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【発火しにくいモバイルバッテリー・2】安全性で『準固体電池』を選ぶ筆者の理由〜リスクが高い「コバルト酸」リチウムイオンバッテリー以外の4つの選択肢

特選街web

毎日のように使っているモバイルバッテリーの爆発・発火事故が目立ちますね。このモバイルバッテリーは大きく4種類ほどあり、使用温度や安全性が異なります。今回は中でも使用温度範囲が広く、安全性の高い「準固体電池」をHAMAKENWORKS(ハマケンワークス)の『準固体電池モバイルバッテリー』を例に紹介します。

手持ちのモバイルバッテリーの電池の種類を知っていますか?〜実はリチウムイオンにも種類がある

通常は「コバルト酸」リチウム系を無意識に使っているはず

カラフルなパッケージが目を引きます

スマートフォンをお持ちの方なら、多くの方が充電用のモバイルバッテリーをお持ちではないでしょうか。2025年現在、スマートフォンの普及率はほぼ100%、このうち60%を超える方がモバイルバッテリーを所有しているといわれているそうです。

脅威的な普及率です。そして、夏場になると毎年モバイルバッテリーやリチウムイオンバッテリーの発火や爆発といった事故が報道されます。環境省の調査によると、2023年には21,000件を超えるリチウムイオンバッテリーによる火災や発煙事故が発生しました。過去最多。怖いです。ところで、事故のほとんどが「コバルト酸リチウムイオンバッテリー」であることを知っていますか。

モバイルバッテリーにおいて、そのほとんどがコバルト酸リチウムイオンバッテリーであるため、リチウムイオンバッテリーといえば、少なくともモバイルバッテリーではコバルト酸リチウムイオンバッテリーのことです。

そして、このコバルト酸リチウムイオンバッテリーがもっとも安全性が低く、ハイパワー。圧倒的な普及率とも相まって、事故のほとんどが、このコバルト酸リチウムイオンバッテリーだと推察されます。しかし、実は現状モバイルバッテリーの電池には大きく5種類の選択肢があります。

コバルト酸リチウムイオンバッテリー以外の選択肢は4つ

「三元系」「リン酸鉄リチウム」「ナトリウムイオン」、そして「準固体」!

おそらく意識しないで購入されたモバイルバッテリーは、ほぼ間違いなくコバルト酸リチウムイオンバッテリーです。安全性がもっとも低いとはいわれていますが、使用温度範囲を守って使えば、もっともコストパフォーマンスがよくハイパワーで小型軽量です。

まずは三元系。コバルトを含む正極材が高価なうえ、熱制御が難しく、電気自動車(EV)用にテスラが採用していますが、冷却器なしでは安全性もコバルト酸リチウムイオンバッテリーと変わらないといわれているため、モバイルバッテリーには、ほぼ使用されていません。

リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは安全性の高さから、EVなどにも採用されており、最近注目が上がっていますが、低温での性能低下とエネルギー密度の低さから大きく、重くなりがちなのが弱点とされています。

ナトリウムイオンのモバイルバッテリー(エレコム)

さらに、以下の記事でも書きましたが、最近、世界ではじめてモバイルバッテリーとして製品化された、安全性の高いナトリウムイオンのモバイルバッテリーも市販されています。

https://tokusengai.com/_ct/17702078

ナトリウムイオンバッテリーは環境負荷が小さく、充放電寿命が脅威的に多いのですが、こちらもエネルギー密度がやや低いため、大きくなってしまう傾向にあります。

そして最後に紹介するのが、今回使ってみた準固体電池です。電解質をジェルや固体化することで、液体含有量を減らし、高い安全性と高いエネルギー密度を実現しているといいます。

パッケージを開封したところ。ピンクゴールドを選択したはずが……ピンクにみえます

そのため、コバルト酸リチウムイオンバッテリー以外で安全性の高いモバイルバッテリーを選択しようと考えた際、現状はリン酸鉄リチウムイオンバッテリー、ナトリウムイオンバッテリー、半固体バッテリーの3つが選択肢です。

鉄則:普段使用する温度範囲をカバーするモバイルバッテリーを選ぶこと

「準固体電池モバイルバッテリー」は−20〜+80度まで動作範囲

ひと目で自分のものがわかるようにピンクゴールドを選択しましたが、表面はピンク

モバイルバッテリーは大きく分けて5種類あることを解説しましたが、これらに動作温度範囲が設定されているのをご存じですか? マニュアルなどに明記されていると思いますが、ほとんどが0〜+40度(モデルによっては+45度)程度です。

一般的なコバルト酸リチウムイオンバッテリーは、この使用範囲を超えた+45度以上で電解質の揮発などで不安定になり、これに衝撃によるショートなどが複合すると、発火や爆発が起きるといわれています。

リン酸鉄リチウムイオンバッテリー、ナトリウムイオンバッテリーは発火や爆発の危険性は低いのですが、動作温度については、ほぼ変わらないモデルがほとんどです。北海道に住んでおり、車でアウトドアを楽しむ筆者には0〜+40度という制限はかなりきつい。

