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【イカメタル入門の教科書】イカ先生・富所潤が10の疑問に回答!釣り方・仕掛け・タックル・オモリグなど丸ごと解説

つり人オンライン

漁火を焚いたイカ釣り漁船から、エギングタックルでの遊漁スタイルに移行する黎明期まで日本海でケンサキイカを追い続けていたのがイカ先生こと富所潤さん。今回はそんなイカ先生が、ケンサキイカというターゲットの魅力に始まり、人気の「イカメタル」における釣り方、タックル(ロッド・リール・仕掛け)、釣果を左右するドロッパーの選び方、そして近年注目の「オモリグ」との使い分けに至るまで、あらゆる疑問にQ&A形式で答える。

まとめ◎富所潤

富所潤(とみどころ じゅん)プロフィール:イカ先生の異名を持ち、イカ先生のYouTube『イカ先生チャンネル』ほか各種SNS で情報を発信中。医療×釣り×健康を掲げる株式会社メフィス代表。「より深い知識を得たい!直接質問したい!そんな方はイカ先生のオンラインサロン『イカ先生のフィッシングクリニック』へ」

Q1.ケンサキイカはどんなイカですか?

A.剣のような形状のイカです。

分布と生息環境

日本列島周辺(主に東北から九州)、東シナ海、朝鮮半島東岸などに広く分布します。温暖な海域を好み、適水温は15~25℃。生息環境は水深10~100m前後の沿岸から外洋にかけて。昼間は深場に潜み、夜間は表層近くに移動する昼夜深浅運動(学術的には日周鉛直移動と言う)を行ないます。

形態と特徴

体型は細長い流線型。オスのほうがやや大きくなります。成体の外套膜長はメスで20~30cm、オスで30~45cm程度。剣のような形状から「ケンサキイカ」と呼ばれます。ヤリイカに似ますが、ヤリイカより触腕は太くて長いです。

食性

肉食性で、小魚(イワシ、カタクチイワシなど)、甲殻類、プランクトンなどを捕食。鋭いクチバシと触腕を使って素早く獲物を捕まえます。

繁殖

産卵期は地域により異なりますが、主に春~初夏(4~6月)、潮通しのよい砂地に産卵します。南日本では冬にも産卵が見られます。寿命は他のイカ類同様に約1年と短く、産卵後に多くの個体が死にます。
行動と習性群れを作って泳ぐことが多く、夜間に活発に行動します。

美味イカとして知られているケンサキイカ

Q2.ケンサキイカ以外の呼び名はありますか?

A.全国でたくさんの呼び名があります。

ケンサキイカ(学名:Uroteuthisedulis)は日本各地で広く漁獲されており、地域によってさまざまな地方名で呼ばれています。

北海道:マイカ、シロイカ
東北:マイカ、シロイカ、ケンサキイカ
関東:マルイカ、ケンサキイカ、ジンドウイカ、アカイカ
北陸・東海:マイカ、アカイカ、シロイカ
近畿:シロイカ、ケンサキイカ
中国・四国:ケンサキイカ、ケンイカ
九州:ヤリイカ、アカイカ、ケンサキ、シロイカ

身近なイカゆえ、このほかにもまだ多くの呼び名があるので間違えないようにしなければいけません。例えば福井県ではマイカと呼ぶことも多いですが、関東でマイカと言えばスルメイカのこと。福岡県ではヤリイカと呼ぶ地域もあり、標準和名のヤリイカと混同しがちです(ちなみに福岡県では標準和名ヤリイカのことはササイカと呼びます)。

このほかアカだったりシロだったりと頭が混乱しがちですが、いずれも正式な標準和名は「ケンサキイカ」です。船宿に問い合わせるときは「それはケンサキイカのことですか?」と確認すると間違いないでしょう。

釣りたては赤い色の個体もいる

Q3.イカメタルとはどんな釣りですか?

