島根のご当地パン『塩ぜんざい』が正直すぎる件
かの有名な『ぜんざい』が島根県・出雲地方発祥の食べ物とされていることを初めて知ったのだが、世の中にはそれに類似する『塩ぜんざい』なる食べ物もあって、同じく出雲発祥とされているのだそうだ。全部初めて知った事実である。なるほど理解!
……と思ったら、『塩ぜんざい』発祥の地たる出雲には『塩ぜんざい』という名前のパンも存在しており、局地的に人気を博しているという事実も同時に判明した。さすがの私もこれには「どういうこと……?」と声を震わせずにいられない。ぜんざい界隈、ややこしすぎだろ。
・島根ご当地パン界隈
塩ぜんざいパンを製造しているのは、島根ご当地パン界の絶対的エース『バラパン』でおなじみ『なんぽうパン』(出雲市)。『バラパン』が商品名で、『なんぽうパン』がメーカー名だ。ややこしいな。
バラパンは東京でもスーパーのご当地パンフェアとかで割と目にする。パンに興味がある人の間では割と有名。
ご覧のとおり、バラっぽい見た目が特徴だ。要するに薄くて長い食パンを巻いただけなのだが、これがどうして、なかなか楽しい。甘すぎないクリームと甘すぎないパンが織りなす優雅なハーモニー。
あ、言い忘れてたけど私は島根県のお隣・鳥取県の出身です。鳥取は西部に寄るほど(島根に近づくほど)なんぽうパンのシェアが強くなり、普通にスーパーとかで買えるぞ。
・塩ぜんざいパンの実態
で、問題の塩ぜんざいパン(税込216円)。塩ぜんざいはその名のとおり、ぜんざいに塩を加えたものらしい。
島根には比較的詳しいほうであるが、塩ぜんざいの存在はマジで今回初めて知った。あるいは塩ぜんざいと認識していなかっただけで、実は私も塩ぜんざいを食べて育ったのだろうか?
見た目はクロワッサンそのもの。
パンには横に切れ込みが入っていて、中にアンコとマーガリン、求肥(モチのようなもの)が詰められている。
アンコと求肥……そりゃ確かにぜんざいの材料だ。そこに南蛮渡来のデニッシュ&マーガリンを合わせたら、一体どんなケミストリーが起きるというのか!?
人生初の塩ぜんざいパン、いただきます!
アンパンじゃん!!!!!!!!?
・アンパンだった
なんとなくそんな予感はしてたけど、圧倒的にアンパンだった塩ぜんざいパン。どこかに塩が入っているのかもしれないが、いかんせんアンコが甘いのでよく分からん。甘いアンコが入ったパン……それってつまり、アンパンなんじゃないの……? おいしいけどね!
ちなみに後から気づいたことだが、改めて塩ぜんざいパンのパッケージを眺めてみると……
すごく薄い色で「Salt anpan(塩アンパン)」と書かれていた。
やっぱアンパンなんか〜い!
どうせ「anpan」も日本語なのだから、そこは「zenzai」でよかったのでは? って気もしなくないが、ともかく“塩ぜんざいをパン化したもの = 塩アンパン”という認識でOKなようだ。なお島根県出身の佐藤記者に意見を求めたところ「塩ぜんざいパンなんて知らん」との回答。ご参考までに。
なんぽうパンからは『塩ぱん』という商品も発売されており、ビジュ的に塩ぜんざいパンと酷似していたため、私は売り場で直感的に「コレにアンコと求肥とマーガリンを詰めたものが塩ぜんざいパンなのだな」と判断した。
が……実際に両方食べてみると、うまく言えないけど、なんか微妙に違う気がする(同じだったらすみません)。初心者には難易度が高すぎる島根のご当地パン。個性的でおいしいことは確かなので、見つけたら即ゲット推奨だ。人生の経験値が稼げる。
いつかアンパンと塩ぜんざいパンの違いに気づける大人になりたい。
参考リンク:なんぽうパン
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.