【~4/7】広島三越で「キボリノコンノ展」開催中!見て、触って、誰かに伝えたくなるほっこり木彫りアート
少し厚めのふわふわ食パンにちょうど良く焦げ目がついて、スライスチーズはとろりと溶けていて……。
「おいしそう!」と思わず手を伸ばしてしまいそうなこのチーズトーストは、なんと木彫りで作られたもの。
2025年4月7日(月)まで広島三越(広島市中区)で開催中の「キボリノコンノ展 食べたい!木彫りアートの世界」。
テレビやSNSで話題の木彫りアーティスト・キボリノコンノさんの作品約150点が広島に初登場しています!
コンノさんが木彫りを始めたのは、約3年半前のこと。
公務員として働いていましたが、新型コロナウイルスの流行により、自宅で多くの時間を過ごすことになりました。
そのとき、手元にあったコーヒー豆を見て、ふと思いついたことがあったのだといいます。
「木でコーヒー豆を作ったら、そっくりになりそう」。
小学生のときに使っていた彫刻刀で木彫りのコーヒー豆を作ってSNSにアップすると、コメントなどの反応が続々。
「コロナ禍で人とつながることがとても難しかったとき、このコーヒー豆を通して僕の中で久々にコミュニケーションが芽生えたんです。だから僕は今も、美術作品というよりも、コミュニケーションツールにしたいという思いで作品を作っています」とコンノさんは話します。
ユーモラスな姿に思わずにっこり「キボリのものがたり」
会場に入るとまず最初に迎えてくれるのは「キボリのものがたり」のコーナー。
薄い木の板が空から降ってきて、木の上に乗ったものがマグロのお寿司に変身したり、壁から落ちてきたブロックがころころと転がっているうちにたこ焼きになったり。
ストーリー性のあるユーモラスな展示はもちろん、コンノさんの子どものころの思い出や作品が生まれたきっかけが優しい言葉でつづられたキャプションを見ていると、ほっこりとあたたかい気持ちになります。
焼き色や生地のふんわり感がおいしそうな「もみじ饅頭」は、広島会場で初公開された新作です。
「展覧会に並んでいる作品の中ではシンプルな作りですが、実はシンプルであればあるほど難しい。ちょっとした色や質感の違いですごく偽物っぽくなってしまうんです」とコンノさん。
このもみじ饅頭は、アクリル絵の具が乾ききる前に紙やすりを押し当てることで、生地の小さな気泡を表現しているそうです。
エアブラシを使うとさらにリアルな着色をすることもできますが、コンノさんは手塗りのみで食べ物の色味を表現しています。
「リアルであることも追求していますが、もう一つ僕が大切にしているのは、木であると分かったときの驚きです。『これ木だよ!』と誰かに伝えてコミュニケーションが広がるよう、素材が木だと分かる要素をあえて残すようにしています」
発表する作品が次々と話題になり、現在は全国で展覧会を行うコンノさんですが、木彫りを学んだことは一度もないとのこと。
作品を作ることを決めたら、毎回「どうやって表現しようか」と考えることから始めるのだといいます。
「作品は僕にとっての『研究結果』。技法のひとつひとつを開発しているような感じで、当然うまくいかないこともありますが、それが後々生きてくることもあります。今は何でも調べると分かってしまう時代ですが、誰かの『正解』にとらわれずに色々な切り口を試すことで、表現が広がると思うようになりました」
おなじみの食べ物がずらり!触って楽しめる作品も
次のコーナーには、アポロやレーズンバターサンドなど、おなじみの食べ物が大集合。
どれも木からできているのに、シフォンケーキはふわふわ、網の上のお肉はジューシーでおいしそう!