これに対して、スマホ周辺機器を手がけるメーカー・HAMAKENWORKSの「準固体電池モバイルバッテリー」は、動作温度が−20〜+80度。真冬の北海道にも対応する耐寒性能と、真夏の締め切った車内にも耐えうる高温性能が保証されています。

筆者が現状、モバイルバッテリーを1台だけに絞れといわれたら、HAMAKENWORKSの「準固体電池モバイルバッテリー」を選ぶ理由は、圧倒的な動作温度の広さからです。なお、保存温度は−40〜80度とさらに広がります。

「準固体電池モバイルバッテリー」の使い勝手はけっこういい

思ったより小さい

写真ではわかりづらいですが、裏面はしっかりピンクゴールド。こちらを表面にしてほしかった

圧倒的な使用温度の範囲の広さから、筆者が1台だけといわれたら、これを選ぶHAMAKENWORKSの「準固体電池モバイルバッテリー」ですが、容量が10,000mAh の「HW-SSPB100」シリーズ5,000mAhの「HW-SSPB050」シリーズの2種類が用意されており、カラーはそれぞれにブラック、ピンクゴールド、ホワイトが用意されています。

筆者は「HW-SSPB100」のピンクゴールドを選択しテストしましたが、まず最初の印象は、思ったよりも小さいこと。最近、燃えないといわれるリン酸鉄リチウムイオンやナトリウムイオンのモバイルバッテリーをよく試すのですが、エネルギー密度が低いため、容量のわりに大きいことが多いのです。準個体電池の「HW-SSPB100」はそんなことがありません。これは大きなメリットといえます。

USB Type-C2つよりも、USB Type-Aと1つずつのほうが使いやすく感じます

また、USB Type-CとUSB Type-Aのコネクタをそれぞれ1つずつ搭載しており、USB PD(Power Delivery)3.0とQC(Quick Charge)3.0に対応。最大出力で22.5Wが可能になっています。大きさは約112×68×17mm、重さは約195gと軽量でコンパクト。

外側からみえませんが、入力過電圧、入力低電圧、出力過電流、出力過電圧、短絡、バッテリー過充電、バッテリー放電、バッテリー過電流、IC加熱、充放電バッテリー温度NTCという10個の保護機能を搭載している以外は、至って普通のモバイルバッテリーです。

ある意味、当たり前なのですが、残念なことに、従来のコバルト酸リチウムイオン電池搭載のモバイルバッテリーと使用感に大きな差はありません。ただし、真夏の車内に普通のモバイルバッテリーを置いて車を離れることは怖くて筆者にはできませんが、HAMAKENWORKSの「準固体電池モバイルバッテリー」なら問題ありません。

ただし、税込8,980円という価格をどう考えるか?

約2,000回といわれる充放電サイクルと安全性を考慮するとあり!

自分の行く場所のどこでも連れて行けるのが大きなアドバンテージです

現在のところ、筆者のもっともお気に入りのタイプのモバイルバッテリーといってもいい「準固体電池モバイルバッテリー」ですが、どちらかといえば秘蔵っ子といった位置付けです。なぜなら10,000mAh の「HW-SSPB100」で税込8,980円、5,000mAhの「HW-SSPB050」で税込6,980円と結構お高いのです。

プチプラで急速充電などには対応しませんが、単純に電池容量が10,000mAhのモバイルバッテリーを買えば、税込1,100円くらいから手に入ることを考えると、いいお値段といえます。ただし、このHAMAKENWORKSの「準固体電池モバイルバッテリー」は充放電サイクルが約2,000回と長寿命。

一般的なコバルト酸リチウムイオンのモバイルバッテリーが500回程度なので、4倍も長く使える計算です。これに使用温度範囲が−20〜80度と、自分の行く場所のほぼすべてで安全性が確保できることを考えると、コストパフォーマンス的に筆者はありだと判断しました。

真夏の車内に放置しても安全

わざと車内に放置するメリットは感じませんが、車でも安心して使えるのがうれしい

ただし、筆者の場合、さまざまなシーンでモバイルバッテリーを使用しており、もっとも多機能なモデルや高出力のモデルなどは「準固体電池モバイルバッテリー」を含めたリン酸鉄リチウムイオンバッテリー、ナトリウムイオンバッテリーの低価格化や進化によって、順次置き換えていく感じでしょうか。

どちらにしても、スマートフォンやパソコン、タブレット、イヤホン、モバイルファンなど、あらゆるものに搭載されている充電池には動作温度範囲があり、これを超える環境での使用は危険であることを再度認識することが、とても大切です。

そして、一般的なコバルト酸リチウムイオンバッテリーの動作温度範囲を超えるフィールドに電池を持ち出す際は「準固体電池」など動作温度範囲の広いバッテリーを用意するなどの対策を行うことをおすすめします。

筆者は、今年の夏の車旅はもちろん、これからやってくる本気で−20度近い気温になる北海道の冬のアウトドアでも「準固体電池モバイルバッテリー」に活躍してもらう予定です。安心感がハンパない。

製品サンプル提供●HAMAKENWORKS

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