A.ツツイカ系のイカの繊細なアタリの見極めが楽しめる釣りです。

メタルスッテという金属製のイカヅノや、浮きスッテやエギなどを使って船からイカをねらう釣り方です。ケンサキイカのシーズンは地域にもよりますが5~11月で夏~初秋がケンサキイカ、ヤリイカ、スルメイカなどツツイカ目のピークです。

釣り座の決め方は予約順、船長指定、乗船時にくじ引きやじゃんけんなど船によって異なります。どこを選んだらいいかわからない方は船尾や中央を選ぶと、船長やスタッフのサポートを受けやすいでしょう。
釣りする時間は夕方~深夜(16~24時、場所によっては深夜2時まで)のため、夕暮れ前の16~18時に出港します。ポイントに到着したらアンカーで船を固定して集魚灯を点灯します(地域によってはパラシュートアンカーの場合もあり)。このように漁火を焚いてイカを寄せる漁法は古来からあり夜焚きとも呼ばれます。

魚群探知機でイカの反応(もしくはエサとなる小魚の反応)を確認した船長から「30mで反応あり」などのアナウンスがありますので、その指示ダナまで仕掛けを落とし、1m刻みで指示ダナを探ります。底付近にいることも多いため反応が悪ければ中層から底層を重点的に探りましょう。逆に、集魚灯に引き寄せられ、プランクトンや小魚を追って表層~中層に集まることも多いのが特徴です。かなり上下運動を繰り返すイカなので浅場から深場まであらゆるタナをねらうことが重要です。

釣れるピークは暗くなってイカが活発に捕食し始める19~22時のことが多く、釣果や客の希望に応じて23時~深夜に帰港するのが一般的です。

エリアや船によって集魚灯の種類は様々

Q4.夜焚きが効くメカニズムを教えてください

A.人工的に食物連鎖のピラミッドを作ります。

ケンサキイカは、昼間は水深50~100mの深場に潜んでいますが、夜になるとエサを求めて表層(水深10~50m)に上がる昼夜深浅運動をします。また、ケンサキイカは光に集まる性質(正の走光性)を持ちます。プランクトンや小魚が光に集まると、それを追ってケンサキイカも集まります。この2つの習性を上手に利用した釣りが夜焚きです。

ケンサキイカの夜釣りには強力な集魚灯(LEDやメタルハライドランプなど)を使って海面を照らします。これにより、まずプランクトンや小魚が集まり、その後にそれらをエサにするケンサキイカが集まってきます。つまり、船の周りに人工的に食物ピラミッドを作るイメージで、特に青白い光や緑色の光が効果的とされます。

ただしケンサキイカは夜になると表層・中層・底層などさまざまな層で捕食するため、その日、そのタイミングで適切な水深に仕掛けを送り込むことが重要。船の流し方・潮流・水深などに応じてオモリの重さを調整する必要があります。

集魚灯の効果で人工的に食物連鎖のピラミッドが完成

夜釣りの有利な点

イカの活性:夜間はケンサキイカの捕食活動が活発化します(夜行性)。
視覚的効果:暗闇で集魚灯がイカを引き寄せ、釣り人の仕掛けが目立ちやすくなります(満月回りの釣果が落ちやすいのは光が分散するため)。
競争の少なさ:昼間に比べ、他の魚種の干渉が減ります。

Q5.西日本の日本海側で盛んなイメージですが、東日本や太平洋側でも釣れますか?

A.日本全国で楽しめます!

地球温暖化の影響や黒潮の蛇行により親潮の影響が弱まり、一方で黒潮の勢いが強まったため東北の水温が著しく上がる現象が起きました。そのため以前は生息がほとんど確認されていなかった東北エリア(宮城県、岩手県、青森県)でもケンサキイカが確認されるようになりました。特に宮城県、岩手県では日本海エリアと同等、日によってはそれ以上の釣果が出ることもあり我々の想像以上の分布拡大が進んでいます。

東北

岩手県、宮城県を中心に分布が拡大。遊漁船の多いエリアでは釣果が見られるが、今後はさらに拡大されることが予想され、今最も注目を集めている地域。シーズンは6~9月。

主なポイント:岩手県=宮古から大船渡周辺。宮城県=南三陸町や石巻周辺。

関東

東京都、千葉県、神奈川県は規則により集魚灯を使用した夜釣りが禁止されているため、日中のマルイカ船はありますが夜のイカメタル船はありません。このため千葉県より北に位置する茨城県や、神奈川県の南に位置する静岡県で楽しむことになります。以前は茨城県ではスルメイカ、アカイカ(現地名:ムラサキイカ)、スジイカねらいが盛んでしたが、2021年頃よりケンサキイカがねらって釣れるようになりました。シーズンは6~9月(特に夏)。

