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猫の『お口がクサイ』ときに考えられる原因・病気5選 対処法も解説

ねこちゃんホンポ

猫の「お口がクサイ」ときの原因5選

1.歯周病

歯周病は、猫の歯と歯茎の間に細菌が繁殖し、炎症を引き起こす病気です。初期段階では、歯茎が赤く腫れ、出血することがあります。

この段階では、猫はあまり症状を出さないことが多く、飼い主が気づかないことも多いので注意が必要です。進行すると、歯周ポケットが深くなって、歯がぐらつくようになります。

さらに進行すると、歯が抜け落ちることもあるようです。猫は食事を取る際に痛みを感じるようになり、食欲が低下することがあります。

また、口臭が強くなり、口の中に膿が見られることもあります。定期的な歯のケアや獣医師によるチェックが重要です。

2.口内炎

口内炎は、猫の口腔内の粘膜が炎症を起こす病気で、特に歯肉や舌に影響を与えます。

初期の症状としては、口の中が赤く腫れ、猫が食べ物を食べる際に痛みを感じることがあります。痛みが強くなると猫は食事を避けるようになり、体重が減少してしまうので気を付けなければなりません。

進行すると、口内の潰瘍が形成され、出血や膿が見られることがあります。また、口臭が強くなることも特徴です。

慢性的な口内炎は、免疫系の異常やウイルス感染が原因となることもあり、獣医師による診断と適切な治療が必要になります。

多くの場合、猫の慢性口内炎は難治性ですが、早期発見と治療によって症状を軽減できます。定期的なお口のチェックが猫の健康を守るために非常に重要です。

3.消化器系の病気

消化器系の病気は、猫の口臭の原因としてよく見られます。主に、胃炎、腸炎、膵炎などが猫の口臭を悪化させる病気のようです。

これらの病気は、消化不良や腸内細菌のバランスの崩れを引き起こし、食べ物が適切に消化されないことから、口臭が発生します。

症状としては、嘔吐、下痢、食欲不振、体重減少などが見られます。特に下痢や嘔吐が続く場合は、すぐに動物病院へ連れていきましょう。

初期段階で軽度の不調が見られることが多いですが、放置すると脱水症状や栄養失調を引き起こし、重篤な状態に至ることがあります。定期的な健康診断や、異常を感じた際にはすぐに獣医師に相談することが大切です。

4.糖尿病・肝臓病・腎臓病

糖尿病は、インスリンの分泌不足や作用不全によって血糖値が高くなる病気です。猫の糖尿病の主な症状には、飲水量の増加、多尿、体重減少、食欲の変化などがあります。進行すると、糖尿病性ケトアシドーシスという重篤な状態に陥ることもあります。

肝臓病は、肝臓の機能が低下することで、体内の毒素が適切に処理されなくなり、口臭が強くなることがあります。肝臓病は、初期ではほとんど症状が現れませんが、進行すると黄疸、食欲不振、嘔吐、下痢、元気がないなどの症状を示す様になります。悪化すると肝不全に至り、命に関わることもあります。

腎臓病は悪化すると口腔粘膜や消化器粘膜がダメージを受け、口臭が強くなることがあります。

腎臓病では、飲水量の増加、多尿、尿の色が薄くなる、元気食欲の低下、体重減少などの症状が見られます。

いずれの病気も早期発見が重要で、定期的な健康チェックや異常を感じた際にはすぐに獣医師に相談するようにしましょう。

5.食べかす

猫の口臭が強くなる原因の一つに、ご飯やおやつの食べかすが挙げられます。食べかすが口の中で細菌の繁殖を促し、悪臭を放つ原因となります。

口内で繁殖した細菌は、食べかすを分解する過程で、揮発性の硫化物やその他の不快な臭いを発生させます。また、猫は自身で歯磨きをする習慣がないため口腔内に歯垢や歯石が蓄積しやすく、これも口臭の原因となるようです。

特に、歯周病や口内炎などの口腔疾患がある場合、食べかすによって炎症が悪化し、さらに強い口臭を引き起こすことがあります。

食べかすが残ることで、口腔内の環境が悪化し、健康にも影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。

猫の「お口がクサイ」ときはどうしたらいい?

猫の口が臭いと感じた場合、まずはその原因を特定することが重要です。

食べかすや歯垢が原因であれば、定期的な歯磨きが効果的です。猫用の歯ブラシと歯磨き粉を使用し、少しずつ慣れさせていくと良いでしょう。また、歯磨きが難しい場合は、歯磨き効果のあるおやつやフードを与えることも一つの方法です。

さらに、定期的に獣医師による歯科検診を受けることも大切です。歯周病は放置すると全身に影響を及ぼします。悪化する前に歯石除去や必要な治療について動物病院で相談しましょう。

また、口臭が強いのに口内に異常が見られない場合は、口腔内以外の病気が隠れている可能性もあり、中には重篤な症状に至る病気もあるため、早めに獣医師に相談することをおすすめします。

特に、食欲不振や元気がない場合は、すぐに診察を受けたほうが良いでしょう。日常的に猫の口腔ケアを行うことで、口臭を予防し、健康を維持することができます。

まとめ

猫の口臭には、さまざまな不調が隠れている可能性があります。こまめな歯磨きと、定期的な健康診断を受診することで、健康状態を把握しておくことが重要になります。

猫の口臭や行動に異変を感じた時は、なるべく早く動物病院を受診するようにしてくださいね。


(獣医師監修:唐野智美)

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