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初対面当日の古田新太と坂東龍汰を独占インタビュー! ケムリ研究室初参戦のふたりが『ベイジルタウンの女神』再演について意欲を語る

SPICE

(左から)坂東龍汰、古田新太

ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下、KERA)と緒川たまきによる演劇ユニット、<ケムリ研究室>。その第4弾は、2020年の旗揚げ公演で上演した『ベイジルタウンの女神』の待望の再演となる。キャストは初演時からの続投組としては緒川のほか、水野美紀、山内圭哉、尾方宣久、菅原永二、植本純米、温水洋一、犬山イヌコ、高田聖子らが顔を揃えるほか、古田新太、坂東龍汰、藤間爽子らが今回新たに参加することが決定。この新鮮かつ豪華な顔ぶれが、果たしてどんな化学変化をもたらすのか、期待は高まるばかりだ。

SPICEでは、ケムリ研究室にはどちらも今回が初参加で、しかも互いに顔を合わせるのはこの日が初めてだという、乞食の“王様”を演じる古田と“ヤング”を演じる坂東を独占取材! 『ベイジルタウンの女神』という作品への想い、KERA作品に感じる魅力などを語ってもらった。

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ケムリ研究室 no.4『ベイジルタウンの女神』

ーーお二人は共演された経験は?

古田:今回の舞台が初共演です。

坂東:今日、ついさっきが、まさに「初めまして」でした。

ーーまずは、お互いの印象から聞いてみたいのですが。

古田:ハンサム。

坂東:面白い方。

ーー(笑)。

坂東:だって、こんな目玉焼きが帽子についているなんて!(笑)

古田:食品サンプルを帽子につけるのが、オイラの中で流行ってるんです。目玉焼きとかアボカドとか。

坂東:アボカド? 輪切りのアボカドですか?

古田:そうそう。半分に切られて、種がついてるほうね。あと、焼き鳥の串が刺さってる帽子とかもあるよ。

坂東:ユニークですね(笑)。

古田さんの帽子に興味津々な坂東さん

ーーケムリ研究室は、お二人とも初参加になりますね。

古田:坂東くんは、ケラっちの作品に出ること自体が初めてだもんね。

坂東:はい、初めてなんです。

ーーKERAさんの作品はご覧になっていますか?

坂東:初演の『ベイジルタウンの女神』は劇場には行けなかったんですが、映像で観させていただきました!

古田:オイラは初演を劇場でも観ているし、この間DVDでも改めて観ました。

ーーその『ベイジルタウンの女神』の再演にオファーが来た時の心境は。

古田:ケラっちとたまきちゃん、二人から「ケムリ研究室をまたやるんだけど、出てくれない?」と誘われて。「スケジュールが空いてたら、いいよ」と答えたら、ケラっちに「『ベイジルタウンの女神』の再演だから、いい話なんだ、ごめん!」って言われて。

坂東:いい話ですよね、確かに。

ーーいい話の『ベイジルタウンの女神』なのにオファーが来た、というのは意外ではなかったですか。

古田:うん。そもそも、ケムリ研究室には呼ばれないだろうなと思ってたから。KERA×古田企画(古田とKERAによる企画公演)とかナイロン100℃だったら、ヒドイ話もやる可能性はあるけど、ケムリって基本的にいい話を上演するユニットのように感じていたから。「なんでオイラを呼ぶ?」とは一瞬、思いました(笑)。

古田新太

ーー坂東さんは、お声がかかって率直なお気持ちとしては。

坂東:まさか自分がKERAさんの舞台に出られるとは思っていなかったので、本当に光栄でした。まだ僕自身、そんなに舞台の経験があるわけではないので、今回は大先輩方の皆さんからいろいろ吸収できたらいいなという気持ちです。ワクワクしています。

ーー映像でご覧になった『ベイジルタウンの女神』の感想は、いかがでしたか。

坂東:パワフルで、すごくいい話で、エネルギッシュで、おとぎ話のような舞台でしたね。観終わるまでが、一瞬に感じるくらいに没入できました。プロジェクションマッピングも面白いし、音楽も素敵だし。魅力が盛りだくさんで、とても面白かったです。

古田:ファンタジー色が、かなり強いよね。

坂東:そうですね。あと、笑いがすごく独特でした。押し寄せるように連続して、笑いがずっと起きているので。それにつられて、僕も気づいたらお客さん目線になって笑っていました。会話のやりとりが、とても面白くて。

ーー古田さんとしては、KERAさんの笑いの部分についての想いは。

古田:ベタではない、シニカルな笑いが多いんですけど、その中で『ベイジルタウンの女神』はすごくわかりやすい笑いを畳みかけている作品。もちろん、それはそれで面白いんだけどオイラとケラっちとでやってきたのは、半分以上はむしろ笑かしたら負けだ、みたいな作品だったからね。