主なポイント:茨城県:日立や鹿島、大洗沖。

北陸・東海

最も盛んなエリアのひとつ。特に福井県・石川県は日本海側有数のイカメタルスポット。シーズンは5~9月(日本海側は夏、富山は冬。太平洋側は秋も好調)。

主なポイント:福井県=敦賀、小浜、越前海岸、三国・鷹巣エリア。石川県=加賀・金沢~中能登能エリア。富山県=入善・富山市エリア。静岡県=伊豆半島西岸(沼津、土肥や戸田)、駿河湾全般。三重県=紀北町~尾鷲エリア周辺。

関東周辺では茨城以外に駿河湾でもイカメタル船が出船している

近畿

日本海側で大型ケンサキイカがねらえます。太平洋側の和歌山県ではサイズはやや落ちるものの安定して釣果が出ます。シーズンは6~9月。

主なポイント:京都府=舞鶴、宮津、丹後半島沖。兵庫県=香住、浜坂沖。和歌山県=田辺~串本周辺、太地沖。

中国・四国

最も盛んなエリアのひとつ。特に鳥取県・島根県は船も多くファンも多い。シーズンは5~9月。

主なポイント:鳥取県・島根県=どちらもエリア全般どこでも釣れます。山口県=萩、宇部沖(日本海側)が盛ん。愛媛県=宇和島沖、松山沖、豊後水道に出る船も多い。高知県=未開拓ながら室戸岬、足摺岬沖でイカの生息は確認されておりこれから要注目のエリア。

九州

温暖な海域でケンサキイカが通年釣れる地域も。玄界灘や対馬海峡が有名。シーズンは5~11月(地域により冬も可)。

主なポイント:福岡県=玄界灘(壱岐、対馬沖)。佐賀県=唐津、呼子沖。長崎=五島列島、平戸沖。熊本県=天草沖。鹿児島県=日本海側全般、甑島。

Q6.マルイカ釣りとタックルや仕掛けが異なるのはなぜですか?

A.日中の深場と夜の浅場の違いです。

関東では日中にねらうマルイカ船が主流ですが、こちらはドウヅキスタイルです。対して今人気になっているイカメタルゲーム(メタルスッテゲーム)は同じドウヅキでも枝スは1~2本、オモリも軽めです。なぜ仕掛けが異なるのかと言うと、これは釣りの生い立ちの違いと時間帯の違いがあります。

関東でねらう昼のマルイカは、群れを見つけてそこに仕掛けを落とすスタイルで、群れが抜けたら再度船で探索します。このためオモリを重くする必要があり、群れに仕掛けを直撃させないと釣れません。イカメタルゲームのように沈下が遅い仕掛けは向かない傾向にあり、水深が深いほど仕掛けが到達する前に群れが抜けてしまいます。

一方、日本海側の夜のケンサキイカ釣りも以前はドウヅキ仕掛けが主流でした。そこにゲーム性を求めるようになり、タックルを簡略化(ツノ数を5~7本から1~2本へ)、誰でも手軽に楽しめるスタイルに変えていきました。

イカメタルゲームは集めたイカをどう釣るかが醍醐味ですので、早く仕掛けを落とす必要はなくじっくり誘うことが可能です。このため道具や仕掛けのバリエーションが多くなり、よりゲーム性が高くなったという歴史があります。

ロッド

マルイカ:マルイカ専用ロッド(4〜5フィート、UL~Lクラス)。
・特徴:深場の底付近を釣るため底立ちを正確に取れる感度。小型がメインでアタリが小さいため微妙なアタリを捉えることができる軟らかく繊細な穂先を備えて軽量であること。

ケンサキイカ:イカメタル専用ロッド(5~7フィート、ML~Mクラス)。
・特徴:ケンサキイカは大型で力強く、集魚灯下では表層~中層での素早い誘いが重要になるのでやや硬めで適度な張り。アクションを加えやすい操作性。

仕掛け

マルイカ:マルイカスッテ(3~7cmの小型スッテを3~7本、40~80号のオモリ)。
・特徴:軽量で浮力のあるプラスチック製の浮きスッテや沈みスッテを使用。多点掛けをねらうため仕掛け全長が長い。

ケンサキイカ:メタルスッテ(5~10cmで重さ10~30号の鉛製の疑似餌)。
・特徴:鉛スッテ単体またはドロッパーと呼ばれる小型の浮きスッテやエギを枝スに付けます。メタルスッテは重く、素早く沈むためオモリの役割を果たすと同時にエビや小魚を模した形状でケンサキイカの捕食本能を刺激します。

