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夏アニメ『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』会沢紗弥さん×坂田将吾さん×中島ヨシキさんが第4話までのおすすめシーンや気になるキャラクターを語る|そこはかとなく教養を感じるシリルのツッコミ

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

小説投稿サイト「小説家になろう」でシリーズ累計1.3億PVを達成した、依空まつりによるライトノベル『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』。本作のTVアニメが2025年7月よりTOKYO MX、BS11ほかにて放送中です。

現在は第4話まで放送されたタイミングとなりますが、アニメイトタイムズではこの機会にモニカ・エヴァレット役の会沢紗弥さん、フェリクス・アーク・リディル役の坂田将吾さん、シリル・アシュリー役の中島ヨシキさんへインタビューしました。

それぞれの演じるキャラクターの印象はもちろん、みなさんが第4話までで印象に残ったシーンや気に入っているキャラクターについてもお話ししていただきましたので、これまでの物語を振り返り第5話以降への期待を高めるべくご一読いただければ幸いです。

 

 

【写真】『サイレント・ウィッチ』第4話放送後 声優インタビュー:会沢紗弥×坂田将吾×中島ヨシキ

数式を語るシーンだけはとにかくすらすら言葉が出るように

──本作の脚本や原作をチェックした時の第一印象から伺えますか?

モニカ・エヴァレット役 会沢紗弥さん(以下、会沢):頭の良い方が執筆した物語だなと思いました。どのシーンもきめ細かく意味があって後に繋がっていきますし、言葉のひとつを取っても綺麗で読んでいて美しい情景が浮かぶようでした。貴族や魔術のような日常生活ではあまり使わないような単語についても、納得できるわかりやすさを感じました。

フェリクス・アーク・リディル役 坂田将吾さん(以下、坂田):貴族という言葉が出ましたが、そんな貴族同士の立場や力関係の違い、そこから来る人間関係が問題になる場面があるので、世界観が作り込まれていると思いました。そんな世界でモニカという主人公がどう成長していくのかという物語は心に沁みますし、彼女が必死に頑張っている姿が素敵です。

 

 
シリル・アシュリー役 中島ヨシキさん(以下、中島):似たり寄ったりにはなりますが、自分もそう思います。ファンタジーと数学的な要素の掛け合わせは斬新だと思いますし、やっぱりそういう部分は理解していないと描けない。それを僕のような学の無い人間にも面白く伝えるよう工夫されているなと。

最初に読んだ時は、魔術という普遍的なファンタジー要素と現実的なものの組み合わせがリアリティに繋がっているなと思いましたね。風景描写もそうなのですが、作品全体の空気感が澄んでいて透明感のある映像になっているので、原作から受けた印象そのままでした。

──ご自身の演じられるキャラクターの第一印象や役作りに関してもお話いただけますか?

会沢:モニカはよくここまで生きてこられたなと感じました。本当に人間社会で生きたことがない人といいますか。中々話せないし、魔術の天才という一面に関しても本人があまり自覚していないので、私自身はモニカが天才だと考えないようにして演じていました。

あとは、やっぱりあまり会話に慣れていないキャラクターなので、言葉がそこまですらすら出ない感じを意識しました。普段はアフレコ前に家で発声や滑舌の練習をするのですが、言葉がすらすら出過ぎないようにあえて練習しないでアフレコに臨んでいましたね。

 

 

──PVから既にどもっているシーンがありましたね。また、キャスト発表時にはコメント動画が公開され、数字や数式に関する台詞が難しいと語られていました。

会沢:言葉が詰まるシーンは、収録時からわかりやすく噛んでほしいというディレクションをいただいていました。数式を語るシーンに関してはオーディションの時から早口で話すところがあったので、試されているなと感じていました。でもモニカは数学を本当に心から愛している女の子なので、そこだけはとにかくすらすらと言葉が出てくるように、楽しく演じさせていただきました!