ーー挑戦的な笑いですよね。

古田:「何がおかしいんだ、バカヤロ!」みたいな感覚で作っていたからね。今回は、それとはまた全然違う、アットホームな空気感で。

ーーだから、自分は呼ばれないと思っていたんですね(笑)。

古田:オイラはどっちかっていうと攻撃的な笑いのタイプが好みだから。

坂東:初演の映像では王様にヤングが殴られる場面があったんですけど、すごく楽しみにしてるんですよ。「僕、今回古田さんに殴られるんだ、殴られたい!」と思ってて(笑)。

坂東龍汰

ーー王様役をやるということについては、どう思われていますか。

古田:まだ、稽古場でケラっちがどう演出をつけてくるか、わからないから。でも、どっちかというと(仲村)トオルくんが演じていた王様のほうが、オイラよりもむしろ乱暴者に見えるかもしれない。

ーーでも、仲村トオルさんと古田さんが同じ役をやるというのはちょっと意外に思いました。王様の役だと言われて、すぐに納得したんですか?

古田:「ああ、そう」くらいですよ。そもそも、どんな役をもらっても「ああ、そう」しか言わないから。ただただ、やれと言われたことをやるだけです。

ーーKERAさんの演出については、古田さんはどういう風に思われていますか。

古田:かなり緻密だと思っていますけどね。ここで笑いが欲しいとか、ここで泣きが欲しいとかを順序立てて考えている。あまり、行き当たりばったりじゃない。

ーーすべて、細かいところまで計算して構成している。

古田:ふだんはオイラ、宮藤(官九郎)とか河原(雅彦)とか、一見すると行き当たりばったりかのように見える演出家としょっちゅう一緒にやっているから。その点はちょっと違うんだよね(笑)。

ーー坂東さんは初体験になりますので、古田さんからKERA作品に向き合うにあたり、何かアドバイスをしておくとしたら。

古田:いや、でもケラっちも結構、その俳優さん自身から出てくるものを待つタイプだから。それはつまり、自由に泳いでいていい、ということだと思います。

坂東:わかりました! では、自由に。

当日は「初めまして」のお二人だったそうですが、笑い声の絶えない取材でした!

ーー泳げそうですか?

坂東:エネルギーだけは絶やさないようにしつつ、ひとまず自由に泳いでいようと思います。

ーー坂東さんから、古田さんに聞いておきたいことはありますか。

坂東:稽古が始まってわからないことが出てきたら、たくさん聞いてもいいですか?

古田:うん、いいよ。なんでも聞いて。

坂東:ヤッター!(笑) 稽古に入るのが本当に楽しみなんです。よろしくお願いします!

ーー古田さんは、若手の方たちの面倒を見るのが得意そうだし、楽しそうにされている気がします。

古田:オイラ、番頭気質だからね。

ーー劇団☆新感線の現場では番頭さん、と呼ばれていますよね。

古田:そうそう。特に舞台にあまり慣れていないゲスト、映像しかやっていなかった人に対するウェルカム感は、すごく出すほうだと思う。

坂東:うわあ、それってものすごくありがたいです。本当に心強いです!

ーー坂東さんは、現時点ではヤングという役をどういう風に捉えていますか。

坂東:とてもやんちゃでパワフルで、縦横無尽に駆け回っていてピュアで、ちゃんと正義感がある人だという印象があります。スージーを好きだという気持ちが強いところは可愛らしいですし、情熱的なところもすごく好きです。実際に稽古が始まって、僕なりのヤングがどうなっていくのかは未知数ですが。

ーー坂東さんは、映像作品をたくさんやられていますが、舞台は今回3度目になるとか。舞台ならではの面白さや、期待していることなどは。

坂東:舞台は去年、6年ぶりくらいで久しぶりにやらせていただいたところなんですけど。まずは長い稽古期間があることが、映像とは一番違う点で。しかも、稽古で同じことを繰り返しやりながらも違うものを日々発見しながら本番を迎えて、さらに本番中もまた違うものが毎日発見できるというところが、やっぱり醍醐味だなと思います。お客さんからも、日によってまったく違う反応が来ることも生きもの感があって、ライブならではのスリルでもありますし。幕が閉じたあとのお客さんの反応を直で感じられるというのも、舞台でしか経験できません。より人間の温かみとかパワーを直接肌で感じられるところも魅力だと思います。と言いつつ、実は“緊張しい”なので、不安もありますが、本気で楽しめるよう、精一杯頑張ります。

(左から)坂東龍汰、古田新太

ーーそれぞれ、今回の公演に向けての想い、目標やテーマなどあったりしますか。

古田:今回は昔馴染みの人たちも大勢出ているし、坂東くんや藤間(爽子)さんたちみたいに新しく出会える人たちもいるし。そうそう、たまきちゃんとも初共演なんですよ。

ーーそういえば、そうでしたね!

