鎌倉市 新庁舎設計のプレゼンテーション 9月下旬以降に結果公表
市役所の深沢地区移転計画を巡り、鎌倉市は9月1日に実施した新庁舎基本設計業務に関するプレゼンテーションの速報版動画を、YouTubeの市公式チャンネルで公開している。プレゼンテーションは、新庁舎の基本設計に参加した4者の二次審査として実施。1者に絞った結果は、9月下旬から10月の間に公表する。
新庁舎のイメージを具体化することを目的に、今年4月に基本設計者を公募した鎌倉市。(株)石本建築事務所横浜事業所、隈研吾建築都市設計事務所・梓設計共同体、内藤廣・松田平田設計共同企業体、(株)日建設計の4者が応募し、全ての事業者が9月1日の二次選考に臨んだ。
二次選考は、事業者の名前を伏せた匿名審査で実施。4者それぞれは、低層で広いフロアを確保した「あたらしい生活文化の拠点をつくる」、DX(デジタルトランスフォーメーション)化に焦点を当てた「鎌倉ONE」、街や緑などを横断的に連携させた「市民を守り・つなぐ・やさしい・丘陵型庁舎」、鎌倉らしさを随所に表現した「歴史と未来をつなぐ『鎌倉散策の森』」を提案した。
800件の市民意見
プレゼンに向けて、市が募集した4者の提案に関する市民意見は約800件で、市HPで公開されている。またプレゼンの速報版動画も公開中で、当日使用したスライドや手話を入れた動画が9月末までに公開予定。
台風接近に伴い来場者の安全を考慮し、1日のプレゼンを非公開とした鎌倉市。13日には、市議会9月定例会の建設常任委員会が庁舎内で開かれ、本庁舎等整備事業に関する報告があった。市議からは「審査過程を一般公開するのが最大の売りだったのでは」と意見があがり、市担当課は「今後公開する動画が一般公開の代わりとなるように、しっかりと広報したい」と答えた。別の市議からは、市役所移転の是非を問う住民投票を実施すべきという声もあがった。二次審査の結果は、今月下旬以降に公表される。市は11月頃に仮契約し、市議会での議決を経て12月末までに契約締結を目指す。
市役所の深沢地区への移転を巡っては、出席議員の3分の2以上の同意が必要となる「鎌倉市役所の位置を定める条例の一部を改正する条例(位置条例改正案)」が、2022年12月議会で否決されている。市は、関係者や市民への説明を進めながら条例改正案の再提出を模索しているが、賛同を得られない状況が続いている。