40歳代に「職場のミッドライフ・クライシス」の兆し 上下の世代と価値観のギャップ 民間調査
スコラ・コンサルト(東京都品川区)は1月23日、社員100人以上の企業の一般職・管理職・役員を対象に実施した「組織に関するアンケート調査」の結果を公表した。チームや職場、直属の上司、仕事に対する「不満」は、40歳代が最も多いことが明らかになった。
調査は2024年10月18日~10月22日、11月14日~18日の期間に実施し、6186人(一般職3771人、管理職1600人、役員815人)から回答を得た。
40歳代、業務が集中している状況や余裕のない現環境などに不満
調査ではまず、現在の会社におけるチームの満足度について尋ねた。
その結果、「今のチームのメンバーでいることに満足している」(「そう思う」「どちらかといえばそう思う」の合計)割合は、20歳代は54.0%、30歳代は43.5%、40歳代は42.4%、50歳代は43.9%、60歳代は50.6%となり、40歳代が最も低い結果となった。40歳代と20歳代では、11.6ポイントの開きが見られた。
続いて、職場への不満を聞いたところ、上位10項目の全てで40歳代の回答が最も多くなった。特に、「一部の人に業務が集中している」(26.7%)、「社員のそれぞれの仕事が手一杯で余裕がない」(22.9%)、「仕事を怠ける、サボる社員がいる」(20.4%)に関する不満が多かった。
あらゆる面で不満がたまっている現代の40歳代
このほか、「直属の上司への不満」「現在の仕事への不満」の質問でも、やはり40歳代の不満が多い結果となった。それぞれの回答で上位を占めた回答は以下の通り。
「直属の上司への不満」で多かった回答
・「部下への仕事の配分が適切でない」(16.9%)
・「上の役職者の顔色ばかりを気にしている」(15.9%)
・「部下への教育や助言が不十分」(15.9%)
「現在の仕事への不満」で多かった回答
・「仕事の負担やストレス、プレッシャーが大きすぎる」(27.4%)
・「仕事に必要なリソース(人、モノ、金)が不足している」(26.8%)
・「仕事の進め方が非効率的すぎる」(19.8%)
調査では、40歳代が上の世代・下の世代と接して驚いたこと、困った経験を紹介している。特に、40歳代後半~60歳代に対しては、これまでのやり方や考え方を固執する姿勢や強引な押し付けで、世代間のギャップを感じていることがわかった。
これまでのやり方・考え方への固執・押し付けに寄せられた主なコメント
・自分たちが経験してきたことしかやりたがらない。新しいことを理解しようとする柔軟さがない
・「昔は~だった」などと話をするのが困る
・自分の成功体験を元に話をしたがる、強要する
・いまだに昔の通りにやっていれば成功するという思考の方が多い
・昔の基準を引き合いに出して論ずることがあり、現在の情勢と合致しないことが多い
40歳代の不満がたまっている結果について、同社は、現在の40歳代は単なる中間管理職として多くの業務負担を抱えているだけでなく、現代の日本社会特有の「価値観の多様化」という新たな課題に直面しているためと解説する。
対策としては、自分自身の価値観の再認識や積極的な対話を通じた相互理解の深化とともに、40歳代は、異なる価値観を持つメンバー間の橋渡し役となれるよう経営やマネジメントが環境や仕組みをつくり、多様性を前提としたチームワークを粘り強く構築していくことが重要であると指摘している。
調査の詳細は同社の公式リリース(PR TIMES)で確認できる。