ガラスケースの中をのぞき込みながら、本物と見間違うような木彫りの食べ物をじっくりと楽しみましょう。
「炒めちゃったしめじ」は、あまりの完成度にコンノさん自身も惑わされてしまった作品。
自宅で本物のしめじと一緒に写真を撮影した後、木彫りのしめじに気づかず、すべてを袋にいれて冷蔵庫へ。
その後焼きそばと一緒に炒めてしまい、食べている最中に発見されたそうです。
このコーナーには、コンノさんの代表作「ヨックモック シガールと袋」も展示されています。
シガールの小さな気泡や縁のギザギザ、ざっくりと開けられた袋に描き込まれた光の反射に、木だということを思わず忘れてしまいそう。
今回の展覧会では、触って楽しめる作品も用意されています。
のびるお餅や一口かじると栗が出てきたどら焼きなど、お気に入りの作品と一緒に写真を撮ることもできますよ。
「つままれた豆大福」は、大福にまぶされた粉や、指でつまんだときの生地の動きを緻密に再現。
このまま食べてしまいそうですが、手に少し吸い付くような感覚や水分の少なさが感じられる軽さは、やはり木ならでは。
実際に手に取ることで、また新たな驚きに出合えるはずです。
「作品を見てもらうと分かりますが、本当に食べ物ばかりです」と笑うコンノさんは、根っからの食べ物好き。
理想的な炊き加減のご飯を求めて、5個のストップウォッチを使いながら毎日土鍋でご飯を炊くほどだそうです。
「本当は木彫りよりも食べることの方がはるかに好き。おいしいものや料理が大好きで、それを木彫りで表現しているだけなんです。作品を作るときには、その食べ物の一番おいしい瞬間を作りたいと思っています」
カメラで撮って完成!トリックアートのような撮影コーナー
SNSから作品が広がっていったコンノさんは、作品を写真に撮ったときの驚きや、展覧会で「自分で写真を撮って完成させる」という体験も大切にしています。
「お吸い物」は、ほかほかと湯気が立つ様子まで再現。
澄んだ汁が入っているように見えますが、樹脂などは一切使っていません。
実は、汁や湯気はお椀の内側に絵の具で描き込まれたもの。
三つ葉はひとつのパーツをお椀の内側にひっかけることで、汁に浮かんでいる様子を再現しています。
※「お吸い物」に触ることはできません。
写真に撮ってよりリアルな作品を楽しんだり、じっと見てトリックを考えたり。
展覧会から帰って誰かに見せたくなること間違いなしの作品を、ぜひカメラに収めてください!
全問正解率は約1%!クイズ「木彫りはどっち?」
最後のコーナーは「木彫りはどっち?」。
アーモンドやおつまみ、文房具など、木彫りと本物が並べられたクイズが全24問用意されています。
全問正解率は、なんと約1%。全問正解を目指して、ぜひ挑戦してみてください。
第1問はアーモンド1粒を見比べるものですが、終盤には100粒のナッツや100匹の煮干しも登場!
子どもはお菓子が得意だったり、お酒が好きな人がおつまみのクイズに正解したりと、その人らしさが表れるのも面白いところです。
会場出口には赤ペンが用意され、答え合わせをすることができます。
クイズコーナーに戻ることもできるので、復習をしても楽しいですよ。
子どもも大人も、普段はアートに触れない人も、わくわくした気持ちで楽しむことができる「キボリノコンノ展」。
驚きやときめきに満ちたコンノさんの木彫りアートを、お腹いっぱい味わってくださいね!
開催概要
開催日時2025年2月28日(金)~4月7日(月)10:30~18:00(入場は閉場の30分前まで・最終日は午後5時閉場)場所広島三越 8階催物会場料金大人(高校生・16歳以上)当日券 1,200円
子ども(小・中学生)当日券 700円
障がい者手帳をお持ちの方(ご本人のみ)当日券600円プレイガイド広島三越(1階)
エディオン広島本店(東館9階)
アソビュー(WEB購入)
ローソンチケット(Lコード:63138)/ 店頭販売:ローソン・ミニストップ店内「Loppi」
チケットぴあ(Pコード:995-191)/ 店頭販売:ファミリーマート、セブン-イレブン「マルチコピー機」
セブンチケット(セブンコード:108-534)/ 店頭販売:セブン-イレブン「マルチコピー機」問い合わせHOMEイベントセンター TEL:082-221-7116(平日10:00~17:00)公式サイトhttps://www.home-tv.co.jp/event/kibori-exhibition/
※未就学児入場無料(保護者同伴が必要)
※「エムアイカードプラス」「エムアイ友の会カード」「三越伊勢丹ホールディングス株主さまご優待カード」会場窓口でのご提示で、ご本人のみ100円引きで当日券を購入できます。
※割引の併用はできません。
ライター/時盛 郁子
※この記事の情報は2025年3月時点のものです。情報は変更になる場合があります。