──坂田さんと中島さんはいかがでしょうか。

坂田:フェリクスはモニカの護衛対象である第二王子ですが、第一印象としてはクールさと優しさが同居した気品のあるキャラクターだと思いました。演じる時はその気品を損なわないよう、背筋を伸ばして喋るように意識していた部分があります。難しい言葉をさらっと詠うように言うことを意識しているといいますか、相手にしっかり話しかけるというより会話の流れの中にそっと台詞を置いていくようなイメージで演じています。

 

 
中島:実はエリオット・ハワードも受けていて、自分はどちらかというとエリオットの方が向いているかなと思っていました。配役の連絡をいただいた時にはエリオットは木村良平さんで…自分はシリルに決まったと連絡をもらったので正直驚きました。

どちらかというと僕は中低音というか。最近は特にそこに魅力を見出していただいている感覚があったので、自分にはない要素だと思っていたんです。だから、どうやってシリルに寄せていこうかと最初は悩みました。だけど、見た目の印象が中性的なだけで声が高いとあるわけではない。それにオーディションに受かったから大丈夫だろうと思い、第2話からそこは深く考えずに現場に行っていました。

 

 
役作りとしてはまずフェリクスの存在があるので、坂田くんがどう来るのかは気になっていました。他のみなさんのオーディションの時のことは知らないので、周りの生徒会メンバーはどうやってくるのかをしっかり聴いて、いったん声のトーンのバランスを取ろうかなと考えて第一声を発した記憶があります。

シリルは副会長的なというか、あまり我を出さないようにというか。最初の一歩は主張が強すぎないようにしてからの「殿下……!」というところで個性が出せればいいのかなという作り方を第2話の時にしましたね。

──そうやって演じていく内にスタッフさんたちからのディレクションとかはあったのでしょうか?

中島:金﨑貴臣総監督にはデビュー当時からお世話になっているのですが、監督が直接ディレクションされる現場は初めてだったのでどういう風なのか気になっていました。どちらかというとシリルの真面目さや実直さ、忠誠心が前面に出てくるようにということと、段々モニカに絆されて心を許していくので、そことの落差が出たらいいなという話をしました。

 

 

──収録現場の雰囲気についてもお教えください。

中島:基本的には会沢さんがひたすら喋っていますね。

坂田:モニカはとにかく台詞量が多いですしね。そして、そんなモニカに対してシリルが間にツッコミを入れてくると。

会沢:気持ちのいいツッコミでしたね!

中島:会沢さんと坂田くんのふたりが若くて、その周りが結構ガチガチな印象があります。ルイス・ミラー役の諏訪部順一さんをはじめとするベテランの方がいて、僕くらいの中堅がちょこっといたり、あとは(※木村)良平さんがそこを引き締めてくれるというか。モブの子の中には、この作品が初めてという新人の方もいらっしゃったようですし、キャリアも年齢層も広いけどアフレコ現場はとにかく和気藹々としていますね。

 

 
坂田:やっぱり会沢さんがモニカに似ていると結構みんなが思っていそうな雰囲気があるので、本当にモニカについていくような形で目標をもってアフレコに臨んでいますし、作品の世界観を作ってくれているなって思っています。

会沢:そうなんですねぇ……。

──会沢さんがモニカに似ているというのは、例えばどういったところでしょうか?

坂田:立ち居振る舞いが重なる瞬間が多くて、演じるところを見ても納得があるというか。本当にモニカ自身だなと思いながら今はアフレコ現場にいます。

中島:会沢さん自身は社交的ですしモニカほど極端ではないですが、マイク前に立つ姿を後ろから見ているとダブる瞬間がありますね。

会沢:そんなに似ていますか? と思いますが、そう言ってもらえるのはありがたいです。私はマイク前で動いてしまうタイプかもしれないので、そういう部分が似ているのかもしれません。モニカが上手く喋れなくて「どうしよう?」っておどおどしている時に指をもにょもにょ動かすのですが、それを私もやっていました。

 

モニカが頑張っているシーンは応援したくなる

──お互いの演じるキャラクターへの印象もお教えください。

中島:モニカは過去に色々あったからだと思うのですが、生きるのが大変そうだなと。全部が全部を大げさに捉えてしまうのが大変そうで、僕はちょっと可哀想だと思っちゃいます。特にシリルは最初ツンケンしていて怯えさせてしまうので……。

すぐごめんなさいと言うところから生い立ちが見えるのがモニカのちょっと哀しい部分なので、そこがどうなっていくのかですよね。彼女は人間関係を今からようやく作り始めているところだと思うので、学園生活の中でその成長を見守っていきたい存在です。

シリルから見たフェリクスは高潔な存在として崇めるところまでいっています。ただ、僕自身から見たフェリクスは底知れなさがすごいところがある。

感情を押し出した部分もまだ皆無ですし、坂田くんのお芝居的にも流れるように、ともすれば印象に残らないまであるような凪のようなキャラクターをつけている印象があるので、今のところはちょっとした怖さもある人物かなと。