古田:そんな面々と一緒に芝居ができることが、まずは楽しみです。

坂東:目標はステップアップ、です。さまざまなことを吸収したいですし、最後まで楽しみながら駆け抜けたいなと思っています。さっき、話していたら古田さんは「役づくり、って何?」っておっしゃっていたんですけど。

古田:役づくりなんか、したことがないから。単に覚えたセリフをちゃんと言えば、早く帰れるってことですよ。

坂東:アハハ。

ーーでも古田さんは、台詞を覚えるのがめちゃめちゃ早いんですよね。

坂東:え、そうなんですか! 僕、めちゃくちゃ遅いんです。

古田:そう? 映像の時とか、当日の朝まで台本を読まなかったりするから。

坂東:えええ!

ーー覚えるコツとか、あるんですか?

古田:音で覚えることが多いかな。次の台詞は「サ行、カ行、タ行」みたいな感じで。

坂東:へえ~!

ーーきっと覚え方も、人それぞれなんでしょうけど。

古田:気持ちを作ってから入る人もいるけど。オイラは気持ち、ゼロだから。

ーー坂東さんは、気持ちを入れるほうですか?

坂東:気持ちは、最初の段階では入れないかもしれないです。ちゃんと覚えるまでは、僕も音で覚えるほうです。録音をして耳で聞いて覚えたり、ひたすら読んだり。何度も繰り返して、覚えますね。

ーーそういう意味では、舞台の場合は何回も稽古があるから。

坂東:そうですね。稽古中は繰り返し自分の声で発するので、身体に染み込んでくる感じがあります。本番中もそれがどんどん自分の中に入ってくる感覚がありますね。あと今回はギターを弾く場面があるので、その練習も頑張ります。

坂東龍汰

ーーもともと、弾けるんですか。

坂東:一応、経験はあるので大丈夫かな、とは思うんですが、人前で弾くのは初めてなんですよね。指がブルブル震えちゃいそうなので、心の準備をするために練習はしておくつもりです。

ーー今、一番楽しみに思っていることは何ですか。

古田:久留米公演!

ーー久留米公演って、ちょっと珍しいかもしれないですね。

古田:珍しいです、オイラも一度しか行ったことがない。久留米のゆるキャラで、くるっぱっていうのがいるんですよ。久留米の河童でくるっぱ。そのくるっぱが大好きなの。だからグッズをたくさん買ってこようと思って。

坂東:へえ~! 僕も、ぜひ地方公演で皆さんと一緒にどこか、美味しいものを食べに行けたらなって思っているんです。あまり、そういう経験がないので。

ーー今回のカンパニーは人数が多いから、みんなで移動するのは大変そうですね。

古田:アンサンブルも多いしね。だけど、まあ、山内(圭哉)くんがいるからなんとかなるでしょ。

ーー確かに、そのあたりのことはうまく仕切ってくれそうです。坂東さんは今回のカンパニーの顔ぶれで、仲のいい人がいたり、気になる人がいたりしますか。

坂東:今回、全員と初めまして、なんです。もちろん、舞台でよく拝見していた方は大勢いますけど。

ーー会いたかった人とかは。

坂東:それはやっぱり……。

古田:誰?

坂東:古田さんです! 会えるのを、ずっと楽しみにしてました(笑)。

古田:温水さんは?

古田新太

坂東:あっ、温水さんも! 早くお会いしてみたいです。どんな方なんだろう。

ーーシャイな方だから、きっと徐々に、ですね。

坂東:そうなんですね。

古田:でも、酒飲むのは大好きだから、たぶんすぐ馴染めるよ。

坂東:あと僕、山内さんが演じる“水道のハットン”が大好きなんです。山内さんのハットンと、ぜひ仲良くなりたいです!

古田:ハハハ!

ーーでは、最後にお客様にお誘いのメッセージをいただきたいと思います。

古田:今回は随分と敷居の低いお芝居なので、舞台を一度も観たことがない人でも、すぐに世界観に入り込めると思います。だから、もしかして演劇ってちょっと敷居が高そうだなと思っている人たちは、ぜひぜひ今回のカンパニーを観に来てほしいなと思います。とっつきやすい舞台ですから、たとえば親子でも一緒に観られると思う。

ーー確かに、気まずくならずに観られそうです(笑)。

古田:オイラが出ている芝居は、気まずくなるケースがどっちかというと多いから(笑)。

坂東:(笑)。ドラマとか映像で僕を知ってくださった方にも、ぜひ来ていただきたいです。とにかく、全力でステージを駆け回ろうと思っています。大先輩の皆さんのお芝居を間近で勉強しながら、自分なりのヤングを素敵に演じられたらと思うので、ぜひとも劇場に観に来てください! よろしくお願いします!!

(左から)坂東龍汰、古田新太

取材・文=田中里津子    撮影=山崎ユミ

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