あの震災のとき小1だった…大学生の防災サークル「いざというとき先導できる人に」
東日本大震災から14年。
これまでの災害を教訓に地域や大切な人を守ろうと奮闘する若者たちに注目しました。
【特集】“じぶんごと”防災
春休み中の大学生。
みんなで食べる昼ごはんは、缶詰です。
2023年に発足した札幌学院大学の防災サークル。
AEDの使い方を学んだり、大学の周りの避難地図を作ったり。
『もしも』に備えた活動を行っています。
胆振東部地震での経験から、備蓄の大切さに気付いたと話すメンバーたち。
サークル長の平間颯希さん(3年)は「誰か1人が災害の知識を分かっていれば、周りの人を誘導・先導して、不測の事態に対応することができると思う」と話し、リーダー的な役割を担える人を増やしていくことを目標にしています。
メンバーは11人。
イベントを控え、避難所での健康な過ごし方の実演をする準備で大忙しです。
メンバーの1人、3年生の山田優作さんが防災に関心を持った原点は、14年前の東日本大震災でした。
救助の様子から目が離せなかった
東日本大震災が起きた当時、小学1年生だった山田さん。
テレビで流れた被災地での救助の様子から目が離せませんでした。
「かっこいいなと思った。ヘリで家の屋根に立っている人を助けたり、ヘリコプターでつり上げるホイスト救助を行っていたのが魅力的だった」
『災害現場で多くの人を助けたい』
その思いは中学の修学旅行で宮城県南三陸町を訪れたことで、一層強くなりました。
いまは地域の消防団でも活動し、将来は大規模災害に対応する東京消防庁のハイパーレスキューを目指しています。
「首都直下地震が懸念されているので、たくさんの命を救うことができると考え、東京消防庁を希望している。知識も体力も精神も毎日精進していきたい。いろんな人、年齢問わず困っている人を助けたい」
防災サークル顧問で札幌学院大学の菊池浩光教授は「災害が起きたときに若い人の力は大事。常に防災意識を高く強く持っている人が周囲の気持ちを強く呼び起こしていけるような、そういったサークルが必要だと思っている」と話していました。
大学生たちの強い想いが災害から誰かの命を守ることにつながっていきます。
【特集】“じぶんごと”防災
文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい
※掲載の内容は取材時(2025年3月14日)の情報に基づきます。