 

 
会沢:フェリクスは一番演じるのが大変そうです。タイトルを「第二王子の隠し事」に変えてもいいくらいだと思います。

絶対に何かを隠しているのにそれを悟らせない絶妙さだったり、それを見せないようにしていたり……するかもわからない絶妙なライン。何かがひっかかるのにその理由を言葉にできないというか。そういうところが滲み出ているお芝居がすごいなって思います。

モニカを気にかけていることにも何か理由があるはずなのですが、とにかく色々な物を背負っているので、本当は余裕なんてないんじゃないかとも思うし、大変そうだなって。

シリルは一番情に厚いキャラクターですね。そうは見えないのに、モニカに対しても他のキャラクターに対しても、生徒会の中では一番面倒見が良いと思います。

私はモニカとシリルのやりとりが大好きなんです。何をしてもツッコミをくれるし、魔力のことで暴走しちゃうのも彼が人一倍真面目だからこそなので、そうは見えないけれど一番人間味のある人だと感じています。

坂田:僕からするとモニカの方が大変だと思いますよ。

そんなモニカはヨシキさんの言う通り可哀想な一面もあるのですが、面白い子っていうのが僕は先にきちゃってます。一挙手一投足がワタワタしていたり、すぐにウルウルしたりして変な声を出すじゃないですか。

そういうところから予想外のものが毎回飛び出してくるので、面白いなって感じています。後はそことの落差じゃないですけれど、モニカが頑張っているシーンやこれから状況を打破していく瞬間のお芝居の時は応援したくなりました!

シリルは凄いツッコミ役だなって。真面目にフェリクスに付き従ってくれる部分もありますけれど、モニカにとっては友達でもあり師匠でもあるというか。情に厚い部分とかも氷属性とは真逆の性格で魅力的だと思ってます。

 

 

──アフレコでお互い掛け合うときはどんなことを意識されましたか?

会沢:モニカは誰に対してもなのですが、会話に慣れていなくて言葉が出てこないところがあって、次は何を喋ればいいのかと焦ってしまっています。だからあまり掛け合いにならないというか、相手の言葉を聴きすぎないようにしていました。自分が言葉を発することで精一杯になってしまっているし、口癖がごめんなさいということもあって、こんな自分と話をしてもらってごめんなさいという気持ちで掛け合いをしていました。

──そんな中でも使い魔のネロとは普通に会話している印象があります。ネロを演じる生天目仁美さんとの掛け合いについてもお話いただけますか?

会沢:アフレコ現場では第1話からずっとネロ役の生天目仁美さんが隣にいてくださったんです。Bパートにネロの出番がなくても残ってくださることもあり、大先輩なので恐縮ではあるのですが、本当にネロとモニカみたいな距離感でずっと側にいてくださったので、とてもやりやすかったですしありがたかったです!

──ありがとうございます。坂田さんと中島さんもいかがでしょうか?

坂田:掛け合いで気を付けていたのは、どのキャラクターとも一定の距離感を保つことでしょうか。相手と近づきすぎず離れすぎず……というより、フェリクスは別に離れても構わないかなと思っていて。だからとにかく近づき過ぎないように演じていた気がします。後はできる限り各キャラクターの意図や性格を見通して、最適な回答として台詞を言えるようにしていました。モニカに対しては確かに興味があると思うので、その部分は少し意識しながら演じていました。

 

 
中島:シリルは別に裏のある人ではないですし、隠していることも今のところないので、逆に掛け合いは素直に演じるようにしていました。他のキャラクターの掛け合いを後ろで見ていても楽しい作品なので、相手の声をよく聴くようにはしていました。

シリルとモニカのやりとりはほっこりするし僕も好きな要素なので、ついシリルがモニカに優しくなってしまうのをもっと戻してと言われたりすることがあります。お兄ちゃん感が出ているところを少し戻して、生徒会役員同士の関係性に戻して欲しいと最近は特に言われているような気がしています。

後は先ほどネロが話題に上りましたが、猫の時はモニカとの家族感や漫才感があるけれど、人間の姿になって声が土岐隼一くんになった瞬間に、まったく人の話を聴かないイメージが前面に出てくるのが面白いです。モニカが止めてもいっちゃうネロみたいな。

姿によっても生天目さんと土岐くんのお芝居の方向性的にも、内に向いているのと外に向いているので印象が変わるんだろうなって後ろで聴いていて思いました。同じキャラクターでも印象が違うって面白いなと思いながら見てました。

 

 

──会沢さんと坂田さんも掛け合いの時にディレクションを受けたことはありますか?

