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&Q(アンク)〜 こだわりが詰まった果実をぜいたくに使ったデザートピザとドリンクが名物のカフェギャラリー。高架下に生まれた特別感ある空間

備後とことこ

&Q(アンク)〜 こだわりが詰まった果実をぜいたくに使ったデザートピザとドリンクが名物のカフェギャラリー。高架下に生まれた特別感ある空間

2025年(令和7年)、JR福山駅の約400m東にある鉄道高架下に、新たな店が誕生しました。

カフェ&ギャラリーの「&Qアンク)」です。

白を基調とした明るく開放的な空間は、スタイリッシュな印象。

しかも「デザートピザ」という珍しいメニューが看板です。

生産者がこだわって育てた果物をふんだんに使ったピザは、フルーティーな味わいで、見た目も華やか。

&Qの魅力やこだわりなどを、深掘りしていきます。

鉄道高架下にあるスタイリッシュな雰囲気の&Q

「フクハチコウカPJ」としてリニューアルした今町の鉄道高架下

&Qがあるのは、福山市中心部の今町JR福山駅から東へ約400mへ進んだところの、山陽本線・山陽新幹線の高架下です。

この高架下には8店舗のテナント区画があり、「フクハチコウカPJプロジェクト)」としてリニューアル事業が展開されています。

&Qは高架下のテナント区画の、東から4店目に所在。白い外壁と大きなガラス張りが印象的で、スタイリッシュな雰囲気です。

店内も白い壁や大きな開口部から差し込む日光などで、明るく開放的。植物や照明、席などの配置物にもこだわりが感じられます。

(画像提供:umika)

&Qの店内は周辺とは異なる印象で、特別感のある空間です。

席は2人がけテーブルが2卓と4人がけテーブルが2卓。席間に十分なゆとりがあり、ゆっくりと食事を楽しめます。

(画像提供:umika)

また&Qの特徴は、カフェ&ギャラリーであること。飲食だけでなく、店内でアーティストやクリエイターの作品、企業の製品などの展示もおこなえます。

メニュー紹介

2025年(令和7年)8月時点の情報。価格は消費税込

メニューの核となるのが、デザートピザドリンク。生産者のこだわりが詰まった果物をふんだんに使ったものなどを提供します。

両種とも、レギュラーメニュー時季限定メニュー(SPECIALTYメニュー)があります。

取材時(2025年8月)の時季限定「白桃のコンポートとクレームダンジュのピザ」(画像写真:umika)

時季限定メニューは季節ごとではなく、旬の果物が出るのに合わせて変わっていくのが特徴。2025年5月にオープンし、取材時の8月時点ですでに4度時季限定メニューが登場しているそう。

取材時(2025年8月)のランチピザ「夏野菜とキーマカレーのピザ」(写真提供:umika)

レギュラーのデザートピザは4種。このうち2種は、果物をタップリと使ったピザです。

加えて、月替わりのランチピザを提供しています。ランチピザは、食事系のピザです。

取材時(2025年8月)の時季限定「ブルーベリーとヨーグルトと甘酒のスムージー」(写真提供:umika)

