<悪いのはコーチ?子ども?>スポ少に問題児が加入⇒コーチ「帰れ!」トラブルに……!【まんが】
私の息子ジョウ(小学5年生)は幼い頃からサッカーが大好きで、地元の子どもたちが集まる少年団に加入しています。努力家で、今では地域の選抜メンバーに選ばれるほどになりました。夫は数年前から、その少年団でコーチをしています。毎年受け持つ学年が変わるのですが、今年、夫はジョウがいる学年を受け持つことになりました。強豪チームと呼ばれるほど強くはありませんが、みんな楽しみながらサッカーをやっています。しかしそこに、学校の問題児が加入してきたのです。
ナイトくんとセイヤくんは顔を見合わせて帰りの支度をし、そのまま帰宅しようとします。
ナイトくんとセイヤくんは2か月前に一緒に入団してきました。実はナイトくんとセイヤくんの噂は、以前から聞いていました。ジョウと同級生で、やんちゃな生徒のトップ1・2。先生を煽る、真面目にやらない、同級生とトラブルなど様々な問題を起こしているそう。
「ナイトのお母さんからだ」「今日のことかな? 謝罪とか?」「どうだろう」私たちはひそひそと話しながらスマホの通話ボタンを押しました。
「月謝だってお支払いしているのに、これでは詐欺ですよ?」「決められた練習時間はキッチリやっていただかないと」まくしたてるようなナイトくんのお母さんの言葉に聞いているだけでもびっくりしました。
夫はナイトくんとセイヤくんをなんとか練習させようと、この2か月頑張っていました。しかし2人は真面目にやらない、後片付けもしない、挨拶もしない……。 あれではチームの士気も下がってしまいます。もちろん、少年団に加入したばかりで何をすればいいかわからない子はたくさんいると思います。 しかし、そういった場合は保護者の方が来たりして、わが子に「ちゃんと練習をしなさい!」と怒るなどしています。しかしナイトくんとセイヤくんの保護者は、練習にも試合にも来たりはしません。 それなのに、すべてをコーチである夫に押し付けてきたのです。
クレームのせいで練習日が激減?……いいコト思いついた!
その後、なんとセイヤくんのお母さんからも電話が……。夫はナイトくんのお母さんと同じようなことを言われたようです。
私は夫と相談をして公認アシスタントマネージャーの資格を取得しました。自分の子どものためにも、チームのためにも、夫のためにも、そしてナイトくんとセイヤくんのためにも、自分ができることをしたかったのです。
2人にやる気を出してもらうのには、経験を積んでもらうのがいいのではないか。私はそう考えました。試合に参加して自分に自信がつけば、サッカーも練習も好きになってくれると思ったのです。
やりたくない、できない。2人はそんな不安を抱えているように思えました。私は2人を励ます役に徹しようと思います。
先日、夫がナイトくんとセイヤくんに「練習をしないなら帰っていい」と言ったのは、練習をさせたかったからです。しかし2人は、引き止める私の声を無視して、走って帰ってしまいました。 2人の保護者は、自分たちで子どもに注意をするつもりはなく、上手く叱ったり、やる気を出させたりするのもコーチの仕事だと言います。真剣に練習をする子たちがいる一方で、練習に参加しようともしない子を少ない人数のコーチたちでどう対応すればいいのか……。 悩んだ末、少しでもサポートできるよう、私は公認アシスタントマネージャーの資格をとったのです。 今後、2人が活躍してくれることを願っています。
ちょっとしたキッカケで問題が解消?試合でまさかの事態!
「ナイトくんもセイヤくんもすごかったね! 2人とも根性があるから、練習すればもっともっと強くなるよ!」私が声をかけると2人は無言で照れくさそうに笑っていました。試合に出るのはきっと緊張したことでしょう。それでも活躍した2人を誇らしく思いました。
「突然すみません。あの、次の試合でこのユニフォームを持ってきてほしいんです。向こうについてから着るので」先日のクレームの件があるからか、少し気まずそうな様子。「ナイトくん、すごく頑張っていますよ。この前の試合も大活躍でした」私がそう言うと、ナイトくんのお母さんの表情がほっとしたように見えました。
やる気がないように見えたけれど、きっとナイトくんもセイヤくんも「何をしたらいいかわからない」「みんなについていけない」「叱られて心が萎縮してしまう」など、いろいろな理由があったのでしょう。 「どうしてあの人はこうなのかしら。どうにかしてくれないかな」と相手のせいにしたり、キツイ言葉で相手を変えようと思うことは簡単です。 けれど、それだけではどうにもならないこともありますよね。私はみんなのために行動ができて本当に良かったと思っています。 2人が加わって、より楽しい少年団になればいいなと心から思っています。