岩井原中 70年間を振り返り 1954年開校 地域とともに発展
昨年4月に創立70周年を迎えた、岩井町の市立岩井原中学校(田副聡校長、生徒数421人)は地域に根差した学校運営に取り組み、住民との絆を育んできた。まちとともに歩んできた同校の歴史などを振り返る。
通学区域が保土ケ谷区と西区にまたがる同校は1954(昭和29)年4月1日、西中学校岩井原分校から引き継ぐ形で創立。58(昭和33)年に火災で校舎が焼失したが、59(昭和34)年に復旧を遂げた。これまでに1万6687人が卒業した。
2001(平成13)年に米国同時多発テロ事件などが発生。同校は平和な世界の実現に貢献しようと、当時の生徒会が中心となり、「暴力ではなく対話」「人の心を感じる心」「自分、そしてまわりすべての命の尊さ」の3本を柱とする「パワーオブピース宣言」を制定した。これは「健やかに育つ」という学校教育目標の実現にもつながり、14(平成26)年には3本の柱を「人を思いやる心」「理解しあうための対話」「すべての命への感謝」に刷新した。
住民交流も重視
住民との交流を大切にする同校。岩井町原連合町内会(野口昌紀会長)主催の納涼盆踊り大会では、有志の生徒が模擬店の準備や販売業務を手伝い、地域活動のやりがいや楽しさを実感している。野口会長は「盆踊り大会のほか、こども食堂などの活動に参加してくれる生徒が多い。地域密着の学校運営に感謝しています」と話す。
そのほか、スポーツや文化活動で保護者や住民との親睦を深める行事「ふれあい交流会」を実施。昨年は12月23日に開催し、ヒップホップダンスや将棋などの15種目で交流を図った。
生徒主体の式典盛況
昨年10月に創立70周年記念式典を開催。多くの来賓が出席し、同校の節目を祝った。また、全校生徒で制作した壁画を披露。壁画には同校の青色ジャージをモチーフにした猫のキャラクター「ロク丸」などが描かれた。ロク丸の名前が岩井原の岩(rock)をヒントに命名されたというエピソードも発表されるなど、会場は終始和やかな雰囲気となっていた。
田副校長は「岩井原中学校は今後も地域の皆さまとともに、80周年、100周年、その先へと発展し、歩み続けます。生徒、教職員、保護者、地域の皆さまのご理解とご支援を賜り、精いっぱい努力してまいりたいです。どうぞこれからもよろしくお願いいたします」とあいさつした。