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東北の人の憩いの場に 川尻に保養施設開所

タウンニュース

オープニングセレモニーでテープカットに臨む施設関係者(左から2番目が竹内さん)

民泊宿泊施設TakaoGuestHouseGAYAGAYA(高尾ゲストハウス・ガヤガヤ)が7月6日、川尻にオープンした。福島県で起きた原子力発電所事故の被災者の保養活動を続けている団体「母ちゃんず」の代表を務める竹内亜紀さんが「東北の皆さまの憩いの場所に」という思いを込めてオープン。「ここに泊まることが東北の子どもたちのためになる。そんな施設になれば」と話す。

原発事故の影響を受けた地域の人々に、放射能の不安から距離を置いて心身の疲れを癒してもらう保養活動。竹内さんは、安心して外遊びができない福島の子どもたちとその親を市内に呼び、保養活動を展開する団体「母ちゃんず」の代表を務めている。団体が主催する「保養キャンプ」では、2012年からこれまでに約950人を招き保養活動を行ってきた。竹内さんは活動を通して、「保養はどうしても夏休みなどの長期休みに開催され、決まった期間でないと参加できない。そうではなく、好きな時に好きなだけ行ける場所を作りたい」と思うように。「施設をつくるなら自然がきれいでホタルが出て、川の音に癒される城北エリアが良かった」と昨年8月から本格的に保養施設のオープンに向けて動き出した。

竹内さんは、福島県出身で小松に住む元城山地区社会福祉協議会会長の熊谷達男さんらに相談し、人づてに場所を探していき1軒の古民家を紹介してもらった。家主の加賀谷一樹さんは竹内さんの思いに共感し快く家屋を提供。「5、6年前に父が亡くなり、建物がどんどん古くなる一方だった。そんな時に声を掛けてもらえて良かった」と加賀谷さんは振り返る。その後、リフォームを進め、施設は6月にプレオープン。7月6日のオープニングセレモニーでは、関係者や来賓が集まり施設の門出を祝った。

完成した施設は4LDKで客室は4室。基本は一棟貸しで料金は福島県、宮城県、岩手県の住人で保養目的の人は一泊一人1100円(小学生未満は無料)。一般は大人5500円、小人2750円となる。施設のHPから予約ができる。

「終わっていない」

東日本大震災から13年が経過し、当初盛んだった保養は現在は縮小傾向にあるという。「全国にあった団体が高齢化や資金難などで減ってきている」と竹内さんは現状を嘆く。チェルノブイリで起きた原発事故の被災者の孫の代にも健康被害があることを引き合いに出し、「(福島の)原発事故はまだ終わっていない。放射能被害は何百年と続くので保養所は絶対に必要になる」と力を込める。そして、保養を支援する活動を長く続けるために、SNSなどでの情報発信の重要性を説くほか、「自分も楽しむこと」も必要だと話す。

支援呼び掛け

現在、竹内さんはクラウドファンディングでリフォーム費用への支援を呼び掛けている。築50年以上の古民家で想定よりも工事費が掛かってしまったという。期限は7月31日(水)まで。詳細は二次元コードから確認を。

築50年以上の古民家をリフォームした施設
クラウドファンディングの詳細はコチラ

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