メタルスッテで釣れたケンサキイカ

Q7.スピニングタックルとベイトタックルの使い分けを教えてください。

A.キャストと軽い仕掛けの扱いはスピニングが有利。

スピニングタックルのメリットは軽量で操作性がよいことと、バックラッシュの心配がなくキャストも容易なことです。集魚灯の光圏外などの広範囲に仕掛けを送り込む場合に有効で、10~15号の軽いスッテを使い、表層~中層(10~30m)をゆっくり誘う釣りに向いています。

オモリグ専用ロッドを用いれば30~50号のオモリも使用可能です。デメリットは深場(50m以上)や重いスッテ(30号以上)では持ち重りしやすいこと。ベイトタックルに比べ、巻き上げ速度やパワーがやや劣る点です。

ベイトロッドのメリットは穂先が繊細でも胴に張りがあり、重いスッテの操作に適する点。ベイトリールのメリットはカウンター付きモデルが多く、水深を正確に把握可能なこと。船の真下や集魚灯の光圏内への落とし込みやリフト&フォールに特化し、重いスッテ(20~30号)や深場(40~80m)や潮流の強いポイントでも巻き上げが楽。

デメリットはキャストの難易度が高くバックラッシュのリスクがあること。このため明かりの外側にいるイカにアプローチしにくく、特に軽いスッテ主体の釣りではスピニングのほうが扱いやすいといえます。

釣り座船首や広範囲を探る場合:スピニングタックル。光圏外や潮上をキャストでねらいます。
船尾や光圏内のピンポイントねらい:ベイトタックル。集魚灯直下で高感度な釣り。

ライン

スピニングリール(2500~3000番):PE0.4~0.8号(200m以上)+フロロカーボンリーダー3~5号を1~2m。

ベイトリール(150~300番):PE0.4~0.8号(200m以上)+フロロカーボンリーダー2~3号を1~2m。

スピニングタックルの一例

ロッド:シマノ/セフィアXRメタルスッテ(ML~M)
リール:シマノ/セフィアXRC3000SDH
ライン:PE0.6号+リーダー3号
仕掛け:メタルスッテ10~25号+ドロッパー(1.5~2.5号スッテ)
状況:浅場(20~40m)、高活性時に向く

まだ明るい時間帯はスピニングタックルで広い範囲をねらいたい

ベイトタックルの一例

ロッド:シマノ/セフィアXRメタルスッテ(M~MH)
リール:シマノ/バルケッタFカスタム150
ライン:PE0.6号+リーダー3号
仕掛け:メタルスッテ20~40号(単体またはドロッパー)
状況:敦賀の深場(50~80m)、低活性時や大型ねらい

ただしエリアや時期、活性によりタックルの組み合わせは異なります。

Q8.メタルスッテはどんな役割をしますか?

A.オモリとスッテの一人二役。重量は10号から30号以上まで。

メタルスッテは、その名のとおり金属製の重いスッテ(イカヅノ)で、主に次の2点が役割です。

1.指示されたタナを正確にキープし、イカの群れを探るためのオモリ。
2.イカが触腕で触れたり抱きついたアタリを高感度で伝え、カンナ(ハリ)でハリ掛かりさせるためのスッテ。

リーダーの先にメタルスッテを単体でセットするほか、リーダーから枝スを出し、ドロッパー(小型スッテやエギ)と組み合わせることで異なるタナや誘い方を同時に試すことができます。

メタルスッテには形状、重量、素材などのバリエーションがあり、状況に応じて使い分けます。カラーは赤緑、赤白、赤黄などがスタンダード。さらに個人の好み、エリアの流行、船長の指示などにより選択しましょう。

シマノのセフィアアシストリーダー。様々な種類がある

重量の目安

10~15号の用途:浅場(10~30m)や穏やかな潮流、表層でイカが浮いている場合。初心者でも軽快に操作でき、スピニングタックルを使えばキャストもしやすい。

20~25号の用途:中層~深場(30~60m)、標準的な潮流や幅広い水深に対応するイカメタルゲームの主力。ベイトタックルで高感度に探れる。

30号以上の用途::深場(60~80m)でも素早く底取りでき、強い潮流でも仕掛けが安定させられる。大型ケンサキイカねらいにも好適。

上段は漁具からの進化系のコロコロスッテ。下段はドロッパーとの組み合わせを最大限に活かすためのボディーデザインとウエイトバランスにこだわったノリノリスッテⅡ(ともにシマノ)

Q9.ドロッパーはどんな役割をしますか?

