東海大学時代からBリーグでも新人ベストファイブ! 4人目の日本人NBAプレイヤー、河村勇輝の驚異的経歴! 〈全3回の第2回〉【バスケ】
メンフィス・グリズリーズ河村勇輝! NBA選手になるまでの軌跡!
2024‐25シーズン、メンフィス・グリズリーズとツーウェイ契約を結び、田臥勇太(現宇都宮ブレックス)、渡邊雄太(現千葉ジェッツ)、八村塁(現ロサンゼルス・レイカーズ)に次ぐ日本人4人目のNBAプレイヤーとなった河村勇輝選手。172センチと日本人としても平均的な身長ながら、クイックネスとパスセンスで本場アメリカのファンを魅了する河村選手ですが、昨シーズンまでは日本のBリーグ、横浜ビー・コルセアーズでプレーしていました。今回は、そんな河村選手がNBAにたどり着くまでの軌跡をご紹介します。
【全3回の第2回】
高校在学中に三遠ネオフェニックスで特別指定選手としてプレーした河村勇輝選手は、高校卒業後、大学バスケ界の名門・東海大学へと進学します。しかし、時を同じくして世界中を襲ったコロナ禍によりリーグ戦が中止に。それでも12月に行われたインカレでは主力としてチームの優勝に貢献し、1年生ながら6本の3ポイントを決め大会3ポイント王にも輝きます。
また、前シーズンに続きこの年も特別指定選手としてBリーグでプレー。河村選手が所属したのは後にプロ契約を結ぶ横浜ビー・コルセアーズでした。2020‐21シーズンは16試合に出場し、平均6.0得点、2.3リバウンド、3.4アシストをマーク。同シーズンのBリーグ新人賞ベストファイブにも選出されています。
大学2年になると、東海大でも完全にスターターの座を手中に収め、リーグ戦では優秀選手賞とアシスト王、さらにインカレでは準優勝&アシスト王に輝くなど大学バスケ界でもその名を轟かせ始めた河村選手。2021‐22シーズンも3シーズン連続で特別指定選手としてBリーグでプレーすることになりますが、ここで河村選手は大きな決断を下します。
それが、東海大学の中退です。大学で2年間プレー経験を積んだ河村選手は、卒業を待たずに横浜との特別指定選手契約をシーズン終了まで延長。同時に2022‐23シーズンのプロ契約締結も発表しました。
大学を中退し、2021‐22シーズンを最後まで特別指定選手としてプレーした河村選手は同年、32試合に出場して1試合平均10.0得点、7.5アシストを記録。得点力だけでなくポイントガードとしての視野の広さに磨きがかかり、プレーの幅がさらに広がります。
そして迎えたプロ1シーズン目。ここで河村選手はBリーグの歴史に残る驚異的な活躍を見せます。リーグ戦52試合に出場(先発50試合)して、平均19.5得点、8.5アシスト、3.4リバウンドを記録。さらに、それまでB1で地区下位に沈んでいたチームを中地区2位に押し上げ、グラブ史上初となるチャンピオンシップ出場に導きました。
このシーズン、河村選手は実質「新人」ながらアシスト王を獲得。さらに新人王とMVPをBリーグ史上初めて同時受賞し、ベストファイブにも選出。一躍、リーグを代表するプレイヤーへと成長しました。
大学を中退し、プロ入りの道を選択した河村選手ですが、プロ1年目からいきなり歴史に残る偉業を達成し、日本代表にも定着。シーズン終了後に行われたワールドカップでは日本代表の一員として、48年ぶりに自力での五輪出場権獲得にも大きく貢献しました。
そして迎えた2023‐24シーズン。河村選手はNBA挑戦前のラストシーズンを迎えることになります。
【第3回へ続く】
文・花田雪