本町小が創立120周年 2月に記念セレモニー
2025年4月に創立120周年を迎える横浜市立本町小学校(田川斉史校長)=中区花咲町。24年度をアニバーサリーイヤーとして、児童や学校、まちが一体となり記念事業を進めてきた。今年の2月21日(金)には、周年を祝うセレモニーを行う予定になっている。
同校は1905(明治38)年に区設の尋常高等小学校から独立した市設の「横浜市第一高等小学校」として創立した。
当初の校舎は中区北仲通、現在のみなとみらい線馬車道駅付近にあった。20(大正9)年には後の校歌となる『学び舎』が誕生した。
23(大正12)年に発生した関東大震災で校舎が全焼。27年(昭和2)年に現在の学校がある中区花咲町に二代目の校舎が建てられた。この場所は、高島嘉右衛門による日本で初めてのガス会社が設立された「日本ガス事業発祥の地」。その証として、正門前にはガス灯が設置されており、校庭からは日本最古と思われるガス管が発見されている。
学校令による2度の改称を経て「横浜市立本町小学校」の名になったのは47(昭和22)年のことだ。現在の校舎は84(昭和59)年に建てられた三代目。当時は珍しい壁のないオープンスペースの教室やじゅうたん敷きの校舎は、新しい時代の教育に対応していると、さまざまなメディアに紹介された。
「挑戦」の軌跡
教育活動においても新たな取り組みに挑戦してきた。94(平成6)年度から開始した「学校のインターネット化による情報活用の高度化」を実施する「100校プロジェクト」の実践校に選定され、インターネットをいち早く取り入れた。また、学年担任制の導入や総合的な学習の時間の先行実施なども行い、全国の学校関係者が視察に訪れていたという。
学校創立時に教育環境の充実を目指して保護者の有志で作られた「本町小学校教育奨励会」も、同校の歴史を象徴する存在の一つ。PTA組織ができてからも存続し、毎年PTAとは別に役員を選出する全市的にも珍しい組織だ。
横浜の新旧歴史ある学び舎に
本町小の桜木町駅から関内駅周辺までを学区とし、野毛や伊勢佐木町、馬車道といったエリアや、野毛山動物園、中央図書館、開港記念会館などの横浜を代表するスポットが点在している。
みなとみらい21地区(MM)でタワーマンションの建設が相次ぎ児童数が急増して教室数が足りなくなったことを受け、本町小の学区を分割。2018(平成30)年に、MMと北仲通北地区を学区とする「みなとみらい本町小学校」=西区高島=を期間限定(当初の予定は10年間)の小学校として開校した。
2月に記念式典
2月21日(金)に同校で「記念式典・祝う会」の開催が予定されており、現在創立120周年事業実行委員会(高橋忠彦委員長)らが主体となって準備を進めている。
祝う会では、児童が中心となってお祝いセレモニーを行い、本町小の卒業生による演出も企画中。児童や教職員、保護者、まちが一体となって120周年を盛り上げている。