A.メタルスッテよりもスローでナチュラルな誘いを複合的に演出します。

ドロッパーは、メタルスッテの上(枝スの長さは5~20cm)に接続し、次のような役割を担います。

1.多層探査:ドロッパーはメタルスッテの上に付いていることから、異なる動きで広く探ることができます(例:メタルスッテで30mを探り、ドロッパーで28~29mを誘う)。

2.誘引力の強化:メタルスッテのアクティブな動きとは異なり、ドロッパーは浮力のある、もしくはゆっくり沈むスッテやエギを使うことが多いため、ゆっくりとしたナチュラルな動きの誘いが警戒心の強いイカや低活性時に有効。

3.イカの視覚を刺激:蓄光やケイムラ素材を採用しているものが多く、集魚灯の光を反射・発光します。

地域ごとに鉄板カラーがある

4.ヒット率の向上:ケンサキイカがメタルスッテに反応せず、触腕で軽く触るだけの時、ドロッパーが代替ターゲットとなり、抱きつく確率を上げてくれます。小型で動きが繊細なため、活性が低いイカや小型個体に効果的。

5.エサの多様性を演出:ドロッパーはエビや小魚を模し、メタルスッテとは異なるシルエットや動きでケンサキイカの食性を刺激し、自然な捕食シーンを再現。

そのほか、複数種類の疑似餌でイカの好奇心を引く。低活性時の対応。月明かりが強い夜やイカの食いが渋くメタルスッテの派手な動きでは反応が薄い場合、ドロッパーのスローな誘いが有効になります。

ドロッパーは浮力のある、もしくはゆっくり沈むスッテや小さめのエギを用いる

Q10.オモリグってなんですか?

A.メタルスッテでは攻略が厳しい状況を打破してくれるお助けリグですが取り扱いはチョイムズ。

重たいメタルスッテの単体や、メタルスッテの上に枝スを出してエギやスッテなどのドロッパーをセットするドウヅキ仕掛けと違って、オモリグはシンカー(オモリ10~40号)の先1mにエギを付けた吹き流しの仕掛けです。

シンカーはエギを遠くに飛ばしたり深場に届けるための役割(一人二役ではない)。オモリグの主役はエギです。ショートリーダーで扱うスッテは浮遊感で誘いますが、適度なウエイトでスローフォールするエギをロングリーダーで扱うことでよりナチュラルな動きでイカを誘います。

メタルスッテとシンカーの違いは大きくカンナの有無にあります。潮が速い時はメタルスッテに付いたカンナが抵抗になるため潮に流されやすくなるため重くする必要があります。その点、オモリグのシンカーはカンナがないため流されにくく、シンカーを重くすれば50~100mの深場も探れますし、急流でも仕掛けが立ちます。

オモリグ用のオモリ

イカメタル(メタルスッテ)とオモリグの比較

 

潮や水深

メタルスッテ:潮が緩い状況や30号程度までは操作性もよく扱いやすい。
オモリグ:潮が速く流されやすい時に有効。主に30号以上が必要な時。

活性

メタルスッテ:高活性時。ケンサキイカが集魚灯に集まり、積極的に捕食している時に、素早い誘いで連発ねらいができます。
オモリグ:低活性時や警戒心が強い場合。エギのスローフォールの動きやナチュラルなアクションで誘います。

釣り人のスキル

メタルスッテ:初心者~上級者向け。直下でシンプルな操作が多く扱いやすい。
オモリグ:中~上級者向け。キャストやライン管理、エギのアクションに慣れが必要。

オモリグのメリット

1.広範囲をカバー:遠投(10~30m以上)で光圏外や潮上もねらえるためイカが散らばっている時に有利。
2.ナチュラルな誘い:スッテのように浮かず、メタルスッテのように急速落下せず、エギならではのスローなフォールが警戒心の強いケンサキイカや低活性時に有効。大型も釣れやすい。
3.深場対応:シンカーを重くすることで30号のメタルスッテよりも深場に対応します。

オモリグのデメリット

1.感度が低い:長いリーダーを使うことからシンカーとエギが離れるため、アタリが伝わりにくい。慣れが必要。
2.操作が複雑:キャスト、ライン管理、シャクリのタイミングなど、テクニックが求められます。
3.トラブルが多い:長いリーダーが絡まりやすく、手前マツリに加えて隣の釣り人とのオマツリのリスクが高いことから慣れが必要です。

※このページは『つり人 2025年8月号』を再編集したものです。

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