坂田:ときたま抑えてという指示がありました。おそらく少し感情が出過ぎた瞬間というか、何か怖く見えてしまうかもしれないという時にもう少し優しくして大丈夫だとディレクションをいただきました。

会沢:言葉が詰まりすぎ、もっとハッキリみたいな指示はありました。モニカはそういうキャラクターではあるものの、流石に言葉が出なさ過ぎてアニメに音としてのらなかったんです……。聴こえ無さ過ぎてもダメだし、聴こえ過ぎていても人間慣れしているように思われてしまうので、そのギリギリのところを狙って出すようにしていました。

 

 

収録現場は幅広いキャリアのキャストが揃う

──フェリクスとシリルは生徒会長と副会長という関係性ですが、お互いの役者としての印象も伺えますか?

中島:芝居自体が飛んできすぎてないので、フェリクスは印象を語るのが難しいんです。でもそれを演じられる坂田くんは凄いです。つい言葉を渡したくなるのが役者だと思うので、キャラクターに徹している器用な感じがあります。坂田くん自身にはのんびりしていておおらかな印象があったので、シリルのキャラクター性と本人の性格を考えると意外に思います。何か難しいことをさらっとやっている印象です。

 

 
坂田:ヨシキさんが出演された作品を学生の頃にチェックしたことがあったので、シリルをどんなふうに演じるのかワクワクしていました。僕はヨシキさんのツッコミが大好きで、毎回シリルがツッコミを入れる時は「そういくんだ!?」と驚かされています。

実は僕も最初はヨシキさんにシリルという印象がなかったんです。だけど、お芝居を聴いてみるとこういう意図なんだろうなっていうのが凄くわかる。シリルにヨシキさんの声の温かみが乗っかることで、とても素敵なキャラクターになっていると思います!

──エリオットやニール、ブリジットといった他の生徒会メンバーについてもお聞かせください。

会沢:ブリジットさんは家柄などの事情が色々あるので今後の活躍に期待してください。エリオットはモニカからすると怖いイメージなので、ふたりはどう和解していくのか、はたまた本当に敵になっていくのか、4話時点ではまだわからない状態です。だから救いはニールしかないんです。

中島:そうだね。ニールは一番優しそうっていうイメージがあるし。

坂田:フェリクスはエリオットとよく絡むのですが、尊大に振る舞うわけでもなく自分の中の強い信念にしたがって行動しているのだろうなと思っています。行動や言動に迷いがないのが魅力ですし、良平さんが素敵なお芝居をされているので、それを間近で見られるのは本当に勉強になっています!

 

 

──木村さん、榊原さん、日笠さんとのアフレコ現場での印象に残るエピソードはありますか?

中島:キャスト表を見た時に僕はもう良平さんや日笠さんと同じところにいなきゃいけない、そういう歳になった、そういうキャリアの積み方をしたんだなと実感しました。榊原は事務所の後輩ですし、先輩としてもちゃんとしなきゃなってどうしても感じましたね。

良平さんは何かあった時に相談させてもらったり、飲みに連れて行ってもらったりする凄くお世話になっている先輩です。そんなダサいところは見せたくないという想いは同業者としても男同士としてもあって。そして、日笠さんも定期的にご飯に連れて行ってもらうような間柄で。だから、おふたりが現場にいてくださるのは頼もしいし嬉しい。

だけど僕の世代は同年代との現場がとても多かったので、そんな先輩方と名前を連ねさせていただける嬉しさとほのかなプレッシャーがありました。

 

 
会沢:榊んさんはアニメ化前から原作を読んでいる方だったので、作品理解度が人一倍高くて本当に頼りにさせてもらいました。

坂田:榊原さんや日笠さんともほかの作品で一緒になる機会は多いのですが、主に良平さんに話しかけるチャンスだと思って休憩中とかに何の本を読んでいるんですか?と自分から話しかけていました。アフレコ現場でも隣に座ってくださったので、色々と相談しやすくて……毎回かなり的確なアドバイスをもらえるので、いつも頼りにさせていただいています!