ドリンクでは、ほかに「瀬戸極(きわみ)のジンジャーコーラ」や「今川茶舗の和紅茶」なども注目です。

なお注文・支払は前払いで、支払方法は各種キャッシュレスのみ。現金の使用はできません。

人気・おすすめのメニュー

&Qの人気メニューや、店のおすすめのメニューを紹介します。

瀬戸田レモンとクレームダンジュのピザ

瀬戸田レモンとクレームダンジュのピザ」は、レギュラーメニューのデザートピザです。

レモンの黄色が色鮮やかで美しい見た目が印象的。

名前のとおり、使っているレモンは国内でのレモン栽培発祥地とされる尾道市瀬戸田町産のもの。

生地の上には、タップリのクレームダンジュ。フロマージュブラン(チーズ)風味で、甘さとともにほんのりとした酸味も感じるクリームです。

そして、その上には瀬戸田産レモンのスライスがギッシリと載っています。下のクレームダンジュが見えないほどです。

食べると、レモンの三温糖漬けのやさしい酸味とほんのりと感じる甘さと苦味が広がります。

そこにクレームダンジュのさわやかな甘さ。さらにチーズの風味がほんのりと感じられます。

レモンの皮のシャキシャキ感、クレームダンジュの滑らかな舌触り、そこに生地のモチモチとした弾力ある食感と、香ばしい味わいがしてきて、大変おいしいです。

ベリーベリーととろとろティラミスピザ

ベリーベリーととろとろティラミスピザ」も、レギュラーメニューのデザートピザです。

名称のベリーベリーとは、イチゴ(ストロベリー)とブルーベリーを指しています。
イチゴとブルーベリーを使って、自店でソースをつくっているのがポイントです。

生地の上には、タップリのティラミス。ティラミスには、マスカルポーネチーズをふんだんに使っています。これにより、とろみが発生し、独特の滑らかな舌触りになるのです。

また卵の黄身を使用。前出のクレームダンジュは白身しか使わないので、対照的です。

ティラミスの上には、通常はココアパウダーをかけますが、&Qではイチゴとブルーベリーのソースをふんだんにかけています。

食べてみると、ティラミスの濃厚な甘さとトロトロ感に、ソースの甘酸っぱさ、イチゴやブルーベリーの果肉のプチプチ感と果実感あふれる甘酸っぱい風味が見事に調和。

そこに生地のモチモチとした弾力ある食感と味わいが、よく合います。

瀬戸田レモンのレモンスカッシュ

瀬戸田レモンのレモンスカッシュ」は、人気のドリンク類です。

瀬戸田レモンとクレームダンジュのピザと同じく、瀬戸田産レモンの三温糖漬けを使用しています。

それを炭酸水で割っているのが、レモンスカッシュです。

レモンのほどよい酸味などの風味が広がるとともに、甘さと炭酸のシュワッとしたさわやかさが広がり、喉を潤します。

ギャラリー利用について

実際の展示の例(写真提供:umika)

&Qは、カフェギャラリーです。

アーティストやクリエイター、企業などが作品や製品を展示できます。

店内にある大きな丸太は、ギャラリーの展示スペースとしても利用できます。

レジ横カウンターなども展示スペースです。

ギャラリーとして利用したい場合は、事前にInstagramよりダイレクトメッセージで連絡してください。

福山市今町の鉄道高架下にある、注目のカフェギャラリー・&Q。

店長の河村悠里(かわむら ゆうり)さんにインタビューしました。

店長の河村悠里さんへのインタビュー

河村悠里(かわむら ゆうり) 店長

福山市今町の鉄道高架下に生まれた、デザートピザが魅力のカフェギャラリー「&Qアンク)」。
店長の河村悠里(かわむら ゆうり)さんに開業の経緯やコンセプト、こだわりなどを聞きました。

地域に再びにぎわいを取り戻す「フクハチコウカPJ」

「フクハチコウカPJ」としてリニューアルした今町の鉄道高架下

──開業の経緯を教えてほしい。

河村(敬称略)──

まずは、当店を運営している株式会社umikaウミカ)について説明します。

umikaは福山市中心部・福山駅周辺を中心に、まちづくり・地域の活性化に関わる事業をする企業です。

クリエイティブの力でローカル、つまり身近な生活環境である「人・企業・地域が生み出すものの魅力」に新たな価値を見出すことで、まちづくりにつなげていこうと考えています。

この理念のもと、「まちづくりのクリエイティブチーム」として、事業企画・建築デザイン・商品開発・地域活性化などの取組をしているのです。

シェアキッチンの「Little SETOUCHI(リトル セトウチ)」や、まちづくりを担う人材の育成ワークショップ「まちの空想俱楽部」などもumikaがおこなっており、「フクハチコウカPJプロジェクト)」も担っています。

JR福山駅の東部・今町地区の山陽新幹線・山陽本線高架下には、8店舗分のテナント区画があるのですが、そのうち7区画が10年以上空き店舗のままでした。

隣接の福山本通商店街や福山市役所などから高架下活性化の声が上がったことで、JR西日本とumikaの協創プロジェクトが誕生することに。

高架下区画をリニューアルするとともに新たな店舗を誘致し、周辺地区に人の流れとにぎわいを取り戻すフクハチコウカPJが動き出したのです。

そのフクハチコウカPJの1店舗として、umika初の直営飲食店をすることになりました。それが&Qです。2025年(令和7年)5月にオープンしました。

初めて飲食店運営に取り組む四つの理由

──なぜ直営店未経験の企業が、店舗を出すことに?

