源泉徴収票でわかる《リアル年収》旅客運送業の46歳。下がった……。生活だけで精一杯です【FPが解説】
読者から寄せられた「年収の額」を大公開。はたしてこの年代・業種で年収が多いのか少ないのか、質問内容から、改善できるポイントがあるのか、ファイナンシャルプランナーが解説します。【46歳 旅客運送業】
【年収いくら?】46歳、旅客運送業の場合
プロフィール
46歳、男性
旅客運送業
▼現状
年収:268万円
ボーナス:年間25万円
労働時間:月200時間、残業は月平均30時間
家族構成:本人のみ
【相談内容】老後にどのように備えるべき?
「旅客運送業の正社員として勤務して4年ですが、昨年より年収が下がりました。毎月の生活費で精一杯です。少しでもNISAなどの資産運用で貯蓄に回したいので、詳しく教えてほしいです」
現在の年収は平均と比べると高い?低い?
相談者さんの現在の年収は268万円。
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」における45〜49歳のサービス職業従事者の平均年収は、約433万円*です。
したがって、相談者さんの年収は平均より約170万円低い水準といえます。
*……参考:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
給与天引きによる先取り貯蓄にチャレンジしましょう
収入が低いため貯蓄に回す余裕がなく、副業などによる収入増加が厳しい場合は、給与天引きによる先取り貯蓄にチャレンジしてみてください。
先取り貯蓄とは、文字通り収入から先に貯蓄をして残ったお金で生活する方法です。
貯蓄に回すとはいえ、手元のお金がさらに少なくなるのは不安でしょう。
しばらくはお金の使い方を今より厳しくしなければならないため、大変かもしれません。
しかし、慣れてくれば着実にお金は貯まります。
むしろ精神的に楽になるでしょう。
ぜひチャレンジしてみてください。
資産運用は「長期・分散・積立」が鉄則
NISAは資産運用での収益に対する税金が免除されるため、おすすめの制度です。
投資信託は専門家が株式や債券などをコンセプトに則って運用してくれる金融商品で、個別の株式投資などと比べて低リスクといえます。
NISAにかかわらず投資信託による資産運用では相場が日々変動するため、10年以上の長期間、複数の投資信託に分散し、毎月の積立での運用が鉄則です。
例えば、毎月3,000円を6%で20年間運用した場合、139万円となることが期待できます*。
投資に回した元本は、3,000円×20年=72万円であるため、概ね2倍近くになる計算です。
一方で、投資に回す元本が同じ72万円で毎月6,000円を6%で10年間運用した場合の試算額は98万円です*。
したがって、資産運用では金額よりもできるだけ長い運用期間の確保が重要といえます。
少額から可能なので、早めのスタートがおすすめです。
*……金融庁「つみたてシミュレーター」を元に算出
同年代の年収平均は……
国税庁の「令和5年分民間給与実態調査」によると、45〜49歳の男性の平均年収は653万円*であるため、相談者さんの年収は385万円ほど低い水準となっています。
*……参考:国税庁「令和5年分民間給与実態統計調査」
まとめ
・副業などで収入増加ができない場合は、先取り貯蓄にチャレンジを。
・投資信託による資産運用では、長期、分散、積立が鉄則。
・資産運用期間を長く確保するために早いスタートがおすすめ。
※この記事では媒体で募集した情報を掲載しています。
◆松田亮太
ファイナンシャル・プランニング技能検定2級
大学卒業後、地方銀行、外資系生命保険会社を経て、現在FP事務所に勤務中。