──生徒会メンバー以外にもみなさんが気に入っているキャラクターはいますか?

中島:僕はイザベル・ノートンです。とにかく種﨑敦美さんの引き出しの多さに感服します。別作品でご一緒した時と目にする度に違うことをやられているので、単純に同じ役者として恐れおののくといいますか。イザベル自体は悪役令嬢になりたいという変わったキャラクターですが、モニカが陰なら陽の方で作品を彩っている好きなキャラクターです。

お互いの良さみたいなことを結構話せる方なので、種﨑さんは別の現場で会うのが楽しい人だと思っています。

 

 
会沢:モニカとしては作品唯一の光というか、良心のラナ・コレットですね。本当にただただ優しく、ずっと気にかけて一緒にいてくれて、この先もモニカのことを支えてくれます。どの台詞にも優しさが滲み出ている中村カンナさんのお芝居が好きだし、カンナさんが向けてくれる笑顔がラナと一致するので好きです!

中村さんと現場ではたわいのない話をしていることが多いです。モニカやラナについてはあまり話した印象がないのですが、本当にクラスメートのような関係性かもしれません。

坂田:僕自身も黒猫を飼っているのでやっぱりネロが可愛いなって思います。見るたびにウチの子も踏み踏みするなぁとか、僕が寝ているうえで踏み踏みするなぁとか思い出してしまうというか。ネロを見ていると本当に心が安らぐ部分があるので好きです。

後はリンさんも面白い。無表情でスッと喋っていくのですが、その中に面白いポイントが何個も組み込まれていて、あんなに面白くできるんだって見ていて思います。

 

シリルのツッコミにはそこはかとなく教養を感じる!?

──第4話まででみなさんの印象に残っているシーンもお教えください。

会沢:私は、第4話の最後にモニカが「奥様のご懐妊おめでとうございます」と言ってシリルが「誰の話だ!」とツッコむところが好きです。それで一連の流れから絶対に違うとわかっているのに、フェリクスが「きちんと責任は取らなくてはいけないよ」って言うんですよ。

中島:責任を取れなんて言われたら、シリルが何か悪いことをしたみたいだよね(笑)。

一同:(笑)。

 

 
坂田:僕は第3話で植木鉢を落とした犯人がセルマだったところですね。モニカが犯人を暴いてくれたので、私がやりましたと自白する。そこで何もない私から婚約者を奪わないでと言うのですが、その一連のシーンからは痛々しくてセルマの心の痛みを感じます。そこで、この世界は楽しいだけじゃないという深みも感じられたので好きです。

中島:僕はシリルの面白ツッコミシリーズですね。例えば「誰がスタッカートをきかせろと言った!」とかでしょうか。

坂田:ありましたね!

中島:何かそこはかとなく教養を感じるツッコミだと思いました。オーディションにもこの台詞はあったんですよね。そんなシリルのツッコミは僕自身も参考にしています。

──スタッカートなんて、音楽を少しはかじってないと知らないような言葉ですよね。

中島:小刻みに音を切って演奏するみたいな意味がありますからね。

坂田:ここでモニカはなんて言ったんでしたっけ?

会沢:ごっご、ごめんな、さい! みたいな感じでしたね! でもそのツッコミがあったからスタッカートを意識して言ってました!

中島:ツッコミをもらいに行くな!(笑)。

一同:(笑)。

坂田:シリルもM1グランプリとか見るんですかね?

中島:やっぱり日々勉強だしね。ツッコミってバリエーションが尽きてくるので、シリルではなく僕は色々な言い方を工夫しています。ただ怒鳴っているだけだとつまらない人になっちゃうので、シリルとしてはやっぱり面白い男でいたいですし。

 

 

──まとめに入る前に余談になるのですが、人前で上手く喋れないことから詠唱が上手くできず、それが理由で無詠唱魔術を実現したモニカになぞらえて、みなさんが苦手だったことを努力でなんとかしたエピソードを教えてもらえますか?

会沢:私はモニカと経緯は違いますが、人間と関わる努力をしはじめました。

中島:どうしたのよ?

坂田:そのきっかけは?

