【横浜市】横浜市立大学の学生ら 避難所誘導アプリ「ココイコ」開発進める
横浜市立大学の学生らが災害時避難誘導アプリ「ココイコ」の開発に取り組んでいる。アプリでは車椅子や乳幼児連れなど避難者の属性に合わせ、最適な避難場所やルートを提案。実証実験を通して多くの人の声を集めながら、「誰一人取り残さない避難」を目指す。
開発に取り組むのは地震学が専門の金亜伊研究室の渡辺豪太さん(4年)と長野悠歩さん(3年)、卒業生の中村勇士さん。同大の教員地域貢献活動支援事業に採択され、8月から金沢区自助連絡協議会と連携し、開発に取り組んでいる。
東京都在住の金准教授をはじめ、同大には区外から通勤・通学している人が多いという。土地勘がないと避難が遅れる可能性があることや、年齢によって歩行速度や経路が異なるが、これまで避難者の属性を考慮した誘導がなかったため、アプリの開発に至った。
ココイコでは、事前に車椅子利用、乳幼児同伴、医療的ケア、ペット同伴などの属性を入力しておくと、災害発生時に最適な避難所一覧を提案。避難所一覧の中から行きたい避難所を選択すると、マップアプリが開き、ルートに従って避難ができる。さらに、将来的には避難所での入退室管理や名簿作成をデジタル化することで、現場職員の負担を軽減し、行政の災害対応能力の向上も視野に入れる。
地震の震度予測が研究テーマの渡辺さんは「アプリの開発に興味があった。ゼロから新しいサービス開発に携われる貴重な機会と思った」とプロジェクトに参加した理由を話す。「どういうアプリにしたら使いやすくなるのか」など朝から晩まで話し合いを重ね、午前3時に作業をしたことも。9月20日に県立金沢支援学校で開かれた「自助リハ」で地域住民にアプリを初披露。実証実験第一弾として、26人が体験した。体験した人からは「いざという時は慌てているので使いやすいアプリにしてほしい」「実用化に期待している」などの声が寄せられた。
11日に体験会
10月11日(土)には実証実験の第二弾として、実際にアプリを操作しながら足が不自由、ペット同伴といった属性になりきって仮想の避難所へ避難する体験会を開催する。午前9時半に金沢公会堂会議室で受付開始。医療法人社団景翠会金沢病院、薬王寺、瀬戸神社などへ避難する。解散は正午頃。
長野さんは「自助リハでは地域の方が協力してくださり感謝している。自分にない属性の情報を収集するのがアプリ開発には大切。参加者の声を拾いながら、地域に恩返しをできるように精一杯取り組みたい」としている。参加者には防災用簡易トイレや500円分のクオカードなどの特典も。参加申し込みは二次元コードから。先着50人。問い合わせは金准教授【メール】ahyik@yokohama-cu.ac.jp