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子どもや地域の人が集う駄菓子屋を目指す「古民家基地 平兵衛」。

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子どもや地域の人が集う駄菓子屋を目指す「古民家基地 平兵衛」。

子どもの頃の記憶に「駄菓子屋」の風景がある人も多いのではないでしょうか。親からもらったおこづかいを握りしめてわくわくした経験があると思います。でも時代の流れとともに、最近では駄菓子屋をほとんど見なくなっていましました。そんな中、地元の駄菓子屋を復活させようと立ち上がったのが「古民家基地 平兵衛(こみんかきち へいべえ)」をオープンした東海林さんです。こたつにぬくぬくと入りながら、オープンのいきさつやお店のこだわりについて、いろいろお話を聞いてきました。

古民家基地 平兵衛

東海林 智恵美 Chiemi Toukairin

1985年新潟市西蒲区生まれ。国際情報大学を中退し、大手スポーツ店などで働く。結婚後は専業主婦として過ごし、2024年に新潟市西蒲区で「古民家基地 平兵衛」をオープンする。アウトドアが好きで、シーズン中は毎週バーベキューを楽しんでいる。

現代っ子が、昭和を体験できる場所。

——なんだか、おばあちゃんの家に来たみたいで落ち着きますね。

東海林さん:それもそのはずで、ここは私のおばあちゃんが住んでいた家だったんです。一昨年に亡くなってからは空き家になっていたんですけど、壊してしまうのはもったいないと思ったので、ここで駄菓子屋をはじめることにしました。おじいちゃんもおばあちゃんも人を寄せるのが好きだったので、人の集まる場所になったら喜んでくれると思います。ちなみに店名の「平兵衛」はこの家の屋号なんですよ。

——そもそもどうして、今の時代に駄菓子屋をはじめようと思ったんですか?

東海林さん:ママ友と集まって雑談をしていたときに、昔は駄菓子屋があって子ども達の居場所になっていたことを懐かしむ声があったんです。私もわくわくしながら駄菓子屋に通っていたことを思い出して、「じゃあ、私が駄菓子屋をつくるよ」って言っちゃったんです(笑)

——はずみで言っちゃったみたいな?

東海林さん:けっしてそんなことはないんです(笑)。放課後に居場所のない子どもも多いので、そういう場所をつくってあげたいと思っていました。それから地域の人たちが集えるような社交場もあればいいなと思っていたんです。人生は一度きりなんだから、自分のやりたいことに挑戦してみようと思いました。

——駄菓子屋をはじめるための準備は大変だったんでしょうか?

東海林さん:友達に協力してもらって大掃除をしたくらいですね。できるだけお金をかけずにはじめることを目標にしていたので、ほとんど手づくりで準備をしたんですよ(笑)

——へぇ〜、例えばどんなところでしょうか?

東海林さん:お店の前に出している暖簾は、子どものお昼寝布団をつくったときに余った布を使って、私がペンキで手書きしたものです。商品棚には着物箪笥の引き出しを使っていますし、目隠しには風呂敷を使っています(笑)

——表彰状とか掛け軸がそのまま飾ってあるのは、わざとなんですか?

東海林さん:そうです。思い出として残すとともに、昭和の雰囲気が感じられる場所にしたかったんですよ。みんなでこたつに入ってゲームを楽しんだりしているんですけど、こたつに入った経験がなかった子もいて大喜びしていました。

——まさしくお茶の間ですね(笑)

東海林さん:暖かい季節には外で遊ぶ子も多かったんです。水鉄砲は人気があって取り合いになりますが、服がびしょ濡れになるんじゃないかとヒヤヒヤしています(笑)。現代っ子が昭和を体験できるような場所になってくれたら嬉しいですね。

子どもたちを、ワクワクさせたい。

——いろいろな駄菓子が並んでいますけど、どういう基準で選んでいるんですか?

東海林さん:大人目線ではなく子ども目線で選ぶために、どんなお菓子を食べたいのか子ども達にリクエストを聞いているんです。でも他の駄菓子屋さんとの差別化も図りたいので、海外のお菓子も置いています。

——大人もちょっと買っていきたくなりますね。

東海林さん:あと新鮮さを保ち続けるために、1週間か2週間に1回は駄菓子を入れ替えるようにしています。そうすることで新しい発見があって、子ども達も喜んでくれるんですよ。その分コストはかかってしまうんですけど、子ども達をびっくりさせたり、喜ばせたりしたい気持ちの方が大きいですね(笑)

——そんなところにも、東海林さんの「子ども達をワクワクさせたい」という気持ちが表れているんですね。ところで、隣にあるお座敷も開放しているんでしょうか?

東海林さん:あちらは子ども達が自由に遊べるフリースペースになっています。本を読んだり、ゲームやブロックで遊んだり、カラオケを楽しんだりと思い思いに楽しんでますね。お友達の家だと遠慮して騒げないけど、ここだったら、よっぽどじゃなければ何も言わないので、楽しく過ごしてほしいです。

——駄菓子屋やフリースペースをやる上で、心掛けていることはあるんでしょうか?

東海林さん:他人の子ども達をお預かりするかたちになるので、危険がないよう安全管理に気を使いますね。商品棚のビスが飛び出しているところにはグルーガンを使ったり、木がささくれ立たないようにテープを貼ったりして養生しています。

——細かいところにも気を使っているんですね。今後やってみたいことがあったら教えてください。

東海林さん:まだ遊びに来てくれる子どもは少ないんですけど、人数が増えたら「しっぽ取りゲーム」なんかのゲーム大会をやってみたいですね。いろいろなイベントを開催して、みんなから楽しんでもらえる場所にしていきたいです。

——せっかくのフリースペース、有効活用できるといいですね。

東海林さん:レンタルスペースとしても使っていただきたいので、利用者を募集しているんです。ヨガ教室とかアコースティックライブとか、いろいろなワークショップに使っていただいて、地域の活性化につながるようなお手伝いもしていきたいですね。

古民家基地 平兵衛

新潟市西蒲区山口新田484

0256-86-2459

11:00-15:20/15:50-17:30

不定休

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