会沢:実は私、幼少期から人と関わらないようにする努力をしてきたタイプだったんです。でも、声優という職業は同業者の方だったりスタッフさんだったり、たくさんの人と関わるし、たくさんのはじめましてがあるので、シンプルに喋らないとダメじゃないですか。

でも私は喋らないように努力してきてしまったので、人との仲良くなり方がわからないまま大人になってしまって。そのことに20代前半で気付くことができたので、これからは人間と共に生きようと思ったんです。

坂田:間違いないですね。

 

 
中島:人は人と関わるしかないですからね。それで言うと僕も、人前に出なくて良いと言われたから声優になったのに、めちゃくちゃ出て歌って踊ってをしているのが不思議に思うことがあります。いくつかのコンテンツに関わってライブでアリーナに立つ自分の姿なんて、当時は全く想像していませんでしたから。

もう克服したというより、仕事だからやるしかないということですよね。そもそも音楽とかにもなるべく関わらないようにしていたので、学生時代に聴いていたアーティストは?と質問されても聴いてないので無いですとしか言えないぐらいです。でも、それだと人としてつまらないですしね。

だから今は、荒療治ですけどバンドとかをやってみたりもしています。でもやっぱり人前で歌ったりすることに苦手意識はあって作詞とかもしていますが、やっぱりその場に自分から飛び込んでやるしかないっていう状況にするのがいいのかなと。

──坂田さんはいかがですか?

坂田:小学生の頃から業界に入ってしばらくは凄く恥ずかしがり屋でした。だけどバラエティ的な生放送の中で何か爪痕を残さなきゃならないと思い立ち、そうなるとハートを強く持たなきゃならないので、自分が信じたボケが滑っても何も感じない心を手に入れました。それ以降は、滑ったら受けないほうがおかしいという気持ちでただ真顔でカメラを見るようにしています。

中島:パワープレイだね(笑)。

坂田:あれ?どうして?面白いのにって(笑)。

会沢:(笑)。

坂田:いつの間にか、恥ずかしいって何だったんだろうってときたま自分が怖くなります。

 

 

──やっぱりそういうボケというか、大喜利とかって考えるのが大変なんでしょうか?

坂田:大喜利自体は好きなんですけどね。

中島:凄いね!?

坂田:面白くはないけど考えるのは好き……みたいな感じで、ドンって出してもあまり受けないですね……。

中島:段々それも気持ちよくなってくるから。今滑ってるっていうのが面白さになるから。

坂田:そうなんです。うわ、やっちゃったって恥ずかしいと思うんですけど不思議です。

──ああいった番組やイベントではそういった苦労があるんですね……では最後にここまで見てくださった方や、4話以降を楽しみにしている方へのメッセージをお願いします。

中島:4話までくるとシリルの過去が描かれて、モニカが本格的に生徒会に参加することになったかと思います。これからさらにキャラクターが増えますし、モニカの受難もまだまだ続きます。一朝一夕で変わるものではないですが、緩やかに外へ気持ちが向いていくモニカの姿は見てもらいたいです。

そしてモニカの成長物語だけでなく、国や貴族が関わるややこしい政治の話が後ろでついて回ります。日本人の我々からすると馴染みのないものですが、貴族階級だからこその厄介なルールがあるんです。

彼らはその中で生きて自分のためだけでなく家のため、そういうものを背負っていることを頭の片隅に置いておくとまた違った面白さが見えてきます。新しいキャラクターが増えた時には、そのキャラクターの立場や階級みたいなところにも注目してください!

 

 
坂田:第4話まで放送されたのでワンウェーブが終わったかと思います。別々だと思われた事件がひとりの黒幕の手で引き起こされたものだとモニカが明らかにしましたが、ここからより色々なことが起きます。ここまでがプロローグだったのではないかと感じるぐらい本格的に面白くなるので、モニカの成長も含めて楽しみにしていただければと! 本当にモニカは面白い子なので、ぜひたくさんの方に見て欲しいと思っています!

会沢:第5話から登場人物がたくさん増えますが、彼らは必ずしも善人とは限らないかもしれません。ひとりひとりが身分や背負うものを持っているので、みんなに注目してもらいたいです。

そしてモニカの成長物語ではあるのですが、フェリクスとシリルと関係性が深まっても楽しい学園生活……とはならないというか。モニカ・ノートンはあくまで仮の姿なので、本当の目的は生徒会ではなく第二王子の護衛なんです。

どんどん愛おしくなってくるこの学園生活に対して本当の目的が現実としてあるので、切なくなってくる部分があります。終わりが見えている訳ではないけれど、その辺りもぜひ見ていただきたいです!

 
[文・胃の上心臓]

 

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