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なぜ続く? 訪問ヘルパーの人手不足

文化放送

ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、9月2日の放送で「介護問題」についてジャーナリストの二木啓孝が解説した。団塊世代が75歳以上となる2025年を前に、介護の担い手不足やサービスの低下が不安視されている。

二木啓孝「うちの母親の介護を2年半ぐらい、『要介護4』で、くたくたになりながらやっていて。介護問題の矛盾がだんだん見えてくる、というようなことで。10個の家族があれば10の介護のパターンがあって、一律に言えないんです。長野さんに介護経験は?」

長野智子「私は夫の両親と自分の母とで。自分の母に関しては在宅介護で、ワンオペで見送りました。看取りました。私はいい人に当たったというのもあるでしょうけど、感謝しかない。介護保険もありがたい、ありがたい、と思いました」

二木「いまの介護保険制度って2000年にスタートしているから24年経っているわけです。私は健康保険と同じぐらい画期的なことだった、と思うんですね。家庭で見ていた家族の介護を『国が面倒見ます、だから介護保険料を払ってくれれば国がサポートします』ということで、ある意味で非常にいい制度なんです。ところがだいたい3年に1回ずつ改正を繰り返すと、ものすごく複雑になって。私のイメージだと田舎の温泉旅館が廊下を継ぎ足し、継ぎ足しして。自分の部屋とお風呂がわからなくなるでしょう。ああいう状態で」

長野「迷子になってしまってね」

二木「私も説明しながら、きっちりとはわかっていないというぐらい複雑です。その中で2000年は『今後は介護保険料を払ってくれれば国が面倒見ますよ』というシステムをつくったのが、だんだん『やっぱり家族で見てくださいね』に変わってきている」

長野「はい」

二木「なんでそうなったかというと。政府は、介護給付費がどんどん膨らんでいます、と。今年8月末に厚生労働省が発表したのは、全体で10兆5100億円になってどんどん膨らむ、ゆくゆくは財政的に負担があるから、皆さんに『できるところは、やってね』と動いている。というと介護保険で国は大変な赤字だ、と思うでしょう。じつは24年間、黒字なんです」

長野「え? どういうですか?」

二木「将来を見越して自分たちは見ないよ、ということで黒字です。ちゃんと統計上で出ています。赤字ならいいけど、そうじゃない」

訪問ヘルパーの人手不足についてはこう語った。

二木「じつは介護保険のシステムというのは3年ごとに介護の人の給与を決めているんですね。決めている中で、介護保険がまかなえないということで、介護保険の人たちの給与がほぼ20年間、上がっていない。一般的な訪問介護の人だけをとると前職種の一般給与に比べて月額6万円も低い。介護ヘルパーの求人を募集したときの有効求人倍率は15.5。安いんだもの」

長野「若い人がほぼ来ないから60~70代の方なんですよね」

二木「私の知り合いは70代で元気にしているけど、そろそろ介護する人と同じ年代になってしまう」

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