。古くは平安時代の『源氏物語』の中に宮廷で愛される猫が登場したのをはじめ、江戸時代には肉筆画や浮世絵版画に人と暮らす猫の姿が多く描かれるようになった。
広報担当者は、「展覧会を通して、社会的に注目をあびている芸術・浮世絵の魅力をご覧いただくとともに、浮世絵ならではの個性豊かな猫たちの表情や仕草をお楽しみいただきたいと思います。にやりと笑った人間味ある表情や不機嫌顔、ねずみを捕まえる野性的な猫、擬人化されたユーモラスな猫などたくさんの猫たちがごろごろ、まるまる登場する本展。浮世絵に描かれる猫を探しながら、浮世絵に親しんでいただくきっかけになれば幸いです」と見どころを語る。
体を丸めたり毛づくろいをしたりと猫らしい仕草から、ちょっと怖い化け猫まで、奥深い猫の魅力が満載だ。
総勢31名の浮世絵師による圧巻の猫づくし
歌川広重、歌川国芳といった江戸時代に活躍した浮世絵師から、歌川芳藤、高橋弘明ら江戸時代後期・明治時代に活躍した浮世絵師まで、総勢31名による浮世絵版画を紹介する本展。
猫の夜の行動や、野性的で従順ではない性質などから描かれたであろう、変幻自在な猫たち。人々を翻弄する化け猫や猫又も登場し、「かわいさ」だけではない姿がうかがえる。
また、猫の擬人化も盛んに描かれ、歌舞伎役者に化けたかのような「猫役者絵」、三味線けいこに興じる猫 、町で商いをする姿など「猫キャラ化」した町人の姿は今見てもユニークだ。
浮世絵師たちによる個性あふれる猫の表現を楽しみたい。
関連イベントも開催
講演会「ごろごろまるまる猫絵の不思議」
8月3日(日)14時~、講師に本展監修者で『福島県立美術館』学芸員の月本寿彦氏を講師に招く講演会「ごろごろまるまる猫絵の不思議」が『そごう美術館』展示室内特設会場で開催。定員50名(事前予約・先着順)、参加費500円。公式オンラインチケットにより事前申し込みを。
※参加には別途展覧会入館券が必要。
開催概要
「Ukiyo-e猫百科 ごろごろまるまるネコづくし」
開催日:2025年7月19日(土)~9月2日(火)
開催時間:10:00~20:00(入館は~19:30)
休館日:会期中無休
会場:そごう美術館(神奈川県横浜市西区高島 2-18-1 そごう横浜店6F)
アクセス:JR・京浜急行電鉄本線横浜駅から徒歩3分、東急電鉄東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線横浜駅から徒歩5分、相模鉄道相鉄本線横浜駅から徒歩7分、横浜市営地下鉄ブルーライン横浜駅から徒歩10分
入館料:一般1400円、大学・高校生1200円、中学生以下無料
※障がい者手帳をお持ちの人とその介護者1名は無料。
【問い合わせ先】
そごう美術館☏045-465-5515
公式HP https://www.sogo-seibu.jp/common/museum/archives/25/ukiyo-e/pdf/flyer.pdf
取材・文=前田真紀 画像提供=そごう美術館
前田真紀
ライター
『散歩の達人』『JR時刻表』ほか雑誌・Webで旅・グルメ・イベントなどさまざまなテーマで取材・執筆。10年以上住んだ栃木県那須塩原界隈のおいしいものや作家さんなどを紹介するブログ「那須・塩原いいとこ、みっけ」を運営。美術に興味があり、美術評論家で東京藝術大学教授・布施英利氏の「布施アカデミア」受講4年目に突入。