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『毛沢東の驚きの私生活』風呂嫌い、タバコ1日60本、20年同じパジャマ

草の実堂

写真②毛沢東とタバコ

毛沢東の私生活

画像 : 毛主席語録に掲載された毛沢東のポートレイト、1955年 public domain

毛沢東は、生涯で4人の正式な妻を持ったとされる。

最初の妻・羅一秀(ら・いっしゅう)は早くに亡くなり、二番目の妻・楊開慧(よう・かいけい)との間には3人の子をもうけた。
三番目の妻・賀子珍(が・しちん)とは長征中に離別し、最後の妻となったのが、文化大革命で中心的な役割を担った江青(こう・せい)である。

毛の私生活は、特に夜の生活については非常に奔放だったことが知られている。子どもは公式には10人いたとされるが、その正確な人数については不明瞭で、異母兄弟・姉妹の存在を含めて諸説がある。

このような毛の私生活に関する多くの詳細は、彼の主治医であった李志綏(り・しすい)が著した回想録『毛沢東の私生活(The Private Life of Chairman Mao)』に記されている。

李志綏はこの中で、毛の身体的な状態から夜の生活に至るまで、具体的かつ詳細に言及しており、同書は後年、世界各国で大きな反響を呼んだ。

毛は極度の病院嫌い・検査嫌いとしても知られ、医師による診察や検査を「時間の無駄」とみなしていたという。

李医師による検査

主治医だった李志綏は、病院嫌いの毛沢東の意思を尊重しながらも、彼の健康状態を維持すべく様々な工夫を凝らす必要があった。

毛は衛生習慣にも無頓着で、特に風呂を嫌い、入浴の代替として侍者が熱いタオルで身体を拭く程度であった。

歯磨きも「無意味」として口腔内は不潔な状態にあり、晩年には多数の歯が抜け落ちていたという。

また李志綏は、毛沢東の主治医として前立腺の検査も行っていた。

彼の著書によれば、毛は重度の包茎であり、さらに左側の睾丸が陰嚢内に下りていない潜在精巣(腹腔内停留精巣)の状態にあったという。この状態は直ちに夜の生活に支障を来すわけではないが、精巣腫瘍のリスクが高まるとされるため、李医師は医学的な警戒を抱いていた。

これらの記述は、政治指導者の私的領域としては異例の具体性を持ち、出版当時、大きな注目と議論を呼んだ。

毛沢東のパジャマ

画像 : パジャマ イメージ

毛沢東の死後、遺品の中から20枚以上のパジャマが残されていたことが確認された。

これらのパジャマはいずれもツギハギだらけで、なかには73か所以上も継ぎ当てが施されたものもあった。あまりに補修が多いため、もはやどこが元の布地であったのか識別が難しいほどであった。

このエピソードは、毛沢東が質素を旨とする「節約家」であった証左として紹介され、後にそのパジャマの一部は展示館に収蔵された。しかしながら、この話には別の側面も存在する。

実は、パジャマの修繕には相当な手間と費用がかけられていた。
ツギハギ用の布地は選び抜かれた高品質のものであり、服飾工場で専用に加工されたうえで、上海の専門工場に送られ、丁寧に縫製されていたという。

つまり、新品を購入するよりも手間も費用もかかっていたのである。これでは本末転倒と言わざるを得ない。

さらに、毛沢東はこのパジャマを約20年もの長きにわたって着続けていた。洗濯係のスタッフたちは、あまりに傷んだ状態に業を煮やし、新しいパジャマへの交換を願い出て、ようやく引退が決まったという。

この逸話は、質素倹約の精神を象徴するエピソードとしてしばしば語られるが、実際には「権力者による執着」や「見せかけの節約」の一例であった可能性もある。

毛沢東を神格化する一部の支持者たちは、それでもこのパジャマを、彼の朴訥で素朴な一面の象徴として捉えているが、冷静に見ればむしろ過剰な演出と解釈すべき側面もあるだろう。

毛沢東はヘビースモーカー

画像 : 毛沢東とタバコ public domain

毛沢東は、筋金入りのヘビースモーカーとして知られている。

彼が喫煙を始めたのは18歳の頃であり、以後81歳で亡くなる直前まで、約63年間タバコを吸い続けた。

死の2年前にようやく喫煙を止めたが、それまでは1日あたり50本から60本という大量のタバコを消費していたという。
タバコを片手に持つ姿は、もはや彼の代名詞ともいえるものであった。

こうした背景もあり、中国のネット上では「タバコを吸う100の理由」といった皮肉めいたジョークが語られている。

そこでは「毛沢東は酒を飲まなかったがタバコを吸い、83歳(数え年)まで生きた。鄧小平は酒もタバコも嗜んだが93歳まで生きた。だが、隣のおばさんはタバコも酒もやらなかったのに、60歳でがんにかかって亡くなった」とされ、喫煙と寿命に因果関係はないという趣旨の風刺がなされている。

また、1968年には毛沢東の健康を懸念した関係者の主導により、通常のタバコに含まれる有害成分を抑えた特製のタバコが開発された。しかしこのタバコは、あくまでも毛沢東専用として製造されたものであり、一般に流通することはなかったとされている。

喫煙は毛沢東の私生活の一部に深く根差しており、その姿勢は生涯ほとんど変わることがなかった。

このように毛沢東の私生活は、その政治的影響力と同様に強烈な逸話が多く、彼の人格や価値観の一端を垣間見る貴重な資料ともなっている。

参考 : 李志綏『毛沢東の私生活(The Private Life of Chairman Mao)』他
文 / 草の実堂編集部

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