【今週の『ONE PIECE』の話題は?】エルバフに伝わる“伝説の悪魔の実”。その正体はロキが食べた本物の「ゴムゴムの実」!? ハラルド王殺害の真相はソマーズ聖の発言がヒントか<1143話>
海賊王を目指し海へ出た主人公モンキー・D・ルフィとその仲間たちの活躍を描く、週刊少年ジャンプで連載中の漫画『ONE PIECE』(原作:尾田栄一郎氏)。
未知の島の心躍る冒険や強敵との痛快なバトルを通して仲間たちと絆を深め強く成長していく様は、まさにジャンプの三大原則「友情・努力・勝利」のど真ん中。その一方で、消された歴史や差別・奴隷制度などをめぐる世界の闇をも緻密な伏線と壮大な世界観で描き出す本作は、最終章へ突入した連載27年目の現在も怒涛の展開で読者の心を掴んで離しません。
3月24日(月)発売の週刊少年ジャンプに掲載された『ONE PIECE』第1143話“神の騎士団”では、ソマーズ聖とキリンガム聖の悪魔の実の能力が判明しました。ついに真意を語ろうとするロキと、ソマーズ聖の発言からはハラルド王殺害事件の真相が見えてくる……?本記事では、SNSでの反響とともに、最新話のポイントを振り返っていきます。
※本記事には『ONE PIECE』最新話(第1143話)のネタバレを含みます。コミックス派やアニメ派の方等、ジャンプ未読の方はご注意ください。
ソマーズ聖&キリンガム聖の能力が判明!
突如具現化した子供たちの「こわいもの」や、眠ったまま歩いていくといった異常事態はやはり神の騎士団による「ゲーム」によって引き起こされていました。そんな中で、気になるソマーズ聖とキリンガム聖の能力が判明。
ソマーズ聖は「イバイバの実」の荊人間、キリンガム聖は「幻獣種 リュウリュウの実 モデル麒麟」の夢具現人間です。
子供達に触れたことでウォルフ先生が倒れたりサウロが痛みを感じたのはソマーズ聖の能力、子供達が眠ってしまったり「こわいもの」が具現化されたりしたのはキリンガム聖の能力によるものだったということですね。
キリンガム聖の能力は、眠った相手の夢を取り出し「MMA(ムーマ)」として具現化することができるようです。今回は食事中にソマーズ聖を眠らせて塩を具現化してみせました。実際に食べることができ、その味には軍子も「おいしいっ」と明るい表情を見せていました。
とはいえ、能力によって作り出された食べ物は“夢”であるため、カロリーはないのだそう。この能力を使って現在マリージョアで問題となっている天竜人の食糧難を解決できるというわけでもないようですね。
ロキ、いい奴確定!? ソマーズ聖の発言から見えてくるのはロキのハラルド王殺害事件の真相?
一方、「鉄雷(ラグニル)」を持って立ち上がり今にも暴れ出すかと思われたロキでしたが、ルフィの手加減した攻撃であっさり倒れてしまいました。ゾロの鋭い洞察が当たっており、実はロキは本当に死にかけていたのです。
積年の恨みを抱えるハイルディンは辛抱ならずそんなロキに振りかぶろうとしますが、そこでロキが真意を語ろうと口を開きます。「まさかお前まで おれが本当に殺意をもって親父を殺したなんて…思ってねェよな」と。
その口ぶりから察するに、これまでネット上で考察されてきた通りロキが父・ハラルド王を殺害したというのは濡れ衣であるか、致し方のない理由があってのことだったようです。ここへ来て、多くの読者が予想してきたようにロキは実はいい奴であるという可能性が格段にアップ。ルフィも倒れたロキの古代巨人族の名残であるツノに腰掛けるほどに警戒を弱めていましたね。
ここで気になるのが、ソマーズ聖の発言。“愛”とは近づく程に見える“棘”をも抱きしめるパッション」だとしたうえで、「親子でやると最高なんだぜ!?このゲーム!!」「子は最も見たくねェ親の死を目の前で見て泣き叫ぶのさ!!」「殺しには感動があるっ!!!」と心の痛む内容を嬉々として話します。さすが天竜人と思わずにはいられない人の心のなさ……。
前話でもソマーズ聖は「“愛”とは傷つけ合うもの」と何やら意味深なことを言っていましたが、これは彼の歪んだ嗜好を表していたよう。ルフィはじめ、麦わらの一味が最も嫌うであろう鬼畜っぷりです。SNSでは、自身を“愛の伝道師”と語るギャバンと対峙して「本物の愛とはなんたるかをソマーズ聖に見せつけてやってほしい」という声もありました。
そんなソマーズ聖、上記のように語るからには実際に親子がこうして苦しむ姿をみて楽しんだことがあるはず。それが、かつてのロキとハラルド王だったのではないでしょうか。
ソマーズ聖の荊にかかったロキを抱きしめてハラルド王が死んでいったのであれば、ロキがやったというと罪をなすりつけることもできるでしょう。自身の力ではどうしようもなかったロキが「おれが本当に殺意をもって親父を殺したなんて…」と零すのも頷けます。これからロキが何を語るのか、注目ですね。
エルバフの王家に伝わる“伝説の悪魔の実”って…ロキが本物の「ゴムゴムの実」の能力者である可能性が浮上
また、今回ロキの「鉄雷(ラグニル)」には触れると感電してしまうほどの電気が通っていることが判明しました。もちろん、ゴムの性質を持つルフィはへっちゃらでしたが、ロキ自身の体は感電していないのでしょうか?
ネット上では二つの説が観測されています。
一つ、「しっかり感電しているがロキが痩せ我慢して耐えている」という説。ここまで死にかけながらも意識を保ち、立ち上がって武器を手にとるほどに強靭な巨体を誇るロキなので、全くあり得ない話でもないかもしれません。
二つ、「絶縁体になりうる悪魔の実の能力者」という説。他の巨人達は触れられないのに、バリバリと雷のような音を放っている「鉄雷(ラグニル)」を持てる。ということは、ルフィのゴムのように、ロキが絶縁体の要素を持つ悪魔の実の能力者である可能性が高いといえます。ゴムの他の絶縁体は、ガラス・プラスチック・セラミック・紙・木材など。エルバフは「宝樹アダム」の国なので木材に関わる能力でも面白いですね。
しかし、ロキは「エルバフの王家に伝わる“伝説の悪魔の実”が欲しくてハラルドを殺しその実を食べた」と言われています。
父殺害についての事実は捻じ曲げられているとしても、この“伝説の悪魔の実”は実際にロキが食べたのだとしたら……。その実こそが、「ヒトヒトの実 モデルニカ」を隠すためのものでもなく、古い「悪魔の実図鑑」にも載っていないという本物の「ゴムゴムの実」なのではないでしょうか。
「太陽の神ニカ」が伝承される国に本物の「ゴムゴムの実」があったとしたらロマンがありますよね。ルフィとロキの共闘にますます期待が高まります。
[文/まりも]