東の野村家と西の茂山家による特別企画『新春名作狂言の会』の上演が決定
2026年1月31日(土)新宿文化センター 大ホールにて、『新春名作狂言の会』が開催される。
本公演では、茂山千五郎が究極の伝統として豊穣を寿ぐ祝舞「三番三」を踏み、野村萬斎は現代の息吹を宿す洋楽の独舞「MANSAIボレロ」として舞う。そして野村万作と茂山七五三、東西の人間国宝による異流共演も見逃せない演目ばかり。
「三番三 ―千歳付―」には茂山千五郎、茂山茂が出演。「翁」と共に「式三番」を構成する、能でも狂言でもない特殊な種目。囃子の異例の編成、リズム型による老体の神の祝言、祝舞で、上演自体が祭として神聖視され、舞うことを《踏む》というほど足拍子が多用される。さらに「千歳ノ舞」を加え、祝祭の開幕をより豪華に彩る。
「末広かり」には野村万作、野村裕基、茂山七五三が出演。末広がりを買って来いと命じられた太郎冠者は、言葉巧みな都の男に古傘を売りつけられて持ち帰り、主人に叱られて追い出される。そこで男に教わったように「傘をさすなる春日山」と面白く謡い舞ってみると…。東西の人間国宝が異流共演する。
「MANSAIボレロ」には野村萬斎が出演。 萬斎が独舞の形に振付け初演した作品で、「三番叟」に似て同じリズムを繰り返しながら螺旋状に上りつめていく。不動の静(死)から始まり、復活、再生が描かれ、夜明けから始まる一日や一年(四季)、一生をも十数分間に凝縮し、ドラマチックに表現している。