安全、確実、迅速に!消防救助の技 訓練成果披露 岩手県大会に向け選考会 釜石・大槌署
消防救助技術岩手県大会に向けた釜石大槌地区行政事務組合消防本部(駒林博之消防長)の選手選考会が5月29日、釜石市鈴子町の釜石消防署(小林太署長)で開かれた。釜石、大槌の2署から隊員17人が出場。県大会でエントリーする陸上の部4種目で訓練の成果を見せた。
消防の基本技能となる15メートルの「はしご登はん」、高所に水平に張られた長さ20メートルのロープを渡って対面する塔上の要救助者を助け出す「ロープブリッジ救出」(4人一組)、8メートルの煙道をくぐって要救助者を救出・搬送する「ほふく救出」(3人一組)、地下などでの災害を想定した訓練で空気呼吸器を装着して下降しロープを用いて要救助者を引き上げる「引揚救助」(5人一組)を実施。それぞれ動作の正確さ、タイム、安全性などを確認した。
はしご登はんは、命綱を作る「結索(けっさく)」から、高さ15メートルの壁にかかったはしごを登るまでの合計タイムで競われる。ロープで作った命綱の端の長さや輪っかの大きさなども採点されるため、正確性も求められる。
その競技に挑んだのは2人。釜石消防署の篠原優斗さん(25)は「普段通りにできなかった。しっかり修正し、今後も頑張っていく」と前を向き、大槌消防署の大津果穂さん(23)は「高いところで救助を待っている人を素早く、安全確実に救助できるよう、学んだ技術を生かしたい」と力を込めた。
出場者は5月上旬からそれぞれ鍛錬。その努力を発揮しようと競技に臨み、「いいぞ、Go!」「最後まで、丁寧に」など互いに声援を送り合った。磨いた技術を出し切った署員もいれば、救助の流れの正確さを欠くなどして審査が中止された種目も。各自課題を見いだし、選考会後には先輩署員の助言も受けながら訓練を重ねた。
成績上位者は6月27日に矢巾町の県消防学校で行われる県大会に出場する。同本部の選手たちが目指す東北地区指導会は7月27日に青森県八戸市、全国大会は8月23日に千葉県市原市で実施。また、水上の部は7月17日に東北地区指導会(宮城県利府町)があり、同本部から「溺者救助」(3人一組)に選手を派遣する予定だ。