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「褒める」も「叱る」も大事 サッカーで子どもを伸ばすために必要な「叱る」の定義や適切な声掛けは? 保護者の悩みに回答

サカイク

最近は学校でもスポーツの現場でも、子どもを理不尽に怒る場面は減っています。

子どもが尊重されて、良い時代になったと実感する一方で、「甘やかしすぎでは? と感じる」、「ぬるい環境で育って将来社会で生きる耐性がつくの?」という不安もある、という親の声も聞きます。

褒めるだけでなく、時にきちんと叱ることも大事なのでは。と感じている親御さんは多いと思いますが、「叱る」と「怒る」の違いがわからなかったり、感情的に怒ってしまっていませんか?

そこで今回、サカイクアンバサダーにご参加いただき、サカイクキャンプやスクールで何千人もの子どもたちに接していて自身もサッカー少年の父親である菊池健太コーチに「怒る」と「叱る」の違いや、どんな点に注意しているのかを聞いてみました。

第一回目は、褒めると叱るの両極端なチームに子どもを通わせているお父さんの相談内容です。

100%の正解があるテーマではありませんが、ぜひ参考にしてみてください。

 

サッカー少年少女が自ら伸びる
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サカイクキャンプやシンキングサッカースクールで7000人以上の子どもたちに接してきた菊池健太コーチ

 

<<脳を研究する大学教授も証言「褒める」と「叱る」の両立が子どもの自己肯定感を育む

 

 

■とにかく褒めまくるチームと厳しい口調のチーム、両方に通わせてるけど......

エンドウさん(仮名)は小2のお子さんを持つお父さん。

お子さんは、お父さんコーチが始動する少年団と元プロが指導する街クラブに所属しています。

2つのチームは空気が全く異なり、少年団は絶対に怒らず、聞いていてむず痒くなってしまうほどとにかく褒めまくる方針、クラブチームのほうはかなりのスパルタで、厳しい口調で始動されるのだとか。

少年サッカーのイメージ

 

そういった真逆の環境の子どもを置く親として、褒められてばかりだと満足して向上心がなくなるのではないか、かといって怒られてばかりだとサッカーが嫌いになってしまうのでは......。と葛藤を抱えているそう。

 

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■コーチの回答 「叱るというのは未来に向けて言葉を発すること」

それに対して菊池コーチは、「僕たちもこれまでサカイクキャンプで7000人以上の子どもたちに接してきて、普段もスクールで週に約200人近い子に教えていますが、万人に当てはまる『正解』はないなと感じています」と答え、こう続けます。

「叱るというのは未来に向けて言葉を発することだと思うんです。例えばサッカーの話をすると、原理原則があって、その原理原則から少しはみ出してしまうと、改善するために話をしてく。

その子が今後困らないように話をしてあげるっていうのが、どちらかというと『叱る』かなと思います。

それがプラスの言葉であることが前提だなという風に思ってます。
一方で怒るっていうのは、真逆の行動で、自分の感情や欲求が満たされない時に言ってしまうことかなと思います」

と、「叱る」は、未来に向けて成長を促すための行為だと語ると、質問者のエンドウさんをはじめ、参加者のみなさんは頷いていました。

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<怒る、叱るの違い>
怒る―― 感情的に自分のイライラや怒りをぶつけるもの
叱る―― 相手の非を指摘し、説明し、きびしく注意を与えるもの。腹をたてているわけではない、相手の成長を促すための行為
=================================

 

■親としてのリアルな話に参加者も共感

いっぽうで菊池コーチは、指導現場では意識しているものの家庭では中々難しい......、という父の顔ものぞかせます。

「我が子もサッカーをしていて、先日テストの結果を持ってきた時『なんでこの点数なんだ?   YouTubeばっかり見て勉強してないからこうなるんだよ』と、叱るじゃなく怒る方の言い方をしてしまいました」とご自身の体験を語ると、参加者たちからも共感の声が上がりました。

 

■褒めると叱るはバランスが大事

子どもに伝え、諭すイメージ

 

サカイクキャンプやシンキングサッカースクールでは、褒めることも大事にしていますが、子どものサッカー経験値によっては求められるものが異なります。

サッカー歴が長く経験のある子たちには、経験値の浅い子たちと同じ内容のトレーニングをしていても、「よかった、素晴らしいよ。でも次はこういう風にしてったらいいよね」と、未来の話につなげていくことも必要なのだそう。

そういった「褒める」と「叱る」のバランスを取ることが大事なのだと教えてくれました。

 

■褒められるために大人の目を気にした行動をとるようになる懸念も

そのうえで、「褒める」だけの懸念点も伝えます。

「褒めるばかりだと、それが当たり前になってしまうと思っています。何か指摘されたときに『俺はダメなんだ』と感じてしまったり『今日は褒めてもらえなかった』と、必要以上に落ち込んでしまうんです」

褒められるだけの環境にいると、褒めてくれる人の前でお利口さんでいようとするので、チャレンジしなくなるのだそう。

上手できれいなサッカーをするけど、子どもらしい自由な発想やプレーがなくなってしまうので、指導者は、子どもたちがコーチの機嫌をうかがわず伸び伸びできるよう工夫したほうがいいと語ります。

そのためには、子どもたち一人ひとりの背景にも目を向けて、褒めると叱るのバランスを見てあげてほしいと自身の考えを伝えると、相談者のエンドウさんも大きく頷いていました。

 

■わが子のことになると、ついつい......

とはいえ、わが子となると、抑制が効かない時もあるそうで「色々偉そうに語ってしまいましたが、僕自身わが子にはどうしても『怒る』が優先しちゃうんですよね」と苦笑すると、相談者のエンドウさんだけでなくほかの参加者たちも頷き、共感していました。

それでも「怒る」と「叱る」の違いを理解して、念頭に置いておくだけでも子どもたちへの接し方が変わるはずです。

感情に任せて怒るのではなく、改善し成長に導くために叱る。ぜひ心得ておいてください。

次回は、サッカーに迷っている小5の子どもについつい感情的になってしまうお母さんの相談をお送りします。

 

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