【鎌倉 体験スポットレポ】おもちゃ病院かまくら - おもちゃドクターによる診察で壊れたおもちゃが復活!
壊れたおもちゃを修理してくれる「おもちゃ病院」はご存じでしょうか。
日本全国にあり、地域の施設などで定期的に開催されている「おもちゃ病院」は、壊れたおもちゃをボランティアであるおもちゃドクターが、原則無料(部品代は原則実費)で修理してくれる病院です。
鎌倉市内では、3か所の会場で定期的に開催されており、筆者は御成会場(鎌倉福祉センター)に、おもちゃの診察のため、通院し、お話も伺ってきました。
おもちゃ病院かまくらが開院するまで
今から20年以上前に、大船保育園の2階で「おもちゃ図書館」があり、おもちゃを借りたり、その場で遊んだりできる子育て広場があったそう。
そこで「壊れたおもちゃを修理できる場があればいいな」という話があり、2002年におもちゃ病院が開院しました。
経験と技術が必要とされるおもちゃドクター。
現在のメンバーは約18人、定年退職後のおじいちゃんドクターたちが大活躍しています。時計の修理や、船の修理など、技術職を経験した方や、手先の器用な方などがほとんど、まさに職人の集団です。
それぞれがそれぞれの得意な分野で本領を発揮し、なんと90%は修理可能だそう!どんなに古いものでも、ドクターたちの腕にかかれば、かなりの確率でまた、よみがえるおもちゃ。その成功率には驚きます。
取材時もひっきりなしに、おもちゃの診察に訪れる患者さんがいる中、ドクターたちは手際よく診察をしていました。普段は1回の開催で10人~15人くらいの来院があるそうですが、筆者の取材時はなんと30人以上の来院があったとか。
長い経験の中で、「このおもちゃの修理はこの部品が必要」「このおもちゃの修理にはこの人が最適」などが身に付いていったドクターたち。チームワークも抜群です。
休む暇なく働いているドクターたちですが、その雰囲気は穏やかで和気あいあいとした空気が流れていました。
代表の大嶋さんは、「おもちゃ病院の基本理念として、"モノを大事に、いい社会を作る"という想いがある。全てが実費のボランティア活動は、参加して楽しい時間を過ごせることが大前提。そして、修理ができて、人に喜んでもらえるという達成感があること。でないと、続かないからね」と、穏やかな顔で話してくれました。
「壊れたら捨てて新しいものを買う」ではなく、モノを大切にする気持ちを育んでいけたら、その思いを子どもたちにも受け継いでいきたいですね。
おもちゃ病院の診察の流れ
壊れたおもちゃがあれば、汚れを清掃し、電池が必要なものは、電池を新しいものに交換して持ち込みます。
おもちゃ病院に到着したら、まず受付でおもちゃを渡し、簡単な診察の後、診察申込書に記入します。
おもちゃは原則、入院となり、持ち込み会場の次回開催日時に退院になります。「修理おもちゃ引き換え券」を貰ったら、あとは引き渡し予定日に受け取りに伺います。
診察時にもらった「修理おもちゃ引換券」を渡すと、修理内容を詳しく説明しおもちゃを受け取ります。
個人持ち込みのおもちゃがメインではあるものの、幼稚園や子育て関連施設のおもちゃ、中には40年前などのオルゴールや、ドローン、シュレッダーもありました。
この日も、ご家族のお迎えを待つおもちゃたちがたくさん待っていました。
筆者が持ち込みしたおもちゃ
前回持ち込みした、音が出なくなってしまったピカチュウの時計と、首が折れてしまった女の子のおもちゃは、お迎えに行ったらすっかり治り、子どもたちも大喜びしていました。
今回は3点診察をお願いしました。
話すとオウム返ししながら話す赤いオウムのおもちゃ、全く動かなくなってしまいました。
診察によると、スイッチ自体が壊れていたそうで、ドクターの手術により、スイッチが交換され無事に蘇りました。部品交換代100円(税込)のみかかりますが、技術料はかかりません。
我が子たちが乳児期から使っていた大切なおもちゃ、すっかり元通りです。
息子が救急車の中に無理やりはめた郵便車、その場でドクターが分解手術してくれ、無事に取り出すことができました。
アンパンマンのひらがなパットは、作動不良がありましたが、分解し、中を清掃してくれたおかげで、良くなりました。
おもちゃを使用する上での使用法、簡単な対処法なども教えてくれました。たくさんのおもちゃを見てきた経験から成せることですね。ドクターたち、本当に頼りになります。
修理代金について
修理は原則無料、部品交換が必要な場合のみ部品代が別途かかります。
たくさんの部品が用意されており、早いとその場で修理が完了します。万が一、部品がない場合も、可能な限り部品を取り寄せして、修理してくれます。
部品交換が発生した際でも、部品代のみなので、50円(税込)から、高くても300円(税込)くらいだそう。その金額で直してくれるとは、頭が下がります。
無料は申し訳ないので、「ちょっとだけお礼したい」と思った方は、お気持ちだけでも募金するのも、きっとドクターたちの励みになるはずです!
次のおもちゃの命を救う応援として、筆者も感謝の募金をしようと思います。
おもちゃドクターやナースも随時募集中
中には縫い目をほどかないと、中の部品が取り出せないおもちゃもあり、そういった縫製が必要なおもちゃが入院した際には、ドクターが自宅に持ち帰り、奥様ナースが縫製手術を行うケースもあるそう。
ドクターだけでなく、ナースも募集しているそうなので、ご興味がある方がいれば、ぜひ、問い合わせしてみてくださいね。
先輩ドクターたちがしっかりと指導してくれ、ドクターデビューできるかもしれません。
壊れたおもちゃに再びいのちが灯る
自分が使ったおもちゃ、子どもが使ったおもちゃ、世代を超えて語り継がれるおもちゃは、より一層思い入れがありますよね。おもちゃ病院で診察して手術をすれば、再び動き出すかもしれません。
自宅に、"壊れた捨てられないおもちゃ"はありませんか。捨てられないということは、きっと大切な思い出が詰まった宝物なはずです。処分する前に一度診察を受けてみてくださいね。
おもちゃ病院
2025年度 開院スケジュール
アクセス
【御成会場】
鎌倉福祉センター
JR・江ノ電鎌倉駅より徒歩8分
住所:〒248-0012 神奈川県鎌倉市御成町20-21
駐車場:あり
【大船会場】
大船保育園
JR・湘南モノレール大船駅より徒歩8分
住所:〒247-0056 神奈川県鎌倉市大船2-10-24
駐車場:なし
【笛田会場】
笛田リサイクルセンター
JR・江ノ電鎌倉駅/藤沢駅よりバス 八反目または手広バス停で下車徒歩3分
住所:〒248-0027 神奈川県鎌倉市笛田1-11-34
駐車場:あり
開院時間
10:00〜15:00(どの会場も受付は14:00まで)
お問い合わせ
鎌倉市社会福祉協議会
電話番号:0467‐23‐1075
運営
ボランティアグループ おもちゃDrsかまくら
後援
鎌倉市・鎌倉市教育委員会・鎌倉市社会福祉協議会