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猫も『死んだフリ』をすることがある?突然動かなくなったときの心理4選

ねこちゃんホンポ

猫はホントに「死んだフリ」をする?

生物の中には擬死、いわゆる死んだフリをするものがいます。オポッサムや鳥類の一部、昆虫などがこれに該当します。この行動は、主に捕食される側の動物が生き延びるための防衛戦略のひとつとなっています。

自然界の猫も大型動物に襲われることがありますが、肉食獣である猫は、どちらかといえば捕食側にあり、危険を感じたときには「逃げる」「隠れる」「威嚇する」などの行動をとるのが一般的です。つまり、本能としての「死んだフリ」はしないのです。

ただし、恐怖などを感じたときには極度の緊張から動けなくなることがあるため、場合によっては死んだフリをしているように見えるかもしれません。また、飼い猫の場合は、肉体的な危険よりも、精神的な危険(ストレス)を回避するために硬直することがあります。

一方、病気や体調不良によって、動きたくても体力的に動けないことも考えられます。いずれの場合でも、猫が急に動かなくなったときは、原因をしっかり見極めることが大切です。

突然動かなくなったときの心理4選

ここでは、猫が突然動かなくなったときの心理について見ていきましょう。

猫が突然動かなくなったときには、猫が意識的にやっているのか、なにかの身体反応として動かなくなったのか、行動や状況と照らし合わせながら考えてみてください。

1.様子を見るため

猫が急に伏せたまま動かなくなるのは、周囲の様子をうかがっているためかもしれません。落雷や花火、ガラスの割れる音など突然の大きな音に驚くと、身を低くしてじっと動かなくなることがあります。

これは本能的に身を守るための反応です。野生の本能が強い猫は、不用意に動くと危険が増すため、あえてジッとして状況をやり過ごそうとすることがあります。

また、初めての環境や見知らぬ相手に対しても、すぐに行動を起こさず慎重に様子を観察する傾向があります。動物病院の診察台で、緊張して動けなくなってしまうのはそのためです。

2.眠くて眠くてもう限界…

眠気が限界に達した結果、猫がまるで「死んだフリ」をしているように見えることも。子猫は遊んだり食べたりしている最中に、急にパタンと倒れて動かなくなることがあります。よく「電池が切れた」などといわれますが、まさに眠気の限界がきてしまったのでしょう。

脳も身体も成長期の子猫は、体力が未熟な一方で、非常に多くの活動量をこなします。そのため、疲労しやすく休息が必要になると一気に強い眠気が押し寄せるのです。

この急な眠りは、体が回復モードに入るための自然な反応で、子猫にはよく見られます。心配なときは呼吸や体温を確認し、安全に眠れる場所へそっと移動してあげましょう。

3.体調不良で動けない

もし、健康面での問題が原因で動かない場合、猫は「まったく動かない」ように見え、それが死んだフリのように感じられることも。実際には、体調が悪いときほど猫はジッとして動かなくなることが多いのです。

痛みや倦怠感が強い場合、猫は体力を温存するために寝床からほとんど動かなくなります。動くことで状態が悪化するのを防ぐためです。

一種の回復モードともいえますが、飼い主から見ると、ぐったりして生気がない愛猫は「死んだフリ」をしているように見えるかもしれません。少しでも異変を感じたら、自己判断せずに早めに獣医師に相談しましょう。

4.飼い主に心配してほしい

猫が飼い主の反応を期待して、あえてパタリと倒れ込むこともあります。自分に注目してほしいときや甘えたいときに見られる行動です。

倒れた瞬間を見ていた飼い主が心配して近寄ることを知っている猫は、あえて「死んだフリ」をすることで関心を引こうとすることがあります。突然横になることで、飼い主が慌てて自分に寄ってくることを学んでいるのです。

また、遊びを誘うために「鉄砲でバァンと撃たれたフリ」のような行動を取る猫もいます。この場合は、倒れ込んで一瞬動かないものの、すぐに起き上がり遊びたがることが多いでしょう。

まとめ

猫は、動物の特性として「死んだフリ」をする動物ではありません。しかし、驚きや恐怖、病気、遊びの影響で動かなくなり、それが「死んだフリのように見える」ことがあります。特に子猫に至っては、突然倒れて眠ってしまうこともあるので注意が必要です。

猫が突然動かなくなると、飼い主は不安になります。もし猫の目が開いていて、キョロキョロと周囲を見回しているなら、あまり心配する必要はないでしょう。声をかけて元気かどうかを確認し、身体を起こして問題なく動けるなら大丈夫です。

また原因によっては、恐怖や驚きで身を守るために固まっている場合もあります。猫が警戒しているときは気が立っていることがあるので、手を出さずに声をかけて様子を見ましょう。

一方、体調不良や痛み、極度の疲れが原因で動かないこともあります。呼吸や体温に異常がないか確認し、体調に不安がある場合は、すぐに獣医師に相談することが重要です。

猫の行動に不安を感じたときは、落ち着いて状況を見極めましょう。必要な対応をとることで、愛猫の安全を守ることができます。


(獣医師監修:加藤桂子)

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