新連載 コレ 気になってます! “ニューコロ”なぜ拡大? 学生団体、メンバー150人超
学生団体ニューコロンブス-。鎌倉を拠点に、ビーチクリーンで環境問題に取り組んだり、イベントを通じた地域コミュニティーづくりに励んだり。2020年5月、コロナ禍で激減したつながりを取り戻そうと、4人で立ち上げられた団体は、今や150人を超えるまでに拡大している。
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かつて太平洋を横断した航海者になぞらえ、誕生した通称ニューコロ。1月24日には、また新たな乗船者が加わった。
「インスタを見ていておもしろそう、参加してみたいと思った」。横浜市の高校生・杉浦公泰さん(15)は年末、学生団体がSNSへ投稿した寺院での活動が目に留まった。境内の清掃や座禅体験で充実感漂うメンバーの姿。また1月中旬には、鎌倉での二十歳のつどいの運営を手伝ったメンバーの嬉々とした様子が心をくすぐった。杉浦さんは、「人のためになり、自分が胸を張れる活動をやっていきたい」と仲間入りした。
若者たちが支持「出会い」「居場所」
高校生と大学生が中心のメンバーは創設元年の20年末に15人、21年33人、22年57人、23年86人、そして24年末には153人に達した。なぜ、ここまで増えたのか?
”4代目船長”として牽引する菅野匠吾さん(20)は、「主催者からの依頼を含めイベント参加は23年が90回だったが、24年は148回。僕らのことを知ってもらう機会が増えた」と話す。鎌倉で暮らす池田大和さん(20)と松山亮翔(あきと)さん(16)は、「メンバー内で知り合いが増え、イベントを通じて地域の人々とも交流できるのが楽しい」「学生のやりたいを実現しつつ、地元に貢献できるのがいい」。
人気の背景に、居場所の存在もある。(株)カヤック(御成町)から古民家を借り、イベント収益などで家賃を賄う。古民家は平日午後6時以降、休日は終日解放し、メンバーなら誰でも利用できる。飲酒、喫煙NGと禁止事項は設定。そのルールを順守すれば、宿題やレポートをしたり、メンバー同士でカードゲームをしたりと過ごし方は自由。ここに来れば誰かがいる。心の拠り所にもなっているという。活動方針の話し合い、イベント準備もここが本丸だ。
イベントによる人との出会いを創出し、同世代が集える居場所を完備。週3〜4回ほどニューコロへ足を運ぶ角田恵さん(21)は、それぞれの意見を大切にする点がグループの長所と評す。拡大の理由を問うと、笑顔でこう返って来た。「楽しいからに尽きますね」
記者が鎌倉で気になったことを調べる連載「コレ気になってます!」。不定期で掲載します。