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釣りで【バラシ】が発生する理由を5つの視点から徹底考察! 対応策も紹介

TSURINEWS

魚をバラす理由とは(提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)

魚を釣る事が目的であるアングラーにとって、「魚をバラす」事ほど辛い事はない。苦労して針に掛けた魚が目の前で逃げていく様は、可能であれば見たくないし、経験したくない事だろう。今回は、アングラーが魚をバラしてしまう理由と対策についてみていきたい。

バラシの語源とは?

まずはバラシの語源について色々と調べてみたのだが、実はハッキリとした事は判っていない。魚が逃げていく様子を「(魚と釣り人が)バラバラになってしまう」という風に見立てて使用された……という説が濃厚なのだが、今はどちらかというと釣り界隈におけるスラング的な意味合いが強いように感じる。

言い回しは複数あるが、最もよく使われるのは「バレた」「バラシた」という表現だろう。可能であるなら、アングラーとしては一生使いたくない言葉なのだが、そうもいかないのがこの「釣り」という遊びの難しさであり、興が深い部分だろうと著者は感じている。

撮影時に逃げられた著者(提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)

バラシの理由

では、バラシの具体的な理由について考えていく。実際には下記に挙げることが複合的におこりバラしてしまう事が多いので、考えられる全てを疑ってみたい。

1. 針にまつわる理由

釣り針は対象魚や釣り方に合わせ、実に多様な形状・色・種類が存在する。

そのため、時に針サイズや形状が合っていないという事が起こりえる。また、針先が鈍っていてきちんと貫通していなかった、掛かる場所が悪かった・・・という事案は実に多い。きちんと仕留める為には、使用する針の種類や針先の鈍り具合に意識を割きたい所だ。

2. ラインにまつわる理由

これはなんといってもラインブレイクだろう。対象魚のサイズと太さ(号数)が釣り合っていなかった、使い古したラインだった、という「釣る前から切れる可能性があった」ケースと、根ズレで傷が入っていた、直前に釣り上げた魚の歯による傷が入っていた、というように、「釣り中に対応すべき事柄」も存在する。

対象魚や釣り方に合わせたラインセレクトと、こまめなラインチェックが重要と考える。

3. エサにまつわる理由

食いが渋く食い込みが浅かった、エサの付け方が悪かった、捕食するタイミングを読み切れずに掛かりどころが悪かった……等が該当する。ラインや針とも関係があるが、エサの種類や魚の活性によって付け方を工夫すれば防ぐことが出来たかもしれない内容だ。

4. アワセによるもの

最も多いのは、魚のアタリに気付くことができずきちんとフッキングしていなかった、という事例ではないだろうか。要はアワセのタイミングが悪かったという事だ。

エサや対象となる魚の種類によってアワセのタイミングが違う事を追記しておきたいし、口が柔らかい魚の場合はアワセを入れた瞬間に魚の口が切れてしまう「口切れ」もケアしたいところだ。

アジ科は口切れに注意(提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)

5. タックル関係

時に、ロッドが想定外の大物の引きに耐えられなかった、リールのドラグ性能を超えて対処が出来なかった……なんていう事もある。不意にヒットするゲスト/大物に備えておくというのは大変難しいので、これが一番どうしようもない理由かもしれない。

勿論、そういった巨大魚が掛かる可能性がある釣り場・釣り方を選択する際に、頭の片隅に置いておくだけで獲れる可能性が僅かながら増す事も追記しておきたい。

竿やリールには拘りたい(提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)

悲劇を回避するために!

では、極力魚をバラさないようにするために必要な事は何なのか。順にみていこう。

対象魚に合わせたタックル

自身が釣りたい魚をきちんと絞り、その魚の生態やサイズに合わせたタックルで挑むのが最も良い方法だ。特にラインブレイクに関しては想定外の大物を除いて防ぐことが出来るし、使用する針やエサについてもきちんとマッチさせているために失敗が少ないと言える。

対象魚の研究は必須(提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)

集中力を保つ

暑さや寒さ、睡眠不足に疲労など、集中力が切れてくるとアワセのタイミングがズレたり、不意の良型に対処できない事が多い。釣りの前日はしっかりと睡眠をとり、無理のない釣行計画を立て、自身の集中力がきちんと保てるようにしておこう。これからの時期は熱中症対策も重要だ。

アワセを徹底的に勉強

釣りは魚の口に針を掛けなければどうしようもない。釣りにおいて最も重要なのはアワセ方とタイミングだと著者は考えている。即アワセなのか遅アワセなのか、はたまた独特のタイミングがある魚なのか。名手の実釣動画や、当TSURINEWSの記事を読んで、しっかりと勉強してみてほしい。

口に掛けるテクニックが重要(提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)

新しい釣具を使用

新品の針は鋭利だし、新品のラインは強度充分。使い古した仕掛けではリスクが増すだけなので、極力新しい仕掛けで挑みたいところだ。

バラした後に問われる腕

これだけ対策をしてもバラしてしまうこともあるだろう。「その後」の動きにもフォーカスしてみたい。

タックルチェック

まずはラインの傷、針の鈍り具合など、使用しているタックルを細かにチェックすること。そうでなければ、また悲劇が繰り返されてしまうからだ。順調に釣れている時はこういったチェックを怠りがちだが、バラしやすい大物はそんな時にこそヒットするもの。備えあれば患いなしと言えるだろう。

撒き餌を撒く

アジやグレ(メジナ)等、群れで動いている魚はバラした事により魚が散ってしまう事も多い。そんな時に素早く撒き餌を撒くことで、群れをある程度その場に留まらせることが可能だ。

バラした直後に冷静に撒き餌を撒くというのは中々に難しいが、名手は仮にバラしたとしても素早く撒き餌を撒き、次にヒットする大物を「確実に」手中に収めるものだ。

場所を変える

撒き餌をせずに釣る釣りで、対象魚の警戒心が高い場合、一度バラしてしまうとその周辺全てがダメになる事がある。特に渓流釣りではこの傾向が顕著だ。素早く切り替えて次の場所へ移動する方が、良い結果を得やすい。

同じ場所を狙う

根魚狙いの場合は渓流釣りとは逆に、ヒットした場所=巣穴とでも呼ぶべき場所なので、同じ場所を狙い続けるともう一度ヒットすることがある。

また回遊魚の場合、ヒットした場所は潮のヨレやベイトの有無など、「その場所でヒットする理由」がある。これらのケースでは同じ場所を狙った方が良い事が多いので、対象魚の習性をしっかりと理解しておくことが大切だ。

巣穴を直撃!(提供:TSURINEWSライター・荻野祐樹)

釣り方の工夫

ルアーやエギであればカラーローテーションを行い、対象魚がスレないような工夫する。アクション等、誘い方を変えるのも一つの手だ。同じ釣り方で結果が出ない時は、恐れることなく「次の釣りを試す」心持ちが重要だ。

工夫次第でバラシは減らせる!

長年釣りを楽しんでいれば、バラシというのはおそらく一度や二度では済まないだろう。あの時こうしていれば、こんな事をしなければ……と後悔することなく釣りを楽しむには、事前の対策や考え方が非常に重要だ。

さらに、バラした後は多少なりともメンタルをやられるが、その後の動きでその日の釣果も大きく変わってくる。バラシを必要以上に怖がる事無く次のアタリに備え、魚との駆け引きを楽しんでほしい。

<荻野祐樹/TSURINEWSライター>

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