河村──

理由はおもに四つ。

一つ目は、地域の人の居場所をつくること。二つ目は、「生きたショールーム」としての機能。

三つ目は、フクハチコウカPJを運営するだけでなく、実際に営業することで、入居者と同じ目線で考えること。そして四つ目は、カフェギャラリーへの憧れです。

──一つ目の理由の「地域の人の居場所をつくる」とは。

河村──

umika代表の谷田恭平(たにだ きょうへい)は、建築家を本業としています。建築家としての視点や思いによるものです。

建築家として「人の居場所づくり」は、大きなテーマの一つ。カフェという形態は、地域の居場所として機能する点が魅力だったと聞いています。

──二つ目の理由の「生きたショールーム」についても教えてほしい。

河村──

そして、&Qをただの商店ではなく、私たちumikaという企業のショールームのような存在にしたかったのです。

&Qに来れば、umikaが持つ空気感とか、好きなものとか、テイストなどが伝わるような店。これが「生きたショールーム」の意味です。

──三つ目の理由については?

河村──

三つ目の理由については、フクハチコウカPJはテナント8区画もありますから、そのうち1区画を自分たちで運営してみようと考えました。

私たちumikaは、シェアキッチンという施設の運営は経験してきましたが、飲食店や小売店を直接運営した経験はありません。

入居者と同じ目線で考えることは、テナント管理上で必要だと感じています。

まだオープンして数か月(取材時点)。今後、生かせる機会が出てくるのではないでしょうか。

──四つ目の「カフェギャラリー」については?

河村──

「カフェギャラリー」は&Qのコンセプトで、カフェとギャラリーを一体としたものを指します。

カフェギャラリーというコンセプトが生まれたきっかけは、代表・谷田が、かつて葉山(神奈川県)のカフェギャラリーを訪れたことです。

谷田は、美術作家の永井宏が提唱した「生活の芸術化=ネオフォークロア」などの考えに感銘を受け、自身でもそのような店を運営してみたいと思い、ずっとカフェギャラリーの構想を温めていました。

そしてフクハチコウカPJでカフェを運営することになり、憧れであったカフェギャラリーという形を、ついに実現したのです。

自分たちの空気感やテイストが伝わる店が「生きたショールーム」になり、同時に谷田自身の夢だったカフェギャラリーも実現。さらに、生きたショールームとしての環境が人を呼び寄せて居場所となる。

店の運営経験は、フクハチコウカPJの運営にも生かせる。そういうサイクルを生み出したいですね。

「問いを持って生きる」を体現する場所

──「&Q」という名称の由来は?

河村──

「アンク」という読みは、古代エジプト語に由来しています。古代エジプトの言葉で「生きる」という意味です。

「Q」は英語で「QUESTION(クエスチョン)」、つまり「問題」「問い」ということ。

「&Q」と書いて「アンク」と読むことで、「問いを持って生きる」という意味を込めています。

当店を訪れたお客様が、当店を通じて心が豊かになったり、新しいものに触れて感性が広がったり、発見があったりといった経験をしてほしいという願いを表したものです。

石をモチーフにした照明

──デザイン面でのコンセプトなどは?

河村──

内外装のデザインは、名称に込めた「問いを持って生きる」を体現したものになっています。さらに言えば空間だけでなく、メニューもそうです。店に関するさまざまな点につながります。

空間に関しては「都市の裏側にある文明」という意味を持たせています。高架下という都市的な場所に、あえて原始的・根源的なものを配置しているのです。

たとえば、ギャラリースペースとして使う丸太。ほかにも石や真鍮(シンチュウ)など置いています。

空間全体が時間軸を表すことをイメージしています。それは、自分自身の立ち位置がわからないと問いを持って生きられないから。

実はピザも、時間軸を表すものと捉えているんです。ピザって地層のように重なっています。ここにも「都市の裏側にある文明」がつながるんです。

飲食経験を買われ、目標だったカフェ運営に携わるように

──umikaとして、初の飲食店事業。飲食店のノウハウはどうした?

河村──

実はumikaの役員のなかには、現役で飲食店を経営する者や、食品製造・小売を経営する者がいます。そして私自身も実は飲食店経営の経験者なのです。

メンバーに飲食店に携わった者が多いことは、強みになりました。

──河村店長はどのような飲食店を経験した?

河村──

もともと私は飲食店、特にカフェを運営したいと思っていました。

そのためカフェ運営を目指し、大学は栄養学を専攻。同時に空いたときを活用し、ダブル・スクールとして調理系専門学校にも通い、菓子づくりのノウハウも学びました。

その後、大学在学中にumikaの運営するシェアキッチン「Little SETOUHI」で、タルト店をオープンしたのです。

このご縁により、umikaで事務関連の仕事に携わるようになりました。そしてフクハチコウカPJの事業が生まれ、umika直営のカフェをすることになり、過去の経験から店長として私に白羽の矢が立ちました。

目標だったカフェの運営に携われ、さらに得意の菓子づくりが生かせているので、日々やりがいを感じているところです。

──オープンしてからの手応えは。

河村──

想像していたより、多くのお客様に来店していただいており、日々忙しくしています。

男女比では、男1割、女性9割といった感じでしょうか。年齢層は非常に幅広く、若い人からご年配まで世代を問いません。お子様連れのお客様も多いですね。

生産者がこだわりを持って栽培した農産物を生かしたい

──メニューの特徴を知りたい。

河村──

こだわりの食材を使ったデザートカフェとドリンクが看板メニューなことが特徴ですね。

デザートピザは、ピザをやりたかったのはなく、果物を生かしやすかったのがピザだったことが理由。

具体的なメニューより先に、瀬戸内をはじめ、各地のこだわりの果物を使ったメニューを提供するという構想がありました。

そしていろいろと思案した結果、果物を生かしたメニューをつくりやすかったのが、ピザという料理だったのです。

代表・谷田は当店のデザートピザを、ローカルの素材を使い、それをデコレーションすることによって、面白くて驚きを与える創作物と捉えています。

福山周辺では、デザートピザ自体が珍しいのではないでしょうか。だから、個性になります。

──デザートピザやドリンクに使う果物のポイントを知りたい。

河村──

果物は、生産者様がこだわりや強い思いを持って栽培している農産物を使っています。

エリアは瀬戸内地方に限らず、全国各地にこだわりのある生産者様がいれば使っていき、それを生かしたピザをつくっていきたいです。

生産者様は人づてに紹介されることが多いですね。人が人を呼ぶ状況でして、とてもありがたく思います。

また生産者様のこだわりや思いがお客様により伝わるように、SNSで説明しているのです。

──ピザの生地にもこだわりがあるのか。

河村──

もちろんです! ピザ生地は、Acci(アッチ)というピザ専門店に、当店専用のものを特注しています。

当店はクリームや果物をたくさん使うため、水分が生地に染み込みにくい生地にしているのが特徴です。そのため弾力が強めで、モチモチとした食感が楽しめます。

さらに、バラ酵母を練り込んでいるんです。バラが市花である福山らしいピザだと思います。

クリームや果物との味わいの相性も抜群です!

今後は果物を生かした新しいメニュー考案も視野に

──今後やってみたいことがあれば、教えてほしい。

河村──

今はデザートピザをメインでやっています。

今後は、果物を生かした新たなメニュー開発していきたいですね。

いろいろ可能性は秘めていると思いますので、メニューを考えるのも楽しみです。

そして今町のJR高架下を、新たなにぎわいの拠点にしていけたらと思います。

こだわりのデザートピザが注目のカフェギャラリー・&Q

鉄道の高架下という場所にあり、「問いを持って生きる」というユニークなコンセプトを掲げるカフェギャラリーの&Q。

こだわりを持ってつくられた瀬戸内の旬の果物をふんだんに使ったデザートピザは、まるでアート作品のよう。

ギャラリーとしても、地域の居場所としても、魅力的な店ではないでしょうか。

「フクハチコウカPJ」として盛り上がりを見せる、今町の高架下に注目です。

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