循環器疾患にならないための日常生活
日本で、死亡原因の大きな割合を占めているのが、心疾患や脳血管疾患などの循環器疾患です。日常生活の中で意識すべきことを聞きました。
教えてくれたのは…
食事と適切な運動 血圧を正常値に
循環器疾患には、大きく分けると心臓の疾患と血管の疾患があります。
若い世代(20代~30代)は加齢による基礎疾患が少なく、ある程度体力もあるので、緊急性の高い病気を発症する可能性があります。
例えば、味の濃いものを食べ続けたり、暴食したり、お酒をたくさん飲んだりすると、急激に血圧が上がってしまいます。その結果、頭の血管が切れたり、大動脈乖離(ルビ:かいり)といって大動脈がはがれてしまったり…。
40代以降になると、徐々に循環器疾患の具体的な症状が出始めるため、胸が痛い、脈が変だなと感じたら、まずは医療機関を受診してください。
ほとんどの身体機能は30歳前半でピークに達し、その後は徐々に老いていくといわれます。必要なことは、その速度を遅くすること。そのためには、健康づくりが大切です。
食事では意識して脂質を抑え、血圧をしっかりコントロールし、運動を習慣にしましょう。ただ、人によって必要な運動量は異なります。
全身の運動耐容能を調べることができる「心肺運動負荷試験」を受けると、その人に必要な運動量が分かりますが医療検査になります。そこまでする必要のない人は、「息は弾むけれど会話はできるくらいの運動」を目安にしてみてください。
病気になってしまった後のケア
心臓や血管の病気で治療を受けた後は、保険適用で「心臓リハビリテーション(心臓リハビリ)」を受けることができます(対象疾患のみ)。運動療法や食事療法、生活指導などによって、心臓や血管の具合を良くしようという治療です。
心臓リハビリが終わった後も運動は継続することが大事です。当院では柏市のロコモ予防体操「かしわロコトレ!」を導入しています。皆さんもお住まいの自治体で行っている運動やロコモ予防体操に参加してみてはいかがでしょう。