「本当にやっちゃったよ」「地鉄界の猛者」 ネット民、銚子電鉄にまんまと騙されてしまう
2025年4月1日、今年もSNS上はいろんな「ウソ」であふれた。
企業公式Xアカウントは「#エイプリルフール」のタグをつけて、さまざまな冗談を投稿。多くのユーザーを楽しませていたのだが......。
Jタウンネット記者が気になったのは、銚子電鉄による投稿だった。
【路線名変更のお知らせ】 この度、4月1日より路線名を「銚子電鉄線」から 「犬吠崖っぷちライン」に変更いたします。
4月1日、午前0時ちょうどの投稿である。しかし、他の企業とは違ってハッシュタグはついていない。つけ忘れてしまったのだろうか?
ポストには1万5000件の「いいね」のほか、ユーザーからこんな反応が寄せられた。
「あー、エープリルでフールなやつ!」 「まじ? エープリルフールだから?」 「信じやすいので #エイプリルフール つけて欲しいのだ」 「攻めてる攻めてるっ!」 「いつも廃線の崖っぷちだからって自虐がすぎる(笑)」 「リアルすぎるからやめてw」 「流石です。 一瞬信じてしまいました(笑)」
なるほどエープリルフールのジョークね? というのが、大方の反応だった。
Jタウンネット記者もそう思ったものの、一応、その日のうちに電話で確認してみたところ......。
記者「エイプリルフールのジョークと受け取っていいですね?」
「このXへの投稿は、エイプリルフールのジョークと受け取っていいですね?」
記者の質問に、銚子電鉄総務部の担当者は、「はい、そうですね」とは答えなかった。
だからといって「いいえ」でもなく、「今はなんとも申し上げられません」と煮えきらない。思わずイラッとしてしまう。
ジョークでなければ、まじ? そういえば、ポスターのデザインの完成度が妙に高い......。「崖っぷち」という文字がプロのデザイナーが手がけたかのように、かっこいい! 「崖っぷち」感が出ている。
Xの反応の中にも、「ホンマに変えてきそうな会社だからなぁw」という声もあった。これは、ひょっとしたらひょっとするぞ!
というわけでウォッチしていると、2日、次のようなポストがXに投稿された。
昨日の投稿にてお知らせした路線名愛称「犬吠崖っぷちライン」に関して、ただいま弊社内にて準備を進めております。 詳細につきましては、近日中に公式ホームページやSNSにて改めて発表いたしますので、今しばらくお待ちください。 代表取締役 竹本勝紀
さらに3日、遂にこんな宣言がなされた。
【お知らせ】 路線名愛称が「犬吠崖っぷちライン」に決定しました。 銚子の景勝地・屏風ヶ浦や犬吠埼への観光誘客を目的に「崖っぷちプロジェクト」を発足し、その取り組みの一環として実施します。 今後は崖っぷちをテーマとしたコラボや企業間協業に注力してまいります。
観光客誘致を目的とした「崖っぷちプロジェクト」を発足し、路線名愛称を「犬吠崖っぷちライン」とすることを、マジで決定したという。
断片的な情報を公開し、興味をひく――これはティザー(teaser)と呼ばれる巧妙なマーケティング手法で、まんまと焦らし作戦にひっかかったようだ。銚子電鉄、あなどるべからず。
同じように騙された皆さんからは、こんな声が上がっている。
「まさかのガチで草w」 「エイプリルフールネタや、なかったんか...」 「あ~本当にやっちゃたよw」 「地鉄界の猛者」
同日、同社は公式サイトでも正式に新路線愛称について発表。車内アナウンスが「銚子電鉄・犬吠崖っぷちライン、外川(銚子)行きです」といったものに変更されること、同社の看板商品「ぬれ煎餅」を小さく割った「〝かけっプチ〟ぬれ煎餅」の発売予定などの詳細を明らかにした。
これから展開される「崖っぷちプロジェクト」にも大いに注目したいものだ。