人生は紆余曲折、乳がん手術から30余年を本に、徳山直子さん
37歳で乳がんの手術をした四日市市笹川8丁目の徳山直子さん(69)が、それからの30余年を一冊の本「波乱の三十年 がんを生き抜く私の物語」として出版した。病気だけでなく、家族の一大事など人生は紆余曲折。「いま大変な時にいる人への応援になればうれしい」と話している。
「でも、負けへんで」。ポップの言葉が内容つかむ
10月下旬、徳山さんは四日市羽津医療センターに自著6冊を手にやってきた。ここは、徳山さんが手術をした病院で、その後の経験を生かし、地域医療を考える委員会のメンバーにもなっている。そんな縁もあって、病院の売店の本や雑誌の棚に、置かせてもらえることになった。
病院側が、本のポップをつくってくれた。「当院でがん告知、手術、その後も山あり谷あり、でも、負けへんで。前を向いて突き進むスーパーウーマンの物語、ぜひ」などと内容が紹介されていた。病院に勤める位田弥生さんは「病気の時の文章など、何度もウルウルしました」と話している。
ピンクリボン運動などで先頭に
再発の不安を抱えながら3人の子を育て、夫の事業を支えながら、医師の励ましもあって三重県乳腺患者友の会「すずらんの会」を設立、ピンクリボン運動の先頭にも立った。自宅ではリンパケアなどで体調管理をするサロン「ミュゼ・ドゥ・クオル」を開いた、
夫が倒れ、間一髪で命拾いしたことも。人生はその後も幸運と危機の連続だった。ただ、60歳代後半になって、それらを自然体で前向きに受け止められるようにもなったという。
プリント・オン・デマンドの方法で実現
当初は、出版社に勧められ、目標金額385万円のクラウドファンディングにも挑んだが、未達成に。その後、プリント・オン・デマンド出版の方法を紹介され、一般書店に大量に並ぶことは望めないが、今年になって、アマゾンなどネット通販で購入できる本として世に出すことができたという。
アマゾンでは一冊1700円。四日市羽津医療センターの売店では見本を手にすることもできる。人気が良ければ追加で置いてもらえるそうだ。