母「私、今日からここに住むの!?」施設への引っ越しを終え…いまさら!? #母の認知症介護日記 210
アルツハイマー型認知症になった実母のことや、アラフィフ主婦の日常をあれこれ書き連ねるワフウフさん。自身の体験をマンガにしています。
母・あーちゃんは、大事なものをベッドのマットレスの下に隠す癖があります。つい最近、財布がないと騒いでいたため、ワフウフさんがマットレスの下を見たところ、案の定、見つかったのですが……。そのとき、同時におもらしのシミも発見してしまったのです。あーちゃんの行動から、トイレの失敗があるだろうと思ってはいたものの、ワフウフさんは現実を目の当たりにし、施設へ引っ越す荷物の中にそっと尿漏れ用パンツを入れておくことにしました。これで準備は完璧。あとは引っ越しを待つだけとなりました!
今日が何の日かわかっている?
ついに迎えた引っ越しの日。父がダンスサークルへ行っている間に、急いで引っ越しを終わらせる計画です。しかし、いざ家へ迎えに行くと、すっぴん&パジャマ&ノーウィッグのあーちゃんの姿があり、ワフウフさん姉妹は衝撃を受けます。とにかく時間がないので、そこから急いで準備を進め、なんとか引っ越しを終えました。あーちゃんは、最後に自分の部屋の前で「お世話になりました!」と軽く頭を下げ、思いのほかあっさりと別れを済ませました。
荷物を運び終え、皆で近くの焼き肉屋さんでランチ。あーちゃんなりに気をつかっていたようで……。
自分が注文した料理を、しきりに皆に勧めていました。
施設で部屋を出るときにポシェットを使っていた利用者さんを見たことがあったので、あーちゃんにも家からポシェットを持ってきました。すると、あーちゃんはそれを受け取って、すぐに持ってきたカバンにしまいました。
その光景を見ていた姉・なーにゃんが、なぜしまうのかとあーちゃんに聞いてみると……。
涼しい顔でこう言ったあーちゃん。
私たち姉妹に衝撃が走ります。
嫌な汗をかきながら、あーちゃんに現状をもう一度説明します。
すると、あーちゃんは驚いた表情を見せましたが……。
すぐに取りつくろうように笑っていました。……引っ越しのこと、よく理解できていなかったようです。
あーちゃんの荷物を運び込んだ私たちは、荷物をほどく前に近くの焼き肉屋さんでランチをしました。あーちゃんは「私のことで迷惑かけちゃうわねぇ」と申し訳なさそうにしていて、あーちゃんなりに一生懸命気をつかっているのか、しきりに自分の頼んだ料理を皆におすすめしていました。
その後は、施設で必要になりそうなものを買い出し、家から持ってきたものに名前を書きながら荷物の片付け。施設では、部屋から出るときにポシェットを使っている利用者さんの姿を見ていたので、あーちゃんも家からポシェットを持ってきていました。部屋から出るときは、貴重品を入れて使うように言ったところ「わかったわ!」と言い、そのまま持ってきた自分のバッグにIN。「しまっておかないと、帰るときに忘れちゃうわ」とのことで、私たち姉妹は一瞬言葉を失います。
あーちゃん、もう家には帰らないというのが理解できていなかったようで、今日が引っ越しの日だからもう帰らないと再度説明すると「私、今日からここに住むの!?」と驚いた顔をしましたが、すぐに「そうねそうね、今日引っ越しよね」と取りつくろうように笑って言いました。私と姉が帰るとき、自分も帰ると言いだしたらどうしよう……。
--------------
理解できていないなりに、皆が自分のために動いてくれていることを感じて気をつかう姿に、あーちゃんのやさしさが表れていますね。環境が大きく変わって、最初は戸惑うこともあるかと思いますが、引っ越しを選択してよかったと思えるような変化が見られるといいですね。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。