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犬がマダニに刺されるとあらわれる症状4つ 飼い主が知っておくべき適切な対処法を解説

わんちゃんホンポ

犬がマダニに刺されるとあらわれる症状

マダニは、約3mm程度の小さな寄生虫ですが、犬の体に付くと様々な悪影響を及ぼすことがあります。

そこで今回は、犬がマダニに刺されるとあらわれる症状について解説します。愛犬のいざというときのために、必ず確認しておきましょう。

1.発赤や腫れ

マダニが犬など動物の体に寄生するとき、尖った口器を皮膚に突き刺します。その際、麻酔様物質が分泌されるので、刺される痛みを感じることはほとんどなく、刺されたり吸血されたりしているときに犬が気がつくことはあまりありません。

マダニは吸血するとき長い時間かけておこなうため、口器が抜けてしまわないようにセメントのような物質を出して皮膚に口器を固定します。そうすることで、犬が動き回ったとしてもマダニも落ちることなく寄生し続けられるのです。

このようなことから、マダニに刺された部分は赤くなったり腫れたりすることがあります。

2.皮膚炎・かゆみ

マダニに刺されたときは痛みを感じることが少ないとしましたが、吸血後などには皮膚が炎症を起こして腫れやかゆみが生じることがあります。

マダニの唾液や固定のために出す物質によって、アレルギー反応を起こしてしまうのです。

また、そのかゆみや不快感から、犬が自分で皮膚を掻きむしってしまい、出血したり雑菌が入って炎症がひどくなったりする可能性もあります。

犬が皮膚をかゆがっている様子が見られたら、その部位を確認したうえで早めの対処をおこないましょう。

3.貧血

マダニは吸血性の寄生虫で、長い時間動物の体について血を吸い続けます。元々は約3mm程度の小さな体ですが、吸血後はパンパンに膨らんで1cm以上になることもあり、目視で簡単に確認できるようになります。

そのため、マダニが長期間駆除されなかったり、大量のマダニに寄生されたりすると、一時的に貧血状態に陥ってしまうこともあります。

4.感染症

マダニの恐ろしいところは、ただ皮膚に炎症を起こしたり吸血したりすることではなく、様々な感染症を媒介する役割を持っていることです。

マダニによって媒介される感染症はいくつもあり、特に「バベシア症」には注意が必要だと考えられています。

「バベシア症」は、犬の血液中に原虫が入り込んで赤血球を破壊しながら増殖する病気です。発熱や食欲不振などの初期症状から始まり、重度の貧血や脾臓の腫大、肝臓や腎臓の機能障害などを引き起こすとされています。

そのほかにも、「Q熱」や「ライム病」「日本紅斑熱」「SFTS(重症熱性血小板減少症)」「ダニ媒介性脳炎」といった感染症を媒介する可能性があります。

吸血開始から48時間が経過すると感染の可能性が高くなるといわれているため、マダニがついていることがわかったらすぐに除去しなければなりません。

犬がマダニに刺されたときの適切な対処法

愛犬にマダニがついていることに気がついたとき、びっくりしてすぐに取ろうとする飼い主さんは少なくありません。

しかし、マダニの体を持ってそのまま引っ張って取るのは、適切ではない対処法です。

マダニは口器が抜けないように皮膚に固定させているため、簡単には抜けません。無理やり引っ張ると、頭部分だけが皮膚に残ってしまったり、犬の皮膚が裂けてしまったりする危険性があります。

また、体をつかむと犬の血中にマダニの体液が逆流してしまい、感染症の確立を高める恐れもあります。

マダニを取り除くためには、専用ピンセットなどを使って頭の部分(口器)ごと引き抜かなければなりません。大量についていて1匹ずつ取り除けない場合は、駆除薬や薬用シャンプーを使用する場合もあります。

自分での除去がむずかしいと感じた場合は、すぐに動物病院に行き、獣医師に適切に対処してもらうといいでしょう。

まとめ

今回は、犬がマダニに刺されるとあらわれる症状について解説しました。

マダニは山や森のような自然豊かな場所だけでなく、都会のちょっとした草むらにも潜んでいます。そのため、どこで暮らしている犬であっても、マダニに刺される可能性があるということを覚えておきましょう。

さらに、愛犬の体をこまめにチェックしたり、予防対策をしたりして、日頃からマダニによる被害を防ぐように意識しておいてください。


(獣医師監修:寺脇寛子)

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