交通事故の衝撃再現 曽屋高で自転車安全教室
県立秦野曽屋高校で11月28日、1・2年生(生徒数550人)を対象に自転車交通安全教室が開催された。当日はスタントを通じて事故の衝撃を視覚的に訴えるスケアード・ストレート方式で、様々な再現が行われた。
近年、全国の交通事故に占める自転車事故の割合は2割を超え、2021年以降、増加傾向にある。
こうした中、若年層に自転車が関連する事故の危険性を体感してもらおうと、JA共済連神奈川主催で自転車交通安全教室を実施。今回は、曽屋高の1・2年生を対象に行われることになった。
当日は、ながらスマホやヘッドホン、右側走行などの違反をしている自転車が、交通事故に巻き込まれる様子などがスタントによって再現された。急ブレーキ音や、自転車と人が弾き飛ばされる様子など、その迫力と衝撃に生徒らからは悲鳴やどよめきが上がった。
トラックの内輪差による巻き込み事故の再現では、立候補した生徒2人が協力。2人が普段信号待ちで立っているという位置に置いたコーンが、左折するトラックの後輪に巻き込まれる様子を見て「車道ギリギリじゃなく、もっと後ろで待とうと思った」という感想なども上がった。
秦野市内の交通人身事故発生件数は11月末までの時点で252件(死者1人)で昨年比14件増。うち自転車が関係する事故は51件(昨年比1件増)となっている。
今年11月には道路交通法が改正され、自転車での酒気帯び運転で3年以下の懲役または50万円以下の罰金、走行中に携帯電話を使用する「ながら運転(ながらスマホ)」には6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金が科せられるといった自転車の危険走行に対する罰則が新設された。12月11日(水)から20日(金)までは年末の交通事故防止運動も行われ、市地域安全課と秦野警察署では「ゆとりをもった運転と交通事故防止に努めてほしい」と呼び掛けている。