玄界灘に浮かぶ「姫島」で、釣りと自然と猫ざんまいのひととき【福岡県糸島市】
キャンプに代表されるアウトドアブームの中、ここ数年で一気に増えた釣り人口。みなさんの周りにも釣り好きな人は多いのではないでしょうか?このコーナーでは福岡市内から気軽に行ける、フクリパおすすめの釣りスポットをご紹介します。あなたも福岡の海や川や池で大物をゲットしてみませんか?
姫島へのアクセス
今回ご紹介する「姫島」は糸島半島の西、玄界灘に浮かぶ周囲3.8kmの小さな島です。
島には約140人が暮らしており、島民の方の多くは漁業に携わっているそうです。
住所としては「福岡県糸島市」に属しています。
姫島へは糸島市の岐志漁港から渡船「ひめしま」に乗船して行くことができます。まずは岐志漁港を目指しましょう。
福岡市方面より西九州自動車道「前原IC」を下車して糸島市内に入り、県道54号線を観光名所としても有名な「芥屋大門」方面に進みます。
すると左手に真っ赤な「岐志のカキの看板」が出現します。
看板に案内されながらそのまま進んでいくと、牡蠣小屋の手前左手に無料駐車場があります。
駐車場に車を停めます。海側すぐのところが乗船場所となります。
船は1日4往復となっており、所要時間はたったの16分ほどで姫島に到着します。
こちらが渡船「ひめしま」。桟橋はチェーンがかけられていますが、乗船時間が近づくとチェーンが解かれ、乗船することができます。おおよそ出航時間の20分前には付近にいることをおすすめします。
乗船場所の近くには「岐志観光休憩所」があり、船の待合所として利用できます。トイレや喫煙所もありますよ。
休憩所では毎週木曜日と日曜日に「渡船直売所」として地元産の野菜や果物、魚介類などが販売されています。
さて、乗船時間がやってきました。船体には糸島市の市章が記されています。
チケットは船内で購入するスタイルになっています。
こちらが船内。
ベロアのシートはゴージャス感があります。テレビも設置されていますよ。
こちらが乗船チケット。片道大人470円(小人240円)です。
往復でも1,000円かかりません。なんとも良心的な金額です。
船に乗って玄界灘へと出航!
しかし優雅な船旅を楽しむ間もなく、ほんの16分ほどで姫島に到着。めちゃくちゃ早いです。
姫島の釣りスポットはおもに2箇所
それでは再度姫島の全景を見てみましょう。
姫島の釣りスポットは主に南側の二手に伸びる堤防になります。
まずは、船の発着場のそばにある東側の堤防をチェック。船を降りてそのまま歩いて行けますよ。
堤防を歩きながら足元を見ると、美しいターコイズブルーの海が広がっています。
ご覧ください、この透明度。以前、玄界島に行った時も思いましたが、玄界灘は本当に海が綺麗なのです。海底はもちろん、泳いでいる魚の姿までバッチリ見えます。
堤防には姫島の子供たちが描いた可愛らしいアートが。
堤防の突端部分は消波ブロックになっています。危険なのでライフジャケットの着用が必須です。また、ルールやマナーを守って釣りを楽しむようにしましょう。
ちなみに、東側の堤防の6kmほど先には糸島有数の景勝地「芥屋の大門」があります。
芥屋の大門は陸地からは見ることができず、観光船に乗って海側からしか見ることができないのですが、この姫島からはその荒々しい姿が一望できるんです。
東側の堤防の袂には広場があり、休憩できる東屋もあります。
姫島のメインストリートを歩いて西側の堤防を目指します。
漁港をぐるっと回り込むように歩くと、西側の堤防が現れます。
この堤防は東側堤防の突端部分に突き出るように伸びており、両堤防の間を船舶が往来しています。釣りの際、船には十分注意しましょう。
こちらの堤防の突端も消波ブロックになっており、なかなかの水深があります。くれぐれもご注意を!
この日は平日でしたが釣り人もちらほら見られました。
みなさんゆったりと釣りを楽しんでいるのが印象的でした。
ターコイズブルーの海に釣り人が撒き餌をまくと、小さい魚の大群が集まってきました。この魚はスズメダイ。福岡近郊では「アブッテカモ」という名で呼ばれており、郷土料理として古くから博多の人々に親しまれてきた魚なんだそうですよ。
姫島で釣れる魚
チヌ(黒鯛)、クロ(メジナ)、シーバス、サヨリ、アジ、サワラなど。また、アラカブ、メバルなどの根魚からアオリイカも釣れるようです。
姫島には見どころも満載!
帰りの船まで時間があるので、島を散策してみることに。漁港のそばに鳥居を発見。ちょっと気になったので行ってみることにします。
民家のある細い路地を進んでいくと、「姫島神社」が現れました。
ここは延宝年間(1673~1680年)に、生島天神と須賀大神の二柱を合祀し、豊玉姫命(とよたまひめのみこと)、鵜茅不合葺命(うがやふきあえずのみこと)、生島大神(いくしまおおかみ)、素盞鳴命(すさのおのみこと)、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)、稲田姫命(くしなだひめのみこと)を祀っているそうです。
ちなみに、姫島の女性には「難産がない」と伝えられています。島の北部には豊玉姫命が生まれたとされる「産の穴」という場所があり、「安産の神様」として崇められていて、パワースポットにもなっているんだそうですよ。
出典:https://www.crossroadfukuoka.jp/spot/14913
姫島神社を後にし、さらに入り組んだ路地を歩いていると矢印を見つけました。促されるように歩いてみます。
こちらは「野村望東尼御堂」。姫島は、高杉晋作ら勤王の志士を影で支えた幕末の女流歌人、尼僧「野村望東尼」の流刑地として知られており、勤王志士たちを隠匿した罪で、福岡藩に命じられ60歳の身で孫の野村助作と共に自宅に幽閉され、その後姫島の地に約1年間幽閉されました。その時の獄舎が復元され、御堂として祭られています。
側には波乱の生涯を偲ぶ顕彰碑も建っていました。
出典:https://www.crossroadfukuoka.jp/spot/13914
さらに島の西側を歩いて行くと・・・
姫島小学校と志摩中学校の姫島分校がありました。木造の学校としては珍しい外観をしており、木のぬくもりを感じる校舎の中には、島を支える漁業への愛情が感じられる「定置網のミニチュア模型」も展示されています。
島の交流と文化の中心にもなっており、島民の運動会もここで開催されるそうですよ!
出典:https://www.crossroadfukuoka.jp/spot/15671
学校を過ぎ、さらに島の西側を北へと歩いていきます。
ちなみに姫島にはイノシシが生息しているらしく、この道のそばにはイノシシ用の罠もありました!(驚)
途中で道が途切れており、その先には断崖絶壁と「龍瀬」と名付けられた岩がありました。
その他にも、島の様々な場所で自然が創り出したアートを楽しむことができます。
さらに、海のはるか彼方には「小呂島」の姿を眺めることもできます。
小呂島は姫島の30km北にある島。ちなみに住所は「福岡市西区」に属するんだそうです。(しかし、実は福岡市よりも長崎県の壱岐の方が距離的には近いんです!)
「猫の島」としても有名な姫島
また、姫島は猫が多く住む島としても知られており、猫好きな人も多く訪れているそう。確かに、島の至るところで猫の姿を見かけます。
ここにも猫、あそこにも猫。本当にいろんな所に猫がいます。
また、漁港のそばには「シーガルショップ姫島」というお店があります。
ここは島唯一のコンビニとなっており、食料品や日用品などが購入できます。
店内には姫島コーナーがあり、こちらでお土産を購入しました。
購入したのは「にゃんずクッキー」。島のシンボルである猫をはじめ、魚などを象った3種類のクッキーが入っており、お値段は540円。
シーガルショップ姫島でしか販売していないそうなので、姫島に行かれた際にはぜひ買ってみてくださいね。
ということで今回は玄界灘に浮かぶ「姫島」のご紹介でした。
姫島は釣りだけではなく、散策するのにも最適な島。船でわずか16分ほどと気軽に行けるところも魅力です。
しかも島内で聞こえる音は、鳥のさえずりや風の音、そして潮騒のみ。都会の喧騒を忘れてショートトリップしてみてはいかがでしょうか。
最後に、姫島で釣りをする時の注意点です。
■島内には釣具屋さんや釣りエサを購入する場所はありません。事前に準備していきましょう。
■ルールやマナーを守り、島民や漁業関係者のご迷惑にならないよう配慮しましょう。
■お弁当や食料などは乗船前に購入しておきましょう。また、ゴミは必ず持ち帰りましょう。
■船は1日4便しかありません。天候や時間に注意しておきましょう。
参考サイト
https://kanko-itoshima.jp/spot/himeshima/
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