利用が増える夏休みやお盆 新幹線の利用者は注意 暑さで遅れや運転見合わせの可能性
■気温上昇で脱線の危険 JR東海が理解求める投稿
連日厳しい暑さが続いている。熱中症をはじめとする体調管理に注意が呼びかけられる中、新幹線も暑さが原因で遅れや運転見合わせの可能性があるという。JR東海が理由を説明し、理解を求めている。
学生は夏休みに入り、社会人も間もなくお盆休みに入る。旅行や帰省で新幹線の利用者が増える時期を迎え、東海道新幹線を運行するJR東海は暑さによってダイヤが乱れる可能性を広報している。東海道新幹線の運行情報を伝えるJR東海の公式Xには、次の内容が投稿された。
「夏の強い日差しは気温だけでなく新幹線のレール温度も上昇させます。晴天であるが故に、遅れや運転見合わせとなる場合があることを簡単にご紹介いたします。お客さまに安全にご利用いただくため、ご理解くださると幸いです」
投稿では、新幹線のレールは金属のため、温度が高くなるとゆがみによる脱線の可能性があると説明している。そのため、気温が上昇するとレールの温度も確認し、状況によっては日が陰ったり、温度が下がったりするまで長時間運転を見合わせる場合があるという。
■暑さでレールにゆがみ 九州や四国では電車の運行に影響
新幹線に限らず、鉄道のレールは一般的に金属製で、熱によって膨張してゆがんでしまう。ゆがみが想定以上に大きくなると脱線を引き起こすリスクがある。実際、8月1日にはJR鹿児島線でレールのゆがみによって一時運転見合わせとなった。
JR鹿児島線を運行するJR九州によると、1日の午後3時前に熊本県の小川駅と有佐駅を走行中の下り電車で運転士が横揺れを感じた。後続の電車が速度を落として同じ場所を確認すると、レールのゆがみが見つかったという。レールの温度上昇が原因とみられている。この影響で宇土と八代間は一時運転見合わせとなった。
7月21日には愛媛県と香川県を結ぶJR予讃線で暑さの影響とみられるレールのゆがみが確認された。JR四国によると、21日の午後1時過ぎ、愛媛県大洲市の伊予大洲駅でレールの温度が規制値の60℃を超えた。この日、大洲市は午後2時過ぎに気温36.2℃を観測している。
今年の夏も全国的に危険な暑さが続いている。8月は台風やゲリラ豪雨の影響によるダイヤの乱れも起きやすいが、気温上昇による遅れや運転見合わせも頭に入れておきたい。
(SHIZUOKA Life編集部)