CNNが選んだ「世界一美味しい料理」を作って会社のみんなにふるまってみた結果…
いまや一億総グルメ社会。テレビをつけてれば、情報番組の半分くらいがグルメ情報である。
右を見ても美味、左を見ても美味。さて、そんな世の中で「世界一美味しい料理」が食べられるとしたら……?
先日、品ぞろえが特殊すぎることで紹介した鶯谷のライフで見つけたのがインドネシアの「ビーフルンダンの素」。
このルンダンって食べ物、実は「世界一美味しい食べ物」に選ばれたことがあるのだ。せっかくなので会社のみんなに作って世界一の料理を食べさせてあげようではないか……。
・CNNが選んだ世界一美味しい食べ物
インドネシアでは祝いの席などで食べられるという煮込み料理の「ビーフルンダン」。牛肉をココナッツミルクと香辛料で長時間煮込んだ料理なのだが、2017年にCNNが「世界一美味しい料理」に選んだことで有名になった。
で、そんな「ビーフルンダンの素」がたったの数百円で売られていたのだ。世界一美味い料理の素が数百円……!
「Indofood Racik」というシリーズで、インドネシアから輸入したガチの本場もの。手のひらサイズの小さな袋入りになっている。
香辛料とか調味料をイチから集めたら絶対面倒くさそうだし、手軽に世界一が楽しめるなら最高だ。
せっかくだから会社のみんなにも食べさせてあげよう。
みなさ〜ん!
私、今から世界一の料理を作ります!
・必要な材料は少ない、だがしかし……
ビーフルンダンを作るのに必要な材料は
・牛肉(肩、スネ、モモなど煮込み用) 500g
・ココナッツミルク 700ml
と、非常にシンプル。今回は、なんとなく肉が柔らかくなりそうな気がして、自己判断で玉ねぎも加えた。
ただし、牛肉にしてもココナッツミルクにしても必要な量が多い!
肉はアメリカ産の肩ロースを買ったけど、会計したら材料だけで余裕で3000円を超えてしまった。う〜ん、簡単なコース料理が食べられちゃう金額だ……。さすがハレの日の料理。
・作り方は簡単、だがしかし……
作り方もまた非常にシンプルで、肉を焼いて煮込むだけである。
まず、フライパンでルンダンの素を炒めて香りを出すのだが……。
むせるほどスパイスの香りがたちのぼり、刺激によって「目が!目があ〜!」状態になった。あとエスニックな香りがすんごいし、油分が多くてまわりに飛び散りまくった。
自宅だったら2日くらい匂いがとれないやつだ。会社で調理して正解だった。
そして、ここに牛肉を投入して、色が変わるまで焼き目をつける。
肉に焼き目がついたら水を500ml入れて……水分が減るまで煮込む。
これは時間かかるやつだ!
このときすでに時刻は4時。下手したらみんなに世界一美味い料理が振る舞えない可能性がある。
仕事をしつつ何度も鍋の様子を見にいったのだが……。水分が全然減らない。
40分ほど経って、ようやく水分が飛んだところで……
ココナッツミルク700mlを入れて、肉が柔らかくなるまで1時間半煮込む。
すげー時間かかるやん!
この時点で、半数ほどのメンバーは帰ってしまった! もうすぐ世界一美味い料理が食べられるんやで! 帰ってしまうん?
ちなみに、作ってる最中に入ってきて「え〜、すご〜い」とか言ってたGO羽鳥も颯爽と帰っていった。
煮込みながらちょいちょい様子を見にいくのだが……。
ココナッツミルクが減らねえ!
ていうか、見本の色と違ってあまりにもクリーミーすぎる。使ったココナッツミルクが異常にドロドロしていたせいだろうか。
あと、飛び散りがすごい。本当に会社でやってよかった。家のキッチンがこんなに汚れるのは耐えられない……!
〜そんなこんなで約1時間半〜
とりあえずできた!!
見本の色と違いすぎる……。もっと煮込まなくてはいけなかったのだろうか。
正直、見た目は地獄みたいだけど、ココナッツミルクの甘味とスパイスの辛さで奥深い味わい。
長時間煮込んだからお肉はホロホロだし、味はたしかに美味しいのだ。信じてほしい。
・みんな!できたよ〜!
というわけで、出来上がったのでみんなに振る舞うことに。ちなみに、私はこれ以上事務所から人が減らないように調理中に
「あと1時間で世界一美味しい料理が食べられるよ!」
「あと30分で世界一美味しい料理が出来上がるよ!」
「あと15分で世界一美味しい料理ができるけど帰らないよね?」
とカウントダウンして期待感を煽りに煽り、帰りづらい空気感を出しまくっていた。
みんな〜! できたよ!
た〜くさん、めしあがれ!
……。
世界一美味しい料理を目の前にしたとは思えぬ顔!
こちとら2時間かけて牛肉を煮込んだというのに、なんなんだこの反応は……。
「見た目は微妙だけど、めっちゃ美味しいんだよ!」
と、力説して、なんとか食べてもらうことに成功。
砂子間「……まあ、今日食べたものの中では美味しいですね」
古沢「これは、美味しいですね……(完食)」
中澤「意外と美味しい。いい肉使ってます?」
砂付近「……美味しいけど、辛いのでゆっくり食べますね」
あ、あれ……?
もっと「え、超美味い!」みたいな、いい反応がくると思ったのに……! 思ったよりはだいぶ微妙な反応だった。
見た目かな……やっぱ、見た目が微妙だったのかな……。食べると美味しいのに……。のに……。
以上、これが世界一美味しい料理のレポートでした。見た目はアレだったけど、本当に美味しかったんだよ! 本当に! どこかでルンダンを見かけたらぜひ食べてみてね。ココナッツ系のカレーが好きな人はきっと